【勝手気ままに映画日記+山ある記】2026年5月(完成版)
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| 4・29登山道からこれから登る石鎚山(西日本最高峰1974m)を望む |
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| こちらは前日に登った剣山(1954m)西日本第2峰(4・28) |
今回も順次、登った山・観た映画をご紹介していきます。映画についてはページ下方から上に向かって掲載しております。PC仕様で作っておりますのでスマホ・タブレットだと少し見にくいかも…。でもちゃんとご覧になれます!
5月の山ある記日付の前の番号は今年になって何回目の山行かを示しています。⑭は4月中ですが、GW中ということで、5月に…
⑭4月28(木)~29日(金) 西日本最高峰 石鎚山 + 第2峰 剣山
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| ●剣山⇒西条⇒▲石鎚山 |
28日 羽田空港(7:50 JAL475便)✈高松空港(9:10)⇒見の越駅(12:30リフト12分)⇒剣山登山リフト西島駅(12:30)…➡剣山(1954m 頂上ヒュッテ…雲海荘…大劒神社)…➡リフト駅(14:50)リフト下山⇒西条(18:00 エクストールイン西条駅前泊)
2h28m 3.2lm ↗524m ↘245m コース定数10 平均ペース130-150%(速い・上りリフト含む→Sからの赤線部分)【ヤマップデータ】
29日 西条(7:15)⇒ロープウェイ山麓下谷駅(8:00ロープウェイ10分)⇒山頂成就駅(8:20)…➡剣山(10:30)…➡二の鎖元小屋(11:08)…➡石鎚山(1974m 12:30)…(往路下山)➡山頂成就駅(14:37 ロープウェイ下山)⇒山麓下谷駅⇒道後温泉(15:50~16:30⇒松山空港(20:00 ANA598便)✈羽田空港(21:10)
6h26m 9.4㎞ ↗1191m ↘1020m コース定数24(ふつう) 平均ペース110-130%(やや速い) Yツアー。参加者19名(m1)
足の痛みは、整体に行ったのだけれどよくなる気配なし。しかし行かずはなるまいと、久しぶりの航空機遠征、学生時代以来の四国へ。2000m未満ではあるが、西日本最高峰と第2峰に挑戦。とはいえ、剣山(徳島県)はリフト、石鎚山(愛媛県)は途中まではロープウェイで高度を稼ぎ、石鎚山の知られた鎖場も(残念ながら)今回は迂回で、思いのほかラクラクと登ることができた。ただし石鎚山の急坂下りで、左足の足元なく前傾で転ぶ。その後木道から落ちた方も一人あり、快適登山もあまり気楽にに登ってはダメね、と反省しきり。2日間、それぞれ男女の個性的な現地ガイドさんの案内で。天気にもまあまあ恵まれたので、以下山の写真集で。
28日剣山
↓リフト登り口へ/リフト/これから登る道
↓頂上付近・頂上ヒュッテの岩の上に小社/木道が敷いてある
↓天気よく、眺望抜群(360度)心晴れる剣山頂上。
↓花は珍しく見つけたバイカオウレン
下山後、石鎚山ふもとの西条の街へ移動。夕飯は誘っていただき海側の魚市場「マルトモ水産」へタクシーで。ビール・刺身盛り(3種9切れ?の豪華版)1000円+お任せ握り8貫1380円)で安くて豪華な夕食。同行の皆さんの海鮮丼もなかなかすごくておいしそうだった。
↓天気よく、眺望抜群(360度)心晴れる剣山頂上。
↓花は珍しく見つけたバイカオウレン
↓西条の街/マルトモ水産の夕飯!
29日石鎚山
↓ロープウェイ上(成就駅)から出発
↓神殿内からのぞむ石鎚山(左天狗岳・右弥山)山自体が御神体ということである
↓山道はミツバツツジや何より咲き乱れるアケボノツツジ(アカヤシオと同種とか)を楽しめる
↓ミヤマシキミ/ショウジョウバカマ/行者姿の登山者も…
↓さらに急坂・階段を上って/上って/頂上到着↓頂上裏側はこんな岩山/二の鎖の登り口・次はここを登りたいが…/いよいよ下山
↓行きはあまり気づかなかったが、下り道はスミレの群生が眼を楽しませてくれた道後温泉(本館はGW初日で混みかたがひどいとのことで30分で椿の湯に。入浴料は本館より安い450円だった。温泉街の小店で生ビール1杯!)その後一路松山空港に行き、帰京する
⑮5月13日(水) 秩父 小鹿野アルプス・釜ノ澤五峰(雷接近につき二峰で撤退)
新宿発(7:00)⇒秩父32番法性寺(9:30)…➡観音堂(9:48)…➡お船観音(9:48)…➡小鹿野アルプス三角点(堂の入 11:00)…➡展望ポイント(11:45)…➡釜の沢五峰登山口(12:00~12:18)…➡一の峰(12:35)…➡二の峰(12:48)…➡(まきみちを経て)…一の峰(13:09)…➡釜の沢五峰登山口(13:30)⇒新宿(16:00)
3h44m 3.2㎞ ↗395m ↘420m コース定数8(やさしい) 平均ペース70-90%(ややゆっくり)【ヤマップデータ】 Yツアー参加者9名(m2)
前半小鹿野アルプスの3時間あまりは、左足太もも裏側の違和感を少し感じつつも、岩場の鎖などもけっこう楽しみつつまあ快調に歩くことができた。暑さのせいか水分補給(アセロラ水の氷水)はしっかりしたのだが、なぜか下りで少しばててー足をかばいながら歩いているせいかストレスがたまった感じで、中間点、釜ノ沢五峰登山口での昼食(シーズン最後?のおポットおでん)もあまり進まず。一峰へはトップをとらせてもらったのだが、これがなんかすごくつらくて、足を引きずりながら急坂を登った感じ。あとで気が付いたのは昼食時に痛み止めを飲まなかったこと。一峰の展望台からは最後尾で上がり、気が付いて二峰の手前で薬を飲んで何とか体調を整えようやく二峰に登る。雷が心配されるので、周回はせず、同じ道を戻るというガイド判断を聞いて、それならここで私は休みとどまって皆さんが五峰まで行って戻ってくるのを待つと申し出たのだが、その時点で、雷鳴!ガイドは、二峰を下りたところ(短いが垂直っぽい鎖場。足場はある)から山腹を迂回して往路に戻るという判断をされたので、私にとってはこれ幸い、そのまま鎖場をおりて、なんとも足元危ういトラバースのう回路はガイドの直後に付かせてもらい(とはいてもストレスが緩和されたせいか、まあまあ快調に戻り)予定よりは1時間ぐらい早くバスにたどり着くことができた。ツアー全体としては途中撤退ということになってしまったが、私としては、なら個人撤退を申し出なくても済んだというわけで、めぐみの雷鳴?しかし、帰りのバスの中での情報では、山の方には58mmとかの大雨が降っているとかで、危機一髪逃れたことに大感謝(しかもYツアーのカード、雨撤退の1ポイント、それに先日テムレス(グローブ)のアンケートに答えた1ポイントももらって大満足!)
