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【勝手気ままに映画日記】2020年10月

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  やっと行った!秋の山 東京快晴で期待していったのに、なぜか小仏峠の西は曇り空。期待の富士山には会えず。帰り道ようやく晴れて樹間から望む三つ峠です。―10・21倉見山 ①父の初七日②フェアウェル③浅田家④天竜一座が行く(龍飛鳳舞)⑤フライト・キャプテン(中国機長)⑥望み⑦82年生まれ、キムジヨン⑧ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコ⑨停車⑩盗命師⑪星の子⑫異端の鳥⑬ある画家の数奇な運命⑭世界で一番貧しい大統領⑮ハッパGOGO 大統領極秘指令⑯博士と狂人⑰ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男ピエール・カルダン ⑱朝が来る⑲みをつくし料理帖⑳薬の神じゃない(我不是薬神)㉑スパイの妻 ようやく秋の映画シーズン。映画祭突入前ですが春にあるはずで延期になった「台湾巨匠傑作選2020」も行われ、これを含めて中国語圏映画(もしくは中国語が出てくるえいが)は7本、日本映画も6本、それ以外の映画7本でなかなかいいバランスです。★は1個「うん!なかなか」★★「すばらしい!」★★★「もう一度見たいほどすばらしい」という感じでしょうか(あくまでも個人的意見ですが)。 ①父の初七日 監督:王育麟 劉梓潔 出演:王莉雯 呉朋奉 陳泰樺 ★★ 2009台湾93分 初見は2012年3月、その年の暮れには上映会もやり、何回も見た映画だが、『停車』を見たいと3時間前に行ったのになんと満席売り切れ!夕方の予定まで何かいい映画はと探したのだがダメで、結局これを見る。7~8年ぶりにみて、ん?私が年を取り、眼もなんだかおぼつかなく?映画に出てくる道教の葬式も前に見た時には全然知らない珍しい風習だったのが、今はあまり物珍しく感じなくなったせいか、ちょっととりとめない感じでつかみどころなく、物語世界にはイマイチ入り込めない感じがした。ただすべてが終わったあとの人々のたたずまいが、あっさりはしているのだが印象的に描かれているのは前の感想と同じ。それとヒロインと父の情愛というのがなかなかに昔より深く感じられたのも確か。エンドロールに18歳の誕生日の父娘の会話がかぶっているのもなるほどな、という感じ。(10月3日 新宿K's シネマ 台湾巨匠傑作選 165) ②フェアウェル 監督:ルル・ワン 出演:オークワフィナ(林家珍) ツイ・マー ダイアナ・リン チャオ・シュウチェン 2019米 100

