【勝手きままに映画日記】 2018年3月 中国映画祭 電影2018
国際交流基金主催の中国映画祭・電影2018は、3月中旬に東京、大阪、名古屋の3会場でそれぞれ同じ作品(東京では10作品、大阪・名古屋では9作品)が3日にわたって上映されました。東京で5本、大阪で3本頑張ってみてきました。
離婚して都会から、自分で車を運転して雲南の田舎に帰ってきた女性。途中でゆで卵売りの、貧しい幼い少女との会話がある。真っ暗な家に戻ってくると、村人は広場で演芸会中。女性の家に残していた中学生の娘も親友とインド舞踊の真似事をして参加している。父親に預けていた子の娘とのぎくしゃくした関係、伝統や因習にしばられつつ、妙に都会化し、まもなく開通する空港を利用しての金儲けを語る村人たちや、ネットゲームに興ずる子どもたちへに違和感を持つヒロイン。娘の方も都会に出た母をタネにいじめられたリ、成績も今いちだったり、それらの不満からか教師への反抗や小さな盗みを繰り返したり・・・そんな中でヒロインは娘との関係を修復できず、都会に去ろうとする。その途上で再び卵売りの少女を見る。そこから伝統を大切にしつつもその中で自分らしく生きていこうとする彼女の変化や娘との関係の再生がきざす。というわけでちょっとうまく話ができすぎでは?と思えるところはなくはないが、最後女人禁制とされた洞窟に入って踊る二人の美しさがなんとも言えない。都会と故郷の関係への新しい切込みへの志を感じられる映画だった。(180310 TOHOシネマズ六本木)
①芳華
監督:馮小剛 出演:黄軒 苗苗 鐘楚曦 伍陌 2017中国 135分
まずは大きな毛沢東の肖像が画面いっぱいに出る。1976年~79年の人民軍文工隊に集まった青年たち、その中の数名のその後の人生(これはかなり省略・説明的だが)を描く。新しく隊に入った少女がいじめられたリ、だれからも好かれ頼りにされる青年の恋とその挫折など、今の時代になぜこういう映画とも思うが、観客の高齢化によりかの時代を苦さよりもノスタルジーをもって見られるような時期に来たこと、またこの時代を知らない若い世代には抵抗感がないことがヒットの理由? その時代性をつかみ取る監督馮小剛のセンスというものかもしれない。文工隊の女性たちの生き生きした姿態によるダンス、激しい戦闘の場面などもあって見どころのサービスも行き届いている。黄軒の白面の美青年は、ウーンちとキモイかな。女性たちはみなけっこう現代風だが、案外3~40年前もそうだったのかも。いまでこそ気にならないが、80年代初めごろに初めて中国に行った時、若い女性の腰の高さ、まっすぐな足に、日本人とは違うと驚いた記憶がある。(180308 TOHOシネマズ六本木)②ナミヤ雑貨店の奇跡(解憂雑貨店)
監督:韓傑 出演:王俊凱 董子健 ディルラ・ディルムラット 成龍 秦昊 郝蕾 2017中国 109分
時代を行ったり来たりする原作になんかごちゃごちゃした話だなと思った記憶があるが、映画はさらにそこに一種の因縁話を付け加え整理というか、ごちゃごちゃ感をまとめた感じ?日本版は見ていないが(レヴューの評判はあまりよくない)基本的には同じようなコンセプトでまとめているようだ。しかしどっちにしても作りすぎ?ウソっぽい(いやもともとウソっぽい話だからいいのか)日本版と違うのは最初に強盗をし、雑貨店に隠れる3人の一人が(ボーイッシュだが)少女とされていること。これが目がびっくりするほど大きくて顎細く、ふしぎな印象を持たせるディルラ・ディムラット。雑貨店の老板はジャッキー・チェンで年相応に?年とった役を演じているなと思うが、少なくとも西田敏行よりははまっている。秦昊やハオ・レイも出演。(180308 TOHOシネマズ六本木)③追跡(追・踪)