↓展望ポイントから武甲山方面など眺望は抜群
↓一の峰でのガイド氏/私も何とか二峰へ/けっこう急な下りにロープも張り
⑯5月18日(月)今年5回目の高尾山~~満開のセッコクを見に~
高尾山口駅(9:15)…➡ケーブルカー清滝駅セッコク鑑賞…➡6号路(9:30 10:00セッコクを見る)…➡高尾山(599m 11:00)…見晴台・山頂下(昼食 11:15)…➡もみじ台(11:50)…➡5号路…➡稲荷路(12:00)…➡稲荷山(12:33)…➡稲荷山口(13:30)…➡高尾山極楽温泉
4h 7.5㎞ ↗635m↘645m コース定数15 平均ペース150~170%(速い)【ヤマップデータ】
1年ぶり(当然だけど…。昨年も同じ5月18日に見に行っていた)「セッコク見」は、戸隠に2度ほどご一緒した旧友Iさんを誘って、久しぶりの個人(非単独 おしゃべり?)山行。
実は彼女とは同じ京王線上の住人どうしなので、もっと早く頻繁に一緒に歩いてもよかったのだが…。9時15分の出発で、まずは清滝駅の「鑑賞スポット」に今年は1本だけだったが満開のセッコクを確認。その後6号路を歩き出す。平日だがさすがのシーズンで6号路もけっこうの人出。昨日の整体以来、もみ返し?の痛みに苦しみ、今日は大丈夫か?と直前まで悩んだ状況で、歩き出しても少し右足太腿裏には痛みがあって、ゆっくりゆっくり…。若いIさんに合わせてもらいながら、行きはけっこう何組もの人に追い抜かれた。
セッコクは道に近いもの、少し離れた木の上と、ややピンクががった色のもあって、なかなかに満足のいく咲きぶりではあった。2人でしゃべりながらであれば案外道もはかどり、まもなく6号を上り、頂上で昼(後の温泉飲みも考慮して?軽く行動食で。最近集まった!和菓子セットからいくつか)のあと、もみじ台まで足を延ばし今シーズン、この時期にしてはまあまあの富士山も拝んで、5号路から稲荷路を下る。下りは意外と稼ぎ、足は少し痛みはあるものの、特には問題なく下ることができ、極楽温泉で待望の乾杯打ち上げまで。猛暑の予報だったが、陽射しは強いものの木陰には風も吹き意外に楽な山登り。しかし水だけはかなりしっかり1ℓくらい?(テルモスに氷を入れアセロラドリンクを作って、水を注ぎ足していくという去年からの夏方式で)しっかり摂った。
↓清滝駅のセッコク/この時期には見学ができるようなっている/ケーブル駅には保育園?の遠足組も…山頂でもまた会った。猛暑の中でも元気いっぱい!
↓6号路のセッコク/山頂見晴台のIさん・富士山は小さいけれどちゃんと見えている⑰5月30日(土) 栃木・古賀志山 昨年と別ルートで日帰り山行Yツアー。
昨年と同じくガイドはOJ・KMペア。足はすこーし心配ではあったのだけれど、今回もなんとか無事に、とーっても楽しく歩いてきました。写真や詳細は6月号に載せます。
書きました!よろしければ読んでください
よりぬき【中国語圏】映画日記
―『フォクス・ハント』『長安のライチ』『射鵰英雄伝』
TH叢書 NO.106 アニミズム的ヴィジョン 世界との関係を編み直す
アトリエサード/書苑新社 2026・4
こちらもよろしく(同じ叢書内です)
中国語圏映画ファンが選ぶ2025年〝金蟹賞〟は『トワイライト・ウォーリアズ 決戦!九龍城砦』』に! 小谷公伯
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5月の映画日記 各作品最後の数字は今年になって劇場で見た映画の通し番号です
①台北ハリウッド②超低予算ムービー大作戦 ③ロストランド④ヤンヤン夏の思い出 ⑤トゥ・ランド ⑥ホールディング・リアット ⑦子どもたちはもう遊ばない ⑧霧のごとく⑨花様年華4K/花様年華2001 ➉未来 ⑪シンプル・アクシデント|偶然 ⑫ハード・トゥルース ⑬旅立ちのラストダンス ⑭プラダを着た悪魔2 ⑮ニッポン狂想曲 ⑯父と家族とわたしのこと ⑰OXANA 裸の革命家・オクサナ ⑱不屈の女たちー旧東ドイツ編
中国語圏映画 ①②④⑧⑨⑬
日本映画 ③④➉⑮⑯
その他のアジア作品 ⑦⑪
下線はドキュメタリー作品⑥⑦⑮⑯⑱
★はナルホド! ★★はいいね! ★★★は是非ともおススメ!(月1~2本にしています)という、あくまでも個人的感想です。なお、本文中の赤字部分はその映画の関連作品などを掲載したページへのリンクとなっています。
⑱不屈の女たちー旧東ドイツ編
監督:トルステン・ケルナー 2024ドイツ 104分
足は痛いし、お金はないし…というわけで家にくすぶっているうちに、あらら、気にしていたイメージフォーラムの特集「EUフィルムデイズ2026」も、もう終わり!あわてて急遽夕方から見に行ったのがこの1本。新作映画だが1950年代からの旧東ドイツ時代の女性のおかれた状況、男女同権の流れにありながら、やはり旧時代的な家父長主義的男性上位感覚が残っている社会主義社会東ドイツの状況とか、その後の流れー理想と現実のギャップの中で、力を発揮しようとしてきた女性とかを、12人(映画案内等では12人としているが、終わりに出てきた彼女たち14人いたように思うのだが…)の元工場労働者、農業委員、から芸術家たちまで、今や7〜80代に達している人々だと思うがインタヴューと、当時の映像で綴っている。中身に関してはどこでも同じ?と自分の来し方を振り返って共感するにとどまるが、出てくる高齢女性たちの、自分の生き方を貫いた現在にしびれる格好良さ!18時45分開始の劇場内は前2列位を残してほぼ満席、にびっくり!(5月29日 渋谷シアターイメージフォーラム 120)
⑰OXANA 裸の革命家・オクサナ
監督:シャルレーヌ・ファビエ 出演:アルビーナ・コルジ マリア・コシュキナ ラダ・コロバイ 2024フランス・ウクライナ・ハンガリー103分
2018年に31歳で自死したウクライナ出身、フランス在住だったオクサナ・シャチコの伝記映画。ウクライナ出身の社会活動家というところにひかれて見に行ったのだが、これはちょっと期待外れ。実物のオクサナも写真で見るとなかなか魅力的な美人だが、映画も、オクサナはじめ役者の美しさとか、暗い画面の光の美しさや工夫というという意味では大変見ごたえのある作品だった。オクサナはイコン画家として出発し、ウクライナのジェンダー問題(旧政権下での経済発展解放が他国からの買春観光を招いたとして、「FEMEN」という組織をつくり、規制を政府に求める運動??ー確かにこれは大問題ではあろうが、政府が女たちを買春の商品として差し出したということ?ちょっと抗議の内容が、特に上半身裸になって抗議活動をするということの意味がよく分からない)から、政治やプーチンの支配への抵抗までを、人々の眼をひくための?トップレスで行い、拘束や、拷問を受けて2013年には仲間とともにフランスに亡命。しかしそこでは、先に亡命していた一人が現地フランスのFEMENの中核となって、あとから来た自分たちとは違った方向に運動を展開しているのを見たことから政治活動からは距離を置いてアーティストとして活動するも…というような流れなのだが…。美しい女性たちが、明暗のはっきりした光の美しい画面の中で裸体にスローガンを書いて活動する姿は、確かに人目もひく印象だけれど、大変感覚的に描かれているので、多分実物のオクサナもそうだったのではないかとも思われるのだが、裸に目が行ってしまって彼女の理念や主張がことばとして明確に届かないといううらみは否定できないように思われる。運動としては、これはやっぱり致命的?そしてラスト、暗闇に裸の男女が群れ踊る中にオクサナだけは白いレースのようなドレス姿で、これはオクサナの敗北を示しているのかしらん…。その悲しみを伝えるとすればそれなりの効果は上げていると思われるのだが…。(5月27日 シネマート新宿 119)