【勝手気ままに映画日記】2020年9月

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  いよいよ秋!秋晴れですが、例によって多忙とそれに今年はコロナで出かけられなかった9月でした。これは昨年10月1日高尾山からの絶景です。10月はどこかに行きたいなあ!! ①血筋②8日で死んだ怪獣の12日の物語③グッバイ・リチャード④オフィシャル・シークレット⑤赤い闇 スターリンの冷たい大地で⑥ソニア ナチスの女スパイ⑦世宗大王 星を追う者たち⑧きっとまたあえる⑨ナイチンゲール⑩スペシャルズ―政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話⑪横須賀奇譚⑫バナナ・パラダイス⑬クライマー⑭行き止まりの世界に生まれて⑮ミッドナイトスワン⑯グッド・ワイフ⑰ラ・ヨローナ~彷徨う女~⑱マティアス&マキシム⑲鵞鳥湖の夜(南方車站的聚会)⑳窮鼠はチーズの夢を見る 忙しい忙しいといいながら、ちょこちょこ映画デイ(まとめて3本くらい見る日)もしていたのでなんとか20本。中国語圏映画は①⑫⑬⑲の3本、日本映画は①②⑪⑮⑳でした。あまり見ない国の映画⑨タスマニア⑰グアテマラなどが意外に面白く、また見てみたいと思わされます。★は1~3 あくまで個人的感想で。末尾の数字は今年見た映画の通算本数です。 ①血筋 監督:角田龍一(金星宇) 出演:金龍国 2019日本(朝鮮語・中国語・日本語)73分 久しぶりに見た感じのしっかりしたセルフ・ドキュメンタリー。主人公(監督自身)ソンウは中国朝鮮族として延吉で生まれるが5歳で両親が離婚、母は日本に出稼ぎに行き、母方の祖父母のもとで育つ。10歳で母が日本で再婚、彼も引き取られて日本に移住、映画撮影時は、日本国籍を持ち大学生になっている。その彼が幼い時に別れたままの父を探して延吉の祖父母や叔父(父の弟)を訪ね、叔父からの情報で韓国に今は住む父を訪ねるところから。 久しぶりの会った息子に「親らしいことはしてやれなかった」と謝りつつ歓待する、元画家だったという父はけっこうおしゃれでリュウとした身なりでもあり、饒舌に息子に説教じみた話をしたりするのだが、実は不法滞在で日雇い労働をしながら暮らすが、友人・知人に金をもらったり、借金で首が回らないという暮らしぶりであることが、何回かの訪韓を通じてだんだんとわかってくる。その過程が間に延吉の祖父母の境遇や、父をさんざん世話したという叔父の口ぶりに変化を間に挟みながら一家のいわば人間関係の虚飾がはがれていくようすが丁寧に

【勝手気ままに映画日記】2020年8月

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富士山が見えるはずなんだけれど…正面辺り…でも見えない。快晴ですがやはり、まだ夏空で雲が沸き立っているのです。8月末日ようやく、都外への山歩き!はるばる京急田浦~神武寺の鷹取山(190mくらいなのだけれど、鎖場まであって、なかなか楽しい「丘歩き」ができます)。8月は24日高尾山隣の草戸山に続いて二回目の野歩きでした。 双子の峰の右側が鷹取山。富士山を探したところです。 富士山は残念だったけれど、海はばっちり、はるかかなた、東京湾の対岸?まで見えた! ①日本人の忘れ物 ②誰がハマーショルドを殺したか③パブリック 図書館の奇跡④剣の舞 我が心の旋律⑤海辺の映画館 キネマの玉手箱⑥ジョーンの秘密⑦ボヤンシー 眼差しの向こうに⑧グレース・オブ・ゴッド告発の時⑨ポルトガル夏の終わり⑩吠える犬はかまない⑪糸⑫ザ・ピーナツバター・ファルコン⑬スウィング・キッズ 猛暑と相変わらず鎮まらないコロナ禍のせい?というわけでもないのだけれど、8月まで食い込んだ大学・高校の学期、長引く採点・成績登録(それにまつわるゴタゴタ)、終わるとすぐに秋からのオンライン授業+対面授業両方の準備などと、どこにも行かないのに追われ追われて、あまり映画館に足が向かない8月でした。手近に見られる映画を見ていたという感じですが、でもやはりそれなり、素敵な映画はあるものです。 ★は1つから3つまであくまでも「個人的意見として」、各映画最後の番号は今年に入ってから映画館で見た映画の通し番号です) ①日本人の忘れ物 監督:小原浩靖 ナレーター:加賀美幸子 2020日本 98分 ★★ 98分にフィリピン日系人遺児(戦前移住した日本人男性と現地女性の間に生まれ、戦争中は父は徴用・その後の強制日本帰還、母とともに日本人の子であることを隠して山中を逃げ回り、無国籍で教育の機会も得られず現在も貧困である人が多い)の日本国籍就籍の調査・運動と中国残留孤児の就籍・国家賠償法訴訟・そして現在は彼らのための高齢者介護施設づくりなどの運動と、盛りだくさんに詰め込んでいるが、企業弁護士?として稼ぎながら、フィリピン・中国両方の活動に日本に置き去りにされたものの就籍運動をきっかけにかかわって、そのいわば社会に訴える手段の一つとしてこの映画のプロデュースもしている河合弘之氏(原