監督:李霄峰 出演:羅晋 聂遠 2017中国 112分
最初は劇場内の殺人。疑われるのは被害者に虐待されていた義理の息子(工員)だが、彼は家で読書をしていたとして疑いを逃れる。この息子は疑う刑事と同じようなタイプで衣裳も白のTシャツにチノパンツ系と共通。最初は見分けがつかず、次に兄弟役?といささか混乱した。その類似性が映画の中で意味を持っているとも思えない。断片的に短いカットでいろいろなシーンが思わせぶりにつなげられ、丁寧な描き方ではあるのだが、なかなか意味がつかみにくい。やがて10年後成功している医師の王氏が出てきて、若い時代に二人が古本屋で見つけた『復活』(トルストイ)を開始て文通していたことがわかると話が展開しだすのだが、でもまだなんだか意味の分からないシーンなどもあった。10年後花屋の亭主になっている元工員の変貌ぶりがなかなかで、ここにいたっては刑事と工員は明らかに別人物。二人は妻を介して再会し、そして・・・というわけで、カタルシスのようなものはまったくない、なかなか丁寧に作られた犯罪映画、という感じです。テーマはとても面白いが、編集に今一つ洗練が足りない感じなのが惜しい。(180309 TOHOシネマズ六本木)④奇門遁甲
監督:袁和平 製作:徐克 出演:大鵬 倪妮 ·周冬雨 伍陌 李治廷 2017中国 113分
上映前に主演大鵬の挨拶あり。才ある人!ユーモアまじり身振り手振り、こちらのほうがむしろ面白いかも・・・彼の言う映画のあらすじは「外星人=宇宙人と地球人の闘いで、僕はもちろん地球人」というものだったが、実際はあまり宇宙人という感じはしない要はモンスターと、奇龍門なる武侠派の一派が新しい総帥を求めつつ、次々に襲いかかるモンスターと戦うという話。周冬雨が怪鳥に変身する総帥候補の少女?であいかわらずのコメディエンヌぶり。大鵬は「諸葛」という名の軍師?で活躍するが、名前の字幕が「チョコ」というのはどうなんでしょう・・・ま、コメディアン的なのでいいか・・CG満載、ワイヤーアクション満載、色もめまぐるしく華やかだが、話としてはうーん・・というところ。徐克が作りたかった映画、なんでしょうねえ。(180309 TOHOシネマズ六本木)⑤ライスフラワーの香り(米粉之味)
監督:鵬飛 出演:英澤 葉門 葉不勒 2017中国 95分
3月10日 六本木TOHOシネマズ 中国映画祭電影2018離婚して都会から、自分で車を運転して雲南の田舎に帰ってきた女性。途中でゆで卵売りの、貧しい幼い少女との会話がある。真っ暗な家に戻ってくると、村人は広場で演芸会中。女性の家に残していた中学生の娘も親友とインド舞踊の真似事をして参加している。父親に預けていた子の娘とのぎくしゃくした関係、伝統や因習にしばられつつ、妙に都会化し、まもなく開通する空港を利用しての金儲けを語る村人たちや、ネットゲームに興ずる子どもたちへに違和感を持つヒロイン。娘の方も都会に出た母をタネにいじめられたリ、成績も今いちだったり、それらの不満からか教師への反抗や小さな盗みを繰り返したり・・・そんな中でヒロインは娘との関係を修復できず、都会に去ろうとする。その途上で再び卵売りの少女を見る。そこから伝統を大切にしつつもその中で自分らしく生きていこうとする彼女の変化や娘との関係の再生がきざす。というわけでちょっとうまく話ができすぎでは?と思えるところはなくはないが、最後女人禁制とされた洞窟に入って踊る二人の美しさがなんとも言えない。都会と故郷の関係への新しい切込みへの志を感じられる映画だった。(180310 TOHOシネマズ六本木)
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