⑯父と家族とわたしのこと
監督:島田陽磨 出演:藤岡三千代 市原和彦 佐藤ゆな(仮名) 2026日本 127分
いっしょに山を歩いていた友人が、私の家族(実家)の話を聞いて「この映画はまさにその問題を描いている」という。彼女は2週間限定上映のポレポレ東中野に選んで見に行ったのだとか。私自身はマークはしていたもののその重そうなテーマにたじろいだこともあり、他用にずるずる日がたったまま見逃してた。上映劇場を調べたところ青梅の「シネマネコ」という映画館でやっていることがわかり雨をついて東青梅まで遠征した。実は私は約50年前!?初任で、東青梅の高校で働いていたことがある。当時はそれまで3館あった青梅の映画館はすべて閉館したところだった。「シネマネコ」は、その高校の裏側の織物組合の建物をリノベーションして5年前にできたとのことで、ブルーに塗られた木造の建物の中は映画館とおしゃれなカフェが併設されていて、フリーWi-Fiも完備。なかなか居心地よく、この日は早めに行って珈琲をいただきPC仕事もしてからの映画鑑賞。ただし観客は5人くらい(前後の映画はもっと入っていたが)でちょっと寂しい。映画内容は、第二次大戦応召でPTSDを負ったと思われる父の暴力・虐待に襲われて育った子どもたちが、自身も子どもや妻への虐待をしてしまうことに苦しみつつ、その根源としての父の足跡を尋ねて自身との関係をたどる、と、まあざっと言えば3人のおもな登場人物のおかれた状況はそれぞれながら、そこに戦争で望まないのに人を殺すことに加担させられた人間の孫子にまで及ぶ傷の存在を明確にしているということだろうか…。友人が言った「あなたの問題そのものだ」とまでは言えないのだが、私の父も繰り上げ卒業で社会経験のないままに召集され、幹部候補生で参謀本部勤務(数学専攻だったので暗号解読をしていたと本人に聞いたことがある。フィリピンで機銃掃射を受けたとは聞いたが自身が人を殺す立場になったことは多分ないだろう。子供のころよく聞かされた戦争談義は、どちらかというと懐かしい苦労話という趣だったように思う。父にとっては戦争は意外に居心地のいい自己実現の場だったのかもしれない)、敗戦時は台湾で、砂糖を担いで早々に帰国もできたらしい。が、帰ってみると自宅は空襲で焼失、兄はシベリアに抑留されて帰らず、すでに退職し病身の老親はまだ独立前の弟妹とともに田舎の100年以上たった大きいだけの半あばら家に疎開したまま住みついていて、そこに戻った父は一家の経済的な担い手として、また老親の介護の主体として、そこを離れることができないまま(不本意にも)地元の高校の数学教師として、親の死後も古い家を守り、結婚もし子供も育て一生を埋めることになる。数年後にようやく戻った兄は逆に地元には居場所がなかったのであろう、国家公務員として国内を転勤し、とうとう死ぬまで田舎に戻ることはなかった。田舎を知らず町の子として育った次男(実は三男だが、長兄は若い時に亡くなったいる)父の中に、父祖の地とはいえこの田舎に過ごすことの不本意はずっとあったように思うし、跡継ぎなのに田舎の家を「見捨てた」兄へ確執もあり、しかし跡継ぎであることを全うすべきだというような矛盾した心情もあって妻子を連れて田舎を捨てる決心もつかず、方法もないというのが、当時の父だったのだろうなと思う。映画の中の父親のようには子供を虐待することはなかったが、しかし支配的な感情は相当なもので、幼いころ生意気だった長女の私は父に殴られ家から放り出されたことも、捨てると言われ家から連れ出されたこともある。父の中にあったのは自身の不本意な人生を田舎での立身?にかけるとともに、子どもたちを自身のあるべきだった生き方にふさわしい人間に育てることだったのだと思われ、私たち3人きょうだいは、その意味で父の鋳型にはめられるように育ったのだなと思う。地元の高校教師として教え子の大学受験での成功を自身の実績とした父は、息子には東大合格を求め、娘には(弟の邪魔にならないように)東大受験は許さない、女子大の最高峰に行けと求めた。年子の弟に追い上げられて父の望みを果たした長女の私は、弟が現役から浪人を繰り返し東大に入るまで、夏休みや正月も実家に戻ることは許さない(とはいえ母の内緒の手引きで正月ぐらいは家に戻ることはもちろんあったが)と言われて、おのずと自立独立してしまい、浪人した弟や妹は大学に入るまでバカ呼ばわりされ、最後に大学生になった妹は卒業前に父が病に倒れたので、勝手な兄姉のせいで自分だけが父の介護を担わなくてはならなかったとして、結局60代のはじめでなくなってしまった父は、3人のきょうだいに確執を残して死んでしまった。父の死後40年ほど生きた母(かわいそう)についてもいろいろあるが、それはまたいつか…ということで、その母の死後、実家を自らだが排除された私、長男の義務と自身の活躍というある意味矛盾する人生を押し付けられて苦しみ、結局実家は放り出した弟、最後に残って父母の面倒を全部引き受けたと兄姉に恨みさえ持つに至った独身の妹(経済的には3人の中で一番豊か)—「自分勝手」な姉は、母の死後、妹から一切連絡するなと言われ絶縁されてしまっている。―ってこれも結局遠縁的には戦争がなければ起きなかったことだよなと思わされる。もっとも戦争がなければ父は全く違った人生を歩んだかもしれず、父と母が出会うこともなく、私たちもこの世には生まれなかったということなのではあるが(笑)ということで自分に照らしながらいろいろ考えながら見た映画だった。同じ作者『ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん』⑮を見た時も同じようなことを思ったなと思いだす。(5月22日 青梅シネマネコ 118)
シネマネコ(織物組合の敷地に立つ)/昔つとめた高校もすっかり様変わりしていた(当たり前だけど…)
⑮ニッポン狂想曲
監督:太田隆文 出演:山本太郎 大石あきこ 原口一博 乗松聡子 石川知裕 エマニュエル・パストリッチ ピーター・カズニック 2026日本 105分
出だしは「能登大地震」。その復興が1年以上たった25年時点でも進んでいないことを示す写真映像がたくさん流れ、25年の大阪万博への国の対策優先の結果、能登には人も資金も流れず復興が進まない状況を国会での質問なども含めたれいわ新選組の山本氏の言説、大阪側からは万博へのインフラの整備が実は万博後のカジノ構想のためのものであることがなどへの大石議員の話などで、要はこれらが大手の新聞やテレビなどのニュースでは流れず、それは政府・官僚の方針を背負っているのだということが語られる。となると…昨日までNHKTVで放映されていた、能登復興の中での災害ラジオを題材にした『ラジオスター』というドラマの登場人物が「能登の復興は急がなくてもいい。自分の望まない知らない形に復興を急ぐより、自分たちの求める姿にゆっくりと変わって行けばいい」というようなセリフがあたけれど、ん?これもむしろ政府方針を反映したものとして見るべきものなのかと、見ながら悩む。さて、映画の方はその後安倍首相暗殺事件の、山上はケネディ事件のオズワルドであって、実際の暗殺の陰謀は別の所で行われていた(って、これ定説?)とか、鳩山政権の業績(にはならなかった)評価とか、最後はコロナ・ワクチンは世界的な人口削減へ向けての人体実験が日本で行われたのだという陰謀説?にも聞こえるような怖い話へと、報道がいかに政治の意向とかを受けて真実・事実を伝えていないのかということを映画製作者がいろいろな人にたずね追い探っていくという形になっていて、最後のあたりでは「本当かどうかわからないが…」みたいな留保までつくにはつくのだが、ともあれこの社会に(もちろん少しはそうではないかと思っているからこそこういう映画を見に行くのではあるが)知らないことというか知らされないことというか、裏があることがいっぱいというショッキング満載映画で、悩ましく、しかしニュースを見るときにこれからは忘れえない映画になるのだろうとは思いつつ。K’sシネマ午前1回の上映は雨にもかかわらず7割くらいの入り?しかし、遅れて出入りしたり、始まってもスマホの画面をちらちらさせる(映画なれしないから)観客に、ちょっとイライラ。(5月22日 新宿K’Sシネマ 117)