【勝手気ままに映画日記】2020年7月

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コロナ第2波?長い長い梅雨の7月でもあり、全然遠出もできず 近くの映画館でくすぶっていました。チラシもなくて、でも印象的だったポスターから… それにしてもなんか暗い画面です。 ①マザー②ロニートとエスティ③その手に触れるまで (Le jeune Ahmed)④コリー二事件⑤マルモイ・ことばあつめ⑥イップ・マン4完結⑦ダンサーそして私たちは踊った⑧うたのはじまり⑨なぜ君は総理大臣になれないのか⑩さらばわが愛、北朝鮮⑪スキン⑫スキン短編⑬最高の花婿アンコール⑭お名前はアドルフ⑮17歳のウィーン―フロイト教授の人生レッスンー⑯プラド美術館ー驚異のコレクションー⑰追龍⑱シークレット・ジョブ⑲一度も撃ってません⑳カセットテープ・ダイアリーズ㉑コンフィデンスマンJPプリンセス編㉒ウエイブス 中国語圏映画は2本のみ、韓国映画は3本、日本映画も3本 今回はあくまで私にとって吸引力があったという意味で★をつけてみました。最高3個。 最後の( )の中の数字は、1月から劇場で見た映画の通し番号です。 ①マザー 監督:大森立嗣 出演:長澤まさみ 奥平大兼 郡司翔 阿部サダヲ 夏帆 皆川猿時 木野花 2020日本 126分 ★ うーん、126分、これでもかこれでもかと、長澤まさみ演じる母のダメっぷりを見せられて、その母大好きな少年がこれでもかこれでもかと追い詰められていくのを見せられて、決して後味がよくはないが、母も子(15から17歳ぐらいは奥平大兼、幼年期―郡司翔…こちらはあまり誰も言わないようだが、奥平にも勝るとも劣らぬ好演だと思う)も、そろって熱の入ったというか入らないように演じながらの熱演でその世界から見ている方も抜け出せない苦しさというか息詰まるような感じの映画。ちらりとだけれど、「まとも」な妹に比べられ、学校でもいじめられ自尊心を持てずにパチンコ屋、元ホストのダメ男や、幼い息子に依存し、福祉課の市役所職員や、投宿するラブホの若いオーナーや、息子の雇い主までも篭絡する母のカナシイふてぶてしさやたるみ、既にそこから抜け出せなく、抜け出そうともしなくなっている姿を演じて特に長澤は今までにない境地を見せている。 最後に少年が言う「お母さんが好き」ということばに集約されているのがこの映画のテーマだが、うーん、現実的にあそこまでやられてまだ好きってあり得るんだろうか。それとこの映画の中

