投稿

5月, 2018の投稿を表示しています

【勝手きままに映画日記】2018年4月

①花筐➁ブランク13③ゆれる人魚④去年の冬、きみに別れ⑤ナチュラル・ウーマン⑥ロープ戦場の生命線(A PERFECT DAY)⑦ジュピターズ・ムーン⑧ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書⑨北の桜守➉スイス・アーミー・マン⑪クソ野郎と美しい世界⑫あなたの旅立ち綴ります⑬ゴーギャン タヒチ、楽園への旅⑭ダンガル きっと強くなる⑮花咲くころ⑯早春(DEEP END)⑰The Promise 君への誓い⑱聖なる鹿殺し⑲しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス⑳タクシー運転手㉑ザ・シークレットマン(MARK FELT WHO BROUGHT DOUN THE WHITE HOUSE)  ①花筐 監督:大林宣彦出演:窪塚俊介 満島真之介 長塚圭史 柄本時生 矢作穂香 山崎紘奈 門脇麦 常盤貴子  原作:壇一雄 2017日本 169分    ガンで余命宣告を受けている大林宣彦「戦争三部作」の最後の1本ということで、前にメイキング・ドキュメンタリーやニュースをみていたので興味深く見に行く。夜7時半の1日1回興業の観客は20人ぐらい?で快適だがちょっとさびしい?大変くっきりした絵のような風景とそこに切り張りしたようなくっきりした人物。1941年太平洋戦争前夜の唐津が舞台で、登場人物は大学予科の17,8歳の学生たちと、周辺にいる女学生たち。そして主人公榊山俊彦の叔母で、この一家は瀟洒な洋館・和風の座敷を持つ屋敷に住み、まあ何をして暮らしているのかわからない「お金持ち」の人々で、風俗も戦争前夜というよりは大正ロマンティシズムに彩られている感じ。情報としての戦争は主治医や、家政婦、また学校教師など外からやってくる感じではあるのだが、青春期の彼ら(演者の顔ぶれから見てもわかるように、特に男性陣は、昔の人ということを勘案しても17歳とはとても見えないが)が外からの戦争を自分の内なるものとして取り込み、飲み込まれ、苦しんでいく様子はよくわかる。演技はだれもとってもわざとらしく、セリフ回しも舞台劇のようだし、映像もリアルというよりは一種の様式美を追及している感じだが、これはまあ意図的なものなのだと思う。子どもたちが日の丸を持ってひな壇のような崖?に佇み、歩き、そこに愛国行進曲が流れ兵士の群れが交信をする、というようなコラージュは、ちょっと黒沢明の晩年の作品『夢』を思い出させるよ