⑭プラダを着た悪魔2
監督:デヴィッド・フランケル 出演:メリル・ストリープ アン・ハサウェイ エミリー・ブラント スタンリー・トゥッチ ルーシー・リウ 2026アメリカ119分
出だし、すばらしく目を引くメリル・ストリープの真っ赤な裾をたっぷり引きずったドレスに幻惑されるが、ウーン、全体を通して20年ぶり!のこの続編、さすがに前編に比べるとミランダとナイジェルの年齢というか老いは(メリル・ストリーブの76歳という実年齢から見たら、とてもそうは見えない若さというかむしろ貫禄?ではあるが)覆いようもない…。20年前バリバリの「ランウェイ」編集長としてアンディをしごき仕切りしつけたミランダは、本編ではやや落ち目?元部下でアンディの同僚ライバルでもあったエミリーが大富豪のバックアップで乗っ取りをたくらむ「ランウェイ」誌での立場を守ろう(守ろうというあたりがすでに引き際なんだろうな…)としながらも、自身の引き際も考え、過去に失ってきたものも思い涙するなどという場面も見せ、一方ジャーナリストとして実績を上げてきたアンディの方は大きな賞を取りながら、会社が雇っていたジャーナリスト全員のクビを切るという事態に見舞われ、古巣のランウェイ誌に戻って、ミランダの危機を救うべく大活躍というような展開になるわけだが。お仕事ドラマとしてはみな大物になってしまっている今回のドラマはなんか遠い世界の物語という感じで富豪相手の駆け引きなんかが多くてイマイチ共感に至らず。ファッションに関してもウーン。アン・ハサウェイの日常着は素敵だがパーティ着のセンスはイマイチのような気がしたし、メリル・ストリーブに至っては最初の赤いドレスで目を引いた後は、ウーン、いや、年は取りたくない??っていうか、年相応のドレスでは物足りないだろうし、かといって中途半端に若作りをすると無理があって、結局ここに落ち着くのねという感じの「中年着(しかもラメとか光り物がけっこう多い)」でなんかなあ、あまり楽しめない。公開から毎日満席数日だったが、しばらくたった平日でも比較的大きな劇場に半分以上は入っていて、さすがの人気のディズニー映画ではあるが。(5月20日 TOHOシネマズ府中116)
⑬旅立ちのラストダンス(破・地獄)
監督:アンセルム・チャン(陳茂賢) 出演:ダヨ・ウォン(黄子華) マイケル・ホイ(許冠文) ミッシェル・ワイ(衛詩雅) トミー・チュー(朱栢康) キャサリン・チャウ(周家怡)秦沛 金燕玲 鐘雪螢 2024香港 140分
元ウェディング・プランナーの道生(トウサン)はコロナ禍で事業が傾き倒産、引退しようとしている明叔(ミン)に誘われ彼の葬儀社を引きつぐことになる。香港の道教の葬儀は、道士と葬儀社がペアになって、死者を「破・地獄」という儀式によってあの世へと送る。頑固で道を重んじる文師匠(道士)は引き継いだ葬儀社の共同オーナーでもあり、跡継ぎの息子ベンを厳しく仕込みながら、しきたりに従って葬儀を執り行い、なれない道生にも厳しい。文の娘、文玥(マンユエㇳ)は救急救命士、父の道士としての仕事に興味を持っていたが、父からは「女は不浄である」として締め出され、父が自分を嫌っていると父への不満も抱いている。兄のベンはすでに結婚して子供もいるが、妻は息子をキリスト教系の名門校に入れたいと願い、ベンも父のあとを継がざるを得なかった自分の境遇を息子に及ぼしたくないと賛成し、受験に有利になるようにと親子で洗礼を受ける。映画前半は、厳しい文道士に戸惑い、時に衝突もしながら、道生がいくつかの葬儀(幼い息子の亡骸を半年も葬らない母とか、冷たい夫に見捨てられるように死んだ妻の葬儀に現れ夫に拒まれた妻の同性の恋人とか、また文玥が親しい近くのレストランオーナーの女性の死とか…)を引き受け、その中で文とわかり合っていく過程が描かれる。後半は息子の背信に怒った文師匠が脳梗塞で倒れ、香港での受験に失敗した息子一家はメルボルンに移住、そして道生の長年同棲している恋人ジェイドが妊娠(それを喜ばない道生)などが描かれて、文の死までと葬儀でのクライマックスまで…ということになり大変迫力のある「破地獄」の儀式シーンが眼を引く。こう書いてくると結構盛りだくさんで人情劇でもあり、ジェンダー問題(道教の女性蔑視に抵抗する文玥とか…)も織り込み、伝統的な長男相続への息子の抵抗とか、まああれこれと盛り込まれている感じで、しかもどれもけっこうゆったりていねいに描かれている感じもあって、ついていくのに少し体力がいる感じはするのだが、なんか真面目に誠実に作られた、香港人の生真面目さがあふれた映画という感じがする。未だ劇場公開中の『私たちの話し方』2⑫主演の鐘雪螢は、ほとんどセリフもないのだが存在感があって事の成り行きをじっと見ているような葬儀社社員を演じている。(5月16日 新宿武蔵野館 115)
⑫ハード・トゥルース
監督:マイク・リー 出演:マリアンヌ・ジャン=パブティスト ミシェル・オースティン デビッド・ウエバー トゥエイン・バレット アニ・ネルソン ソフィア・ブラウン ジョナサン・リビングストーン 2024 イギリス 97分 ★
前半は延々と不機嫌、不平だらけで周りに対して常に厳しくあたるヒロイン・パンジーの怒りぶり、ケンカぶりが続きいささかくたびれる。夫は配管工で弟子?を使い自営で仕事をしていて、まあまあ恵まれたきれいな家に暮らしていて、彼女はせっせと掃除に励んでいるが、引きこもりではない者の無職でゴロゴロしていると、彼女には見える22歳の息子にも、夫にも文句を言うばかりで、まあ2人が穏やかな?性格なので反論はしないのだろうなとは思えるが、彼女の人生が満ち足りてはいない?のであろうとも思わせる描き方である。一方シングルマザーで二人の娘を育てる妹のシャンテルは対照的に明るく、美容師をしながら客とも、またボーイフレンドとの夜遊び中の娘にも叱るというよりは一緒になって笑い楽しむような性格が描かれる。その妹から5年前に亡くなった母(孤独に死んでいるのを見つけたのはパンジーで、彼女はそのことでも母を恨んでいる?)の墓参りに行こうとかなりしつこく誘われ、ようやく重い腰をあげる。墓地ではパンジーは自身を孤独に追い込んだとして亡き母を責め、シャンテルに肩を抱かれ謝られる。同じ日、シャンテルは留守宅の二人の娘に任せてパンジーの夫と息子を自宅に招いて母の日?のパーティを開く。その席で例によって不機嫌なパンジーと、ほとんど無口・無反応な夫と息子。ただその席でシャンテル母娘に触発?されたか、息子が「母に花を贈った」と言い出す。これを受ける形で、別室に行ったパンジーは妹に自身の胸の内をさらに吐露し、自身が嫌われ、孤独であることの恐怖をいわば弱みとして初めて妹に吐露する。映画後半、前半に頻出したような攻撃的な文句や不平にまみれたパンジーは姿を消すが、代わりに彼女は夫の衣服や靴などを共有するベッドルームから放り出し、自身はベッドに潜って出てこなくなる。