【勝手気ままに映画日記】2020年6月

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すっきりしない6月の、久しぶりの高尾山(わが庭?)ここは富士山がよく見える場所なのだけれど、6月は2回登って2回ともこんな感じでした! 同じロケーションの3月です。 ①ルース・エドガー🌸②ハリエット③デッド・ドント・ダイ④アンティークの祝祭⑤ライト・オブ・マイ・ライフ⑥ANNA⑦ようこそ革命シネマへ⑧在りし日の歌(地久天長)🌸⑨再会の夏⑩シュヴァルの理想宮⑪エジソンズ・ゲーム ディレクターズ・カット版(The Current War)⑫ライフ・イット・セルフ⑬ア・ゴースト・ストーリー⑭ペイン・アンド・グローリー⑮今宵、212号室で⑯はちどり🌸   中国語圏映画は1本だけでしたが、これは大力作。韓国の『はちどり』もいい映画でした。どちらも長いことは長い…けど。🌸はおススメの個人的感想です。( )内の数字は今年見た映画の通し番号です。 ①ルース・エドガー 監督:ジュリアス・オナー 出演:ナオミ・ワッツ オクタヴィア・スペンサー ケルヴィン・ハリソンJr.ティム・ロス 2019米 110分 🌸  緊急事態宣言前日の4月7日の劇場鑑賞からほぼ2か月近く、ようやく久しぶりの映画館へ。おりしもアメリカでは黒人市民が白人警官に圧殺された事件から起こったデモにトランプが反社会活動として弾圧の意向を示すなど、人種問題が決して過去のものでないのみならず、この映画を見た後では、現実の方がひと昔もふた昔も前のまま、と思わざるを得ないような、ある意味この問題のとらえ方の深さ、だろうか。 アフリカの戦乱の中孤児となりアメリカに住むリベラルな白人夫婦に引き取られ、夫婦の努力本人の順応で文武両道オバマの再来といわれるような好青年に育った黒人高校生と、彼を高く評価しつつそのうちに潜む想像力を暴力志向と心配して、自らが女性黒人としていわば立ち向かって乗り越えてきた社会的制約とその中で追い詰められている偏狭な非寛容とを振りかざす教師。好意の人々ではあり、理解者たろうとはするのだが、そうすればするほど息子との懸崖を感じざるを得ず、結局息子の力にはなれない両親。 社会の中で何らかの形でつまずいたことによりダメな黒人、ダメなアジア系女性とレッテルを張られてもがく息子の同級生たちとどの関係でも息詰まるような無理解や自己中心主義の、その中で優等生であることを

【勝手気ままに映画日記】2020年5月

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新型コロナ感染禍の中、出かけることも控えてもっぱら家の中で。この間に15年以上?使ったエアコンを買い替え、4月にとうとう壊れた!(バッテリーがダメになり完全に立ち上がらなくなってしまった)ノートPCを買い替え、コロナのためだけとは言えないけれど、大学授業のオンライン化をしなくてはならないこの時期にどちらも必需品で「10万円」の使い道にもなりました。-もちろんそれでは足りませんがー写真はエアコンとPC(わかりにくいけれど手前の黒っぽいの)を新しく入れた私の仕事部屋。外に出たいなという思いを込めて地図も。-世界地図出ないところがちょっとカナシイ? も、一つ、いつもダラダラしているマイコーナー(笑) ①精神0 監督:想田和弘 出演:山本昌弘 山本芳子 2020日本 128分 ようやく見た「仮設の映画館」。映画館は1,2度行ったことのある、はるばる厚木で頑張っているKIKIにする。 予告やツィッターなどでずいぶん評判は聞いていたし、2008年の『精神』も見ていたので、内容的には意外性はないわけだが、山本医師の診療所を閉める終(つい)のしまい方―長く頼ってきた患者たちの中には不安を縷々訴える人あり、意外とすっきりむしろ医師のこれからを思いやる人あり、また遊びに行くからと甘える?人ありで、山本先生が慕われていることはもちろんなのだが、むしろどの患者の気持ちもよくわかるというところ。後半は山本医師自身と妻の芳子さんの身じまい方に進んでいき、老いた二人が寄り添う姿もだけれど、12年前の『精神』の二人の姿も時々挿入され、この年齢の(60代後半から82歳)ときの流れ方の残酷さというものをつくづく感じて、うーん、自分を重ね合わせてこれからの年月をどう生きていくのを考えさせられてしまう。-おりしも70代前半の友人が自宅で倒れ意識不明になっているという報が届く。コロナ禍の中で見舞いも果たせず、ご家族の不安も思いーつらいなあという日常。  (5月12日 仮設の映画館〈厚木の映画館kiki〉90) ②巡礼の約束(阿拉姜色) 監督:ソンダルジャ(松大加) 出演:ヨンジャンシャ ニマソンソン スイチョクジャ 2018中国 109分 四川省に住むチベット族の夫婦。妻は前夫を病気で失い、一人息子を実家の親に預けて再婚した夫とともに住み、足の悪い夫の父の面倒をみてい