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第13回 大阪アジアン映画祭 2018/3月

3月9日~18日開催の大阪アジアン映画祭。今年は13日~16日、4日間の参加で12本の作品を見てきました。(自分の)最終日に見た2本がそれぞれ受賞、なんだかちょっと得をした気分?です。 ①僕の帰る場所 ②どこか霧の向こう ③血観音   ④どこでもない、ここしかない  ⑤空手道 ⑥川流の島  ⑦ポッピー、ハリウッドに行く Redux  ⑧昨日からの少女  ⑨朴烈(パクヨル)植民地からのアナキスト ⑩男たちの挽歌2018(英雄本色2018)  ⑪ネオマニラ(来るべき才能賞受賞)  ⑫中英街1号(グランプリ受賞) ①僕の帰る場所 監督:藤元秋緒 出演:カウンミャットウ ケインミャットウ アイセ テッミャッナイン 2017日・ミャンマー 100分  日本に暮すミャンマー人一家が難民申請が通らない苦境の中で、日本に残りたい父、帰りたくて精神的にも体調も不安定になる母の葛藤と、その後母が、日本語しかしゃべれない息子二人を連れて帰国、今度は特に上の息子(小学生)の苦しみを中心にドキュメンタリー調に描く。本当にドキュメンタリーっぽく、ミャンマー人一家も実在の一家?のようだが、一家の団欒とか子どもが喧嘩したり父母にまとわりつき父母が世話する場面などきわめて自然に撮れている、が、あるシーンでは何気なく津田寛治などが出演していて、あ、これは創作?それこそ虚実の皮膜にある作品なのかな・・・・作品としては前半の日本シーンと、後半ミャンマーでもちろんつながりはあるもののテーマが乖離してしてしまった印象がなくもない。後半空港を探してミャンマーの街に家出した小学生が、日本語をしゃべるミャンマー人?の子供二人と出会い、遊んで自己回復して帰るというのは物語としては納得のいく展開だが、あのミャンマーの喧噪の街でさんざんい歩き回った末、在りうることなのかとみると、嘘っぽくもあり、ここはドキュメンタリー調が逆に邪魔している感じもした。(180313 シネリーブル梅田) ②どこか霧の向こう 監督:張経緯 出演:スティフィ・タン レイチェル・リョン ジーノ・グー 2017香港 88分 端正な作り。ゲイだといじめられている友人を巻き込んで両親を殺害しダムに捨てる高校生の娘、彼女を取り調べる認知症の元医師の父の介護がのしかかる妊娠中の女性警察官が交互に描かれるが、わり

【勝手きままに映画日記】 2018年3月 中国映画祭 電影2018

国際交流基金主催の中国映画祭・電影2018は、3月中旬に東京、大阪、名古屋の3会場でそれぞれ同じ作品(東京では10作品、大阪・名古屋では9作品)が3日にわたって上映されました。東京で5本、大阪で3本頑張ってみてきました。 ①芳華 監督:馮小剛 出演:黄軒 苗苗 鐘楚曦 伍陌 2017中国 135分 まずは大きな毛沢東の肖像が画面いっぱいに出る。1976年~79年の人民軍文工隊に集まった青年たち、その中の数名のその後の人生(これはかなり省略・説明的だが)を描く。新しく隊に入った少女がいじめられたリ、だれからも好かれ頼りにされる青年の恋とその挫折など、今の時代になぜこういう映画とも思うが、観客の高齢化によりかの時代を苦さよりもノスタルジーをもって見られるような時期に来たこと、またこの時代を知らない若い世代には抵抗感がないことがヒットの理由? その時代性をつかみ取る監督馮小剛のセンスというものかもしれない。文工隊の女性たちの生き生きした姿態によるダンス、激しい戦闘の場面などもあって見どころのサービスも行き届いている。黄軒の白面の美青年は、ウーンちとキモイかな。女性たちはみなけっこう現代風だが、案外3~40年前もそうだったのかも。いまでこそ気にならないが、80年代初めごろに初めて中国に行った時、若い女性の腰の高さ、まっすぐな足に、日本人とは違うと驚いた記憶がある。(180308 TOHOシネマズ六本木)  ②ナミヤ雑貨店の奇跡(解憂雑貨店) 監督:韓傑 出演:王俊凱 董子健 ディルラ・ディルムラット 成龍 秦昊 郝蕾 2017中国 109分 時代を行ったり来たりする原作になんかごちゃごちゃした話だなと思った記憶があるが、映画はさらにそこに一種の因縁話を付け加え整理というか、ごちゃごちゃ感をまとめた感じ?日本版は見ていないが(レヴューの評判はあまりよくない)基本的には同じようなコンセプトでまとめているようだ。しかしどっちにしても作りすぎ?ウソっぽい(いやもともとウソっぽい話だからいいのか)日本版と違うのは最初に強盗をし、雑貨店に隠れる3人の一人が(ボーイッシュだが)少女とされていること。これが目がびっくりするほど大きくて顎細く、ふしぎな印象を持たせるディルラ・ディムラット。雑貨店の老板はジャッキー・チェンで年相応に?年とった役を演じているなと思うが、