それまで見守っていた風の夫も、パンジーが息子からもらい嫌々(虫や生き物が苦手という設定らしい)生けた花束を、庭に放り捨てたり、静かだがちょっと不穏?な雰囲気で終わりまで。そしてある日、仕事先で弟子と重いバスタブを階上から運び下ろそうとする夫がぎっくり腰?になり、弟子に助けられながら自宅に帰ってくる…そして?というところだが、この映画そしてどうにもならない??夫とパンジーそれぞれが二階の寝室と、階下のキッチンで涙を流して…ウーン。さすが巨匠!かしら、作者が観客を放り出して後は察せよっていうのは、まあ勇気ある結末だ。前半でたまに散歩に出で旧友に?捕まえられ絡まれるが、映画の終わりでは散歩に出て、ひとりで遊んでいる同年代の女性に声をかけられ付き合いが始まりそう?なシーンとか、シャンテルの娘ケイラが職場で出した企画を上司に認められずつらいシーンのあとで、友人に「うまく行った」と嘘をついて気を紛らしたりジョギングしたりする場面の「前向き」を対比としてだして、悩んでいるのはパンジーばかりではないと諭しているような、シャンテルの「理解はできないけれど愛している」ということばそのもののシーンで、このパンジーの不機嫌=不遇を包んでまとめてしまっているのもなんかね…。いや、その意味でも「老成」の映画でもある。マイク・リー83歳の作品。会員更新招待券無料鑑賞だったのでまあ、よしか…(5月15日下高井戸シネマ 114)
⑪シンプル・アクシデント|偶然
監督:ジャファル・パナヒ 出演:ワヒド・モバシェリ マルヤム・アファシェリ エブラヒム・アジジ ハディス・バクバティン マジッド・パナヒ モハマッド・アリ・エリヤスメール 2025フランス・イラン・ルクセンブルク 103分 ★★★
出だしは両親と娘の夜のドライブ旅行。父親が飛び込んできた?犬を引っかけて殺してしまい、車は故障というアクシデントに見舞われるが、これは映画の主題ではない?故障した車が止まり応急処置をしてもらうことになった家(店?)のワヒドという主人公が、車の主の父親に驚き、彼を追いかけ捕まえて、郊外の荒地?に埋めようとする。かつて不当逮捕投獄されたワヒドだが、当時彼を痛めつけた看守がこの車の主だということなのだが、埋められようとする車の主は必死で人違いだと叫ぶ。実は拘束されていたときずっと目隠しをされていたのでワヒドは看守の顔を知らず、ただ義足の足音と声で判断していた。ワヒドはいったん男を埋めるのを中止、男を自分のバンに閉じ込めて、投獄当時の友人に彼が本当に看守かどうか確かめてもらいに行く。落ち着いて温厚な年上の友人サラルはワヒドに復讐をやめろといさめながらも、同じ時期捕まっていた女性シヴァを紹介する。彼女は、同じく投獄仲間のゴリと新郎アリの結婚式を明日に控えた婚礼写真の撮影中で、確認を断り、アリは当惑するが、新婦のゴリは自身もひどい目に逢っているのでいきり立ち、男の確認・処分に付き合うと、ウェディングドレス姿のままヴァンに乗り込んでしまう(ウエディングドレス姿に、車の周りにご祝儀を求めて群がる人々。これもいかにもイラン?)。しかし、この男が看守であったのかの確認は誰にもできず、4人はさらにあらたな情報を求め別の友人の元へ(これがまた乱暴ないきり立ち男)、というように芋づる式に人が増えながら、当時の弾圧に対するそれぞれの態度を表明していくのは、中で『ゴドーを待ちながら』が引用されているが、まさに、そういう演劇的な空間が映画の中に作られていく感じで、面白い(中味はけっこう凄惨だけど)。男はシヴァの手配で薬を盛られて縛られ意識の定かでない状態で運ばれるが、ワヒドは介抱をしたり、やがて男の携帯が鳴り、幼い娘から母親(男の妻)が産気づいたという電話が入ると、男の自宅まで駆けつけて妻を病院に運び、入院費の支払いや産祝いまでするという、ま、いわばこの男が非常に人の好い一面を持っている。(イラン人の「やさしさ」だそう)にもかかわらず男に復讐をしようとする怒りも強いことがわかるわけだ。やがてこの膠着状態に疲れあきれた他の3人を返し、ワヒドとシヴァは舗装道路まで15分という山中?に男を連れ込んで…という言ってみれば単純だけれども息もつかさぬノンストップ・ムービーが展開して、さて、どういう結末になるのか…。男が本当に看守だったのかどうかは最後まで明らかにはならないが、すべてが終わった日常で義足の足音におびえる?ワヒドの後ろ姿が印象的な終幕。ナルホドなあ、これは絶対に日本では生まれないような映画だよな…けっこう喜劇的な展開でもありと25年78回カンヌでのパルムドール授賞にも納得できるパナヒ作品であった。(5月12日 新宿ピカデリー 113)
➉未来
監督:瀬々敬久 出演:黒島結菜 山崎七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華 野澤しおり 松坂桃李 北川景子 吹越満 玉置玲央 2025日本 130分
湊かなえの「集大成」だそうで、まあ、親に恵まれなかった子の生きざまというか、親への対処?のさまざまを描いたという感じ?原作は未読だったので、早速にkindleで買って読み始めたのだけれど、ン?出だしから全然違う?ならば映画製作の妙を味わえるのかな?30歳の章子から小学生の今の章子への手紙が来るという意表を突くような設定だけれど、これはちょっと見てるとすぐにタネが読めてしまう。映画の方は1996年くらいから2013?ごろの現代まで時代もあっちに行ったりこっちに行ったりで、90年代のヒロイン篠宮真唯子を演じる黒島結菜はヘアスタイルや着るもので大学生時代と30前までを演じ分けているが、少女章子の両親、良太と文乃は若い時代と現代を別の役者が演じていて、ウーン、まあ10代の高校生は無理があるかなとは思うものの、なかなかこの落差というか違和感はちょっと…という感じもあった。そういうこともあり、案外単純な話をゴチャゴチャ散漫に作って観客を幻惑しようとしているような…。とっても難しい性格造型だとは思うが北川景子の母もウーン、彼女の持ち味というか魅力というか演技力が生かされているという感じはしなかった。テレビや映画で最近演じているような彼女の役柄造形にそのままのっかたという感じがする。父親役の若い時代の細田もそうだし、90年代の真唯子を支える坂東龍汰の青年も新味はないがこれはまあはまっている?が、これがおとなになって松坂桃李になるというのもウーン。若い少女たちはそれぞれにとっても頑張って演じてらしさを出しているかなとは思うし、まあ、もちろん一応の水準で眠くなったりはしない娯楽映画に仕上がっていると思うが…。読み始めている原作とどう映画化が違うかを楽しみにしているところ。(追記)で、読んでみたところ…、例えば母文乃と娘章子の名前の由来とか、若い良太と真珠のいきさつ、あるいは篠宮と原田青年の関係とか、映画のほうがむしろシンプル化されてリアリティも増しているところもあって、案外原作の芸のなさ?というようなものも感じてしまった。なるほどね…(5月10日 府中TOHOシネマズ 112)
⑨花様年華4K/花様年華2001
監督:王家衛 出演:マギー・チャン(張曼玉) トニー・レオン(梁朝偉) 2000香港 98分/2001香港9分
『花様年華』はすでに日本での劇場公開は4回目?多分その都度見ているし、自身の映画会での上映なども含め、まあ、何回見たかはわからないのだけれど、今回はそこに9分の短編『花様年華2001』(2000年版の方は深紅がテーマカラーだけれど、こちらは紫で、タイトルバックも、トニー・レオンの衣装も紫系)がつくというので、見に行く。コンビニ店内が舞台で、そこに一人屈託ありげにいつもケーキを頼み空腹を満たす女と、彼女が何となく気にかかる店長がやがて(といっても9分間の話ではあるが)…、というなんて言うか出会いのドラマかな。マギー・チャンの自堕落っぽいポップ振りと、それにもましてピンクや紫系のへんてこなアロハやセーターで口ひげを生やした、ちょっと情けない風にぶっ飛んだ感じの店長トニーは2000年版とは全くの異世界でありながら(2000年版の舞台は1960年代だから当然と言えば当然?こちらは「2001」と銘打ったまさに2001年の世界)出会いの妙の共通性も感じさせるようななかなかに面白い試み的作品だった。(5月8日 シネマート新宿 111)
➇霧のごとく(大濛)
監督:陳玉勲 出演:ケイトリング・ファン(方朗媞)ウイル・オー(柯煒林)9m88
曾敬驊 劉冠廷 ビビアン・ソン 2025台湾 134分 ★★★
昨年台湾公開ころより、日本の公開待ちだった、台湾白色テロ時代を描く陳玉勲作品は、日本公開初日初回を見に行く。台湾の題名「大濛」は福建語の発音に漢字を当てはめた「深いというよりか霧に覆われた」という感じ? 邦題「ごとく」は、映画の舞台になっている民国43年(1954年?)から、主人公阿月と白色テロで捕らえられ銃殺される兄阿雲の語り、望む自由に生きられる未来、また絵本作家志望の阿雲が姉妹に物語る「阿迷」(霧)と「阿水」(雨)の物語の中での阿迷の位置づけ(迷い、霧として雨(水)にはなれず消えていく)をも重ね合わせた、題名なのかなと思える。故郷嘉儀のサトウキビ畑で捕らえられ台北に連行された兄阿雲の銃殺の知らせに、両親を失い嘉儀の実家で叔父一家の世話になりつつ進学の夢も絶たれた阿月は、少しばかりの兄の形見やお金をもって、知らせのあった台北の斎場を目指して嘉儀を旅立つ。ついた台北で600元~1000元ともと言われる遺体の引取り代がないまま、売られそうになるところを救うのが広東省出身の元国民党兵士で、帰れないまま、スパイの疑いで拷問を受け拘束され、戦友を喪った経験も持つ人力車夫趙公道という威勢のいい若者で、彼に面倒を観られたり、かと思えばはめられてひどい目にあったりしながらも、阿月は童養媳として家を出されて離れ離れになっていた姉(9m88が『女の子』⑦に続いて好演。歌もダンスも、普通の若い女の子も見せて)を尋ね、姉とともに兄の遺体を探し当てる。一方で力になってくれた趙公道は、公安?のメンバーの復讐劇に巻き込まれ、阿月は彼とともに自転車アクション?のはてに公道が拘束され、別れ別れになってしまうというハラハラ活劇(ちょっと娯楽映画的要素?)もあって、物語は最後に阿月が教師となり母、祖母となり(ちなみに姉はアメリカ人の恋人を追いかけてアメリカに渡り結婚する)を、阿雲の描き望んだ未来として生きるまでを公道(25年間収監)とのからみも含みたっぷりと描き出し、見ごたえもなかなか。劉冠廷が手配中の怪盗(というか快盗)、ビビアン・ソンが「未来」の阿月の娘と、ほんのちょっとの出演ながら映画を豪華に?したてているのもナルホドの陳玉勲作品かな??何しろ役者陣が、今の台湾映画の中では極めつけと言っていいような若手たちで、それだけでも結構楽しめるというものであった。そしてきわめて真面目に大河的作品として歴史の一時代を描きとっているのもナルホド。映画の公式HPで野島剛氏が『悲情城市』『牯嶺街少年殺人事件』(『セデックバレ』)と並べられると論じていたが、うんうん。ホントと思えた。(5月8日 シネマート新宿 110)
監督:トルステン・ケルナー 2024ドイツ 104分
足は痛いし、お金はないし…というわけで家にくすぶっているうちに、あらら、気にしていたイメージフォーラムの特集「EUフィルムデイズ2026」も、もう終わり!あわてて急遽夕方から見に行ったのがこの1本。新作映画だが1950年代からの旧東ドイツ時代の女性のおかれた状況、男女同権の流れにありながら、やはり旧時代的な家父長主義的男性上位感覚が残っている社会主義社会東ドイツの状況とか、その後の流れー理想と現実のギャップの中で、力を発揮しようとしてきた女性とかを、12人(映画案内等では12人としているが、終わりに出てきた彼女たち14人いたように思うのだが…)の元工場労働者、農業委員、から芸術家たちまで、今や7〜80代に達している人々だと思うがインタヴューと、当時の映像で綴っている。中身に関してはどこでも同じ?と自分の来し方を振り返って共感するにとどまるが、出てくる高齢女性たちの、自分の生き方を貫いた現在にしびれる格好良さ!18時45分開始の劇場内は前2列位を残してほぼ満席、にびっくり!(5月29日 渋谷シアターイメージフォーラム 120)
監督:シャルレーヌ・ファビエ 出演:アルビーナ・コルジ マリア・コシュキナ ラダ・コロバイ 2024フランス・ウクライナ・ハンガリー103分
監督:島田陽磨 出演:藤岡三千代 市原和彦 佐藤ゆな(仮名) 2026日本 127分
監督:太田隆文 出演:山本太郎 大石あきこ 原口一博 乗松聡子 石川知裕 エマニュエル・パストリッチ ピーター・カズニック 2026日本 105分
監督:デヴィッド・フランケル 出演:メリル・ストリープ アン・ハサウェイ エミリー・ブラント スタンリー・トゥッチ ルーシー・リウ 2026アメリカ119分
監督:アンセルム・チャン(陳茂賢) 出演:ダヨ・ウォン(黄子華) マイケル・ホイ(許冠文) ミッシェル・ワイ(衛詩雅) トミー・チュー(朱栢康) キャサリン・チャウ(周家怡)秦沛 金燕玲 鐘雪螢 2024香港 140分
監督:マイク・リー 出演:マリアンヌ・ジャン=パブティスト ミシェル・オースティン デビッド・ウエバー トゥエイン・バレット アニ・ネルソン ソフィア・ブラウン ジョナサン・リビングストーン 2024 イギリス 97分 ★
監督:ジャファル・パナヒ 出演:ワヒド・モバシェリ マルヤム・アファシェリ エブラヒム・アジジ ハディス・バクバティン マジッド・パナヒ モハマッド・アリ・エリヤスメール 2025フランス・イラン・ルクセンブルク 103分 ★★★
監督:瀬々敬久 出演:黒島結菜 山崎七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華 野澤しおり 松坂桃李 北川景子 吹越満 玉置玲央 2025日本 130分
監督:王家衛 出演:マギー・チャン(張曼玉) トニー・レオン(梁朝偉) 2000香港 98分/2001香港9分
『花様年華』はすでに日本での劇場公開は4回目?多分その都度見ているし、自身の映画会での上映なども含め、まあ、何回見たかはわからないのだけれど、今回はそこに9分の短編『花様年華2001』(2000年版の方は深紅がテーマカラーだけれど、こちらは紫で、タイトルバックも、トニー・レオンの衣装も紫系)がつくというので、見に行く。コンビニ店内が舞台で、そこに一人屈託ありげにいつもケーキを頼み空腹を満たす女と、彼女が何となく気にかかる店長がやがて(といっても9分間の話ではあるが)…、というなんて言うか出会いのドラマかな。マギー・チャンの自堕落っぽいポップ振りと、それにもましてピンクや紫系のへんてこなアロハやセーターで口ひげを生やした、ちょっと情けない風にぶっ飛んだ感じの店長トニーは2000年版とは全くの異世界でありながら(2000年版の舞台は1960年代だから当然と言えば当然?こちらは「2001」と銘打ったまさに2001年の世界)出会いの妙の共通性も感じさせるようななかなかに面白い試み的作品だった。(5月8日 シネマート新宿 111)
監督:陳玉勲 出演:ケイトリング・ファン(方朗媞)ウイル・オー(柯煒林)9m88
曾敬驊 劉冠廷 ビビアン・ソン 2025台湾 134分 ★★★
⑦子どもたちはもう遊ばない
監督:モフセン・マフマルバフ 出演:アリ・ジャデ ベンジャミン・フライデンバーグ アディ・ニッセンバウム 2024イギリス・イスラエル・イラン 75分 ★★
24年暮から公開されていたのだが、気にしつつなぜかそこまで到達せず見逃していた。今回の中東危機に際しての緊急再上映としてチャンスをつかまえて見に行く。モフセン・マフマルバフがスマホ撮影でエルサレムの街や、そこに住む人々、子どもたちのダンスチームとか、アフリカ系パレスチナ人の元政治犯・ジャーナリストの現歴史・社会ガイドとか、イスラエル系の人々とかのインタビューで綴って、イスラム教・キリスト教の聖地でもあるこの街の多重・多文化・多宗教状況を描きながら、そこに住む人々が分断されながらも、必ずしも皆が分断をよしとしているわけではなく、共生というか、互いのわかり合いが重要なのだとこもごもに語る姿を通して希望が見えてくるような、そんな側面を切り取った作品だった。さすがのマフマルバフ!アフリカ系パレスチアンのアリ・ジャデ(何とも風格のある70歳)が「ビル・クリントンは下半身、ジョージ・ブッシュは上半身がダメな大統領だったが、今の大統領は上半身も下半身もダメだ」と言うのに笑わせられる。こういう感じ方は世界的共感なんだね!(5月6日 渋谷シアター・イメージフォーラム109)
⑥ホールディング・リアット
監督:ブランドン・クレーマー 出演:イェフダ・ベイニン ハーヤ・ベイニン リアット・ベイニン・アツィリ タル・ベイニン ネッダ・アツィリ オフリ・アツィリ アヤ・アツィリ ジョエル・ベイニン 2025アメリカ 97分 ★★
2023年10月7日、ハマスの武装勢力に襲撃され400人ほどの住民の1/4が殺されたり、人質としてガザに拉致されたキブツ・ニールオズ。この共同体から拉致されたリアット・ベイニン(高校教師・ホロコースト専門家)と夫アヴィヴ・アツィリの解放を求めるリアットの両親や子供たち家族を追うドキュメンタリーで、出演者としてクレジットされているのはすべて家族など実在の人々。父イェフダは、娘がアメリカ国籍を持っていることから、政府に解放を求める代表団の1人としてにアメリカに飛ぶが、そこでは必ずしも人質の解放が優先されず、ネタニヤフ政権の戦争遂行の道具?として人質の存在が利用されているーつまり同じイスラエル側であっても様々な立場があり、逆にパレスチナ側の人々が必ずしもハマスを支持しているのでもないことを経験していく。イェフィダの妻も必ずしも夫を全面的に賛成しているわけではないし、アメリカに住むリアットの妹のタルも父の姿勢を案じているところもあり、同じくアメリカに住むイェフィダの兄ジョエルは、かつて自身が移住したキブツが、パレスチナの村を駆逐して作られたことから、そこを離れアメリカに移住したという人で、この襲撃・人質問題に関しては歴史的視点を含む構造的に考える必要を説く、など、この問題に関するイスラエル人の立場というのも単一ではなく、ネタニヤフ独裁政権の問題性が、他国人である私たちにも示され、それがイスラエルに住む人々をも圧迫しているという問題性が納得できるという意味で、とても勉強になった。リアットは8週間?後の釈放されて帰還するが、夫のほうは殺され、その棺が戻って家族が送る姿まで描かれ、そして、数か月後、拉致前と後とで自身のパレスチナに対する見方が変わったと語るリアットを見ると、この事件、イスラエルの知識人にさえ新しい知見をもたらし、その意味ではハマスの行為もあながち無意味でなく戦果を挙げた?とも思えてしまい、ウーン、複雑。(5月6日 渋谷シアター・イメージフォーラム108)
⑤トゥ・ランド
監督:ハル・ハートリー 出演:ビル・セイジ キム・タフ ケイトリン・スパークス ロバート・ジョン・パーク イーディ・ファルコ 2025年アメリカ 75分
58歳ラブ・コメ映画の監督ジョー・フルトンは今後の人生を考え墓地管理人の仕事に応募する一方、財産をいかに残すかということを考え弁護士に相談する。すると姪っ子、恋人らが、彼が悪性の病気で式が近いのではないかということで、元妻や周辺の人々も巻き込み大騒ぎというコメディだそうだが…。主人公がけっこう表情がしかめっ面だし、恋人も姪っ子も元妻もインパクトのある造形だし(出てくる女性が、男性陣に比べて断然格好いいのも特徴的。男は皆「悩める」風)、登場する墓守とか近所の友人とか、彼を有名人として追っかけというかストーカーのように周辺を嗅ぎまわる青年たちも含め、べらべらと語る、人生について語るのだけれど、ウーン。要は演劇型のセリフ劇で、字幕は「固い」ので、よく考えれば笑いを誘われるのかもしれないが、なんか頭に入ってきにくくて、喜劇性がイマイチわからない。それに、この主人公(も周囲の人もだけれど)名をなし、財産もあり、仕事も未だありで、将来(老後~死後)の悩みというのもなんかすごく贅沢というか、恵まれた人物が、お気楽に悩んでいるという感じもあって、ウーン。珍しく後でネットのレヴューも見てみたが、すごく好き!と評価している人と、全然共感できない、理解できない派とがくっきり分かれている感じだが、私は?評判のハル・ハートリー作品だが未見ゆえに見てみたが、私はもうこれで終わりかな…。ホン・サンス作品に似ているという声もあったが、なるほど…。でもあちらはアジア的なので、まだわかる気がした。(5月5日 渋谷ユーロスペース 107)
④ヤンヤン 夏の思い出(1&2)
監督:楊德昌(エドワード・ヤン) 出演:呉念真 張洋洋(ジョナサン・チャン)李凱莉(ケイ・リー) 金燕玲(エレイン・ジン)李希聖 イッセイ尾形 津田健次郎 2000台湾・日本【中国語・台湾語・英語・日本語) 173分 ★
言わずと知れたエドワード・ヤンの名作の4K版。2000年暮の日本初公開時はもちろん、自身の主宰していた中国映画上映会でも上映したし、何回も(何回か)見ているが、しかし、久しぶりの上映に。前に見た時ももちろんそう思ったけれど、一見幸せそうな家族の一人一人の日常生活の苦しみ(けっこうドロドロの愛憎関係だし、しかもなかなか共有できない)を描いて、やっぱり鬱陶しい?というか、ウーン、どうにもならない暗い世界かな…。『牯嶺街少年殺人事件』を思わせる少年の事件も出てくるし…。ただ今回見て思ったのは、例えば倒れて意識不明になる祖母(以前見た時には、多分私の母はまだ健在だったが、まったく同じ感じで倒れた母の10年間の意識不明後に亡くなったあとでは)を自宅で介護する(看護師とかもちろん専属でつけているのだが)のがあんなに家族の物理的生活に影響を与えないとは思えないし、新興宗教に走った母が子どもを放り出し「山」にこもってしまうというのも、ちょっとあり得ない?(いや、山上事件のあとではあり得ることか…)なんて気もするし、はては娘のデートと重ね合わせた父の再会した初恋相手との日本での逢瀬というのも、日本人大田の造型も、なんかなあ…。ヤンヤンも姉のティエンティエンもそれぞれの哀しみ・苦しみ人生のどうにもならなさを抱えながら、今どきの子のように引きこもりにもならず、何とか頑張る(ティエンティエンが祖母に抱かれて励まされ安らぐシーンの平穏は映画的に癒された)が、それもこの映画の一主題なのだろうとは思いつつ、その健気さには時代と作者の願いが表れているような気がする。それが芸術というものかも知らんが、どうも現実離れした作者の「若さ」の表出のようにも思えてしまったのは、まさに私の老いかしらん…。それにしても「こどもの日」の上映は満席で、中にはそれこそヤンヤン年齢の子供連れもいて、いや、この映画子どもが飽きずに見てわかるのかしらんと、それもチョイ心配になってしまった。題名とか、いかにも子供が主人公みたいな宣伝のしかたはちょっと罪かも。
ともかく見ごたえのある、懐かしい一作であるのは確かで、エドワード・ヤンの到達点の一つであったことには納得できた。(5月5日 下高井戸シネマ 106)
③ロストランド
監督:藤元明緒 出演:ソミーラ・リア・ファッデン シャフィ・リア・ファッデン 2025日本・フランス・マレーシア・ドイツ 98分 ★★
『僕の帰る場所』①、 『海辺の彼女たち』㉓の藤枝監督3作目。ボートピープルとして国を出たミャンマーのロヒンギャの幼い姉弟が国外脱出の仲介人にとらわれたバングラデシュのジャングルから逃げ出し、逃避行のはて、5歳の弟だけがマレーシアにたどり着く、その過程を例によってドキュメンタリー調で描いて、ロヒンギャの人々の置かれた境遇を世界に訴える。実際にロヒンギャの人々が200人ほど出演し9歳と5歳の姉弟を実名で演じる実際に姉弟であるロヒンギャの素人の子だという。セリフなどはほとんどなくロングショットも多いようではあるが、こんな命がけの旅を(ドキュメタリーとしてはもちろん撮れないだろうが)演じさせてしまう作者も、演じた子どもたちー見た目のインパクトというかかわいらしさ・逞しさも相当で子役というより生来の役者を感じさせるーにも驚嘆。彼らは極限状況の旅をするが、最初に彼らを連れて出ることになる叔母や従兄?も含め、途中で何らかの形で旅にこの二人のいわば「厄介者」を抱えることになるロヒンギャの人々の優しさというか義侠心?のようなものは感動的な感じがする、一方金で脱出を仲介するブローカーの阿漕さというか冷酷さの対比(人間としては描かれていない?)は印象的な凄まじさ。マレーシアにたどり着き、最後に面倒を見てくれた同行の女性の家で風呂に入り眠ったあと、ひとり街をさまよう5歳の少年のはかなげながら一人歩み出そうとする?様相は『僕の帰る場所』とも共通する、作者の人間観が表れている感じがした。(5月3日 キノシネマ新宿 105)③の前に、有明まで行き「2026憲法集会」に参加
足も痛いし、あまり長くは立っても座ってもいられず、パレード(デモ行進)などはとても参加不能だったのですが、今の日本の改憲推進派(一刻も早く憲法を変え、自衛隊は国際戦参加可能に、非核三原則も見直したいという)の動きをみていると、とても怖い。そんな思いでとにかく意思表示のあかしとしてだけは、この集会にも参加しなくてはというわけでした。有明防災公園には思いのほかというか、思った通りに多くの人々。心強さも感じるとともに、やはりこんなふうに「今」を憂いている人が多いのだとちょっと愕然の気も…
②超低予算ムービー大作戦(導演你有病)
監督:李幼喬 出演:唐從聖 徐愷 馬力歐 撒基努 鄭志偉 陳幼芳 2024台湾 98分
「映画プロデューサーが新作制作のため監督探しに奔走するが、超低予算のため誰も引き受 けてくれる人がいない。わらにもすがる思いで採用したのは、自ら志願してきた怪しげな新人監督だった。出資元からの無理難題にも振り回され、撮影現場ではスタッフたちが予算の壁に阻まれながら映画作りに挑むことになるが……」
前半は出資者のドリンク会社の社長と、新米なのに強引・傲慢な監督「倪有彬(ní yǒu bīn)題名の「病気の監督」とかけてある。ただし「病」は「bing」だから??だけど)の間に板挟みになりながらなんとか配信・試作の低予算(10万元=50万円?)の撮影を続行しようとするプロデューサー中心のドタバタ劇。なんか話の筋がつかめず、けっこう往生してしまう。後半に至り監督の正体実は?というところで、おー、アジア的台湾的オカルト・ホラー的人情劇か…という展開にビックリ。二枚目シュー・カイが髪逆立てて監督をやるコメディ振り(ってあまりコメディアン的ではないのだが、多分それも含め)の意味も何となく分かり…なるほどね…。土曜昼、好天の劇場はガラガラ…(5月2日 新宿K'Sシネマ 特集上映「台湾Filmake 映画に恋した3つの人生」104)
②を見たあと、晴天の午後新宿駅南口前のスタンディング『武器よりご飯』『平和を築こう中国と』(ピース・ニュース主宰)にちょっとだけ参加(足が痛くて長くたっていられない)
とにかく、日々高市政権一強の独裁化、軍国化、憲法改悪への歩みが、怖くて怖くて、つらい日々です。憲法記念日の明日、なんとか声を上げていきたいという共感の思いで、集会の片隅に立っていました。有明の集会にも行きたいのですが、ウーン、歩くのは意外に平気ですが、立ち止まって長く立つのがつらい…頑張れるかな?
①台北ハリウッド(阿嬤的夢中情人)
監督:北村豊晴 シャオ・リーショウ(蕭力章) 出演:ラン・ジェンロン(藍正龍) アン・シンヤ(安心亞) ワン・ボージエ(王柏傑)天心 2013台湾 124分 ★★
先月に引き続きK’sシネマの特集上映「台湾Filmake 映画に恋した3つの人生」の2本目として見るが、実はこれ2014年に大阪アジアン映画祭で見た『おばあちゃんの夢中恋人』である。当時邦題(原題の翻訳だが)がなんか、ウザイ?というかよくも悪くも印象的だった。主演の藍正龍は2023年東京国際上映の『成功補習班』7-㊷の監督(ちょっとだけ出演も)で、この年の上映では実物に会ってもいるのだが、ん?その時には思い出さなかった…。以下は、未公開の2014年映画祭での記事から…
⑫おばあちゃんの夢中恋人(阿[女麼]的夢中情人)
監督:北村豊晴 シャオ・リーショウ(蕭力章) 出演:ラン・ジェンロン(藍正龍) アン・シンヤ(安心亞) ワン・ボージエ(王柏傑)天心 ☆☆☆
2013台湾 3月14日 大阪シネ・ヌーヴォ 大阪アジアン映画祭
台湾では台湾ハリウッドといわれた北投温泉で、1950年代~1970年ごろにかけて1000本もの「台湾語映画」が作られ人気を得ていたとか。荒唐無稽な筋立てやSFまがいの展開や、日本映画のパクリ?(今回映画祭上映の『温泉郷のギター』はそういう1本で小林旭主演『ギターを抱いた渡り鳥』によく似ているらしい)ありだそうだが、この映画はその脚本家の男性と新人女優の恋物語を芯に、台湾語映画への愛にあふれたオマージュともいうような、しかもおばあちゃんが認知症になりそのすべてを忘れるという現代的な社会問題への視点をも盛り込み、おじいちゃんが悲しみつつもおばあちゃんを愛するというコメディ要素もほろりとさせる要素も備えたなかなかの作品になっている。おばあちゃんとおじいちゃんは老若二人が演じているが、特におばあちゃんと、その若い時の演じた女優安心亜ののそっくりさにはびっくり。同じ人の特殊メイクかと最初は思ったほど。要潤似のラン・ジェンロンのコメディアン?ぶりもなかなかで、楽しめた。劇中の台湾語映画は本当に当時撮影された実際の作品の再現なのか質問したが、これはきき方が悪かったか、北村監督は再現の撮影のしかたCGだったとかなんとかとかしか答えてくれず、これには少々がっかり。でも質問者にはということでポストカード1枚をもらった。なお、北村監督自身がこの映画には出演、彼のリードで、学生時代の同級生シャオ監督が共同監督を務めたということ。
(5月1日 新宿K'Sシネマ 特集上映「台湾Filmake 映画に恋した3つの人生」103)


























































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