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【勝手気ままに映画日記】2020年8月

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富士山が見えるはずなんだけれど…正面辺り…でも見えない。快晴ですがやはり、まだ夏空で雲が沸き立っているのです。8月末日ようやく、都外への山歩き!はるばる京急田浦~神武寺の鷹取山(190mくらいなのだけれど、鎖場まであって、なかなか楽しい「丘歩き」ができます)。8月は24日高尾山隣の草戸山に続いて二回目の野歩きでした。 双子の峰の右側が鷹取山。富士山を探したところです。 富士山は残念だったけれど、海はばっちり、はるかかなた、東京湾の対岸?まで見えた! ①日本人の忘れ物 ②誰がハマーショルドを殺したか③パブリック 図書館の奇跡④剣の舞 我が心の旋律⑤海辺の映画館 キネマの玉手箱⑥ジョーンの秘密⑦ボヤンシー 眼差しの向こうに⑧グレース・オブ・ゴッド告発の時⑨ポルトガル夏の終わり⑩吠える犬はかまない⑪糸⑫ザ・ピーナツバター・ファルコン⑬スウィング・キッズ 猛暑と相変わらず鎮まらないコロナ禍のせい?というわけでもないのだけれど、8月まで食い込んだ大学・高校の学期、長引く採点・成績登録(それにまつわるゴタゴタ)、終わるとすぐに秋からのオンライン授業+対面授業両方の準備などと、どこにも行かないのに追われ追われて、あまり映画館に足が向かない8月でした。手近に見られる映画を見ていたという感じですが、でもやはりそれなり、素敵な映画はあるものです。 ★は1つから3つまであくまでも「個人的意見として」、各映画最後の番号は今年に入ってから映画館で見た映画の通し番号です) ①日本人の忘れ物 監督:小原浩靖 ナレーター:加賀美幸子 2020日本 98分 ★★ 98分にフィリピン日系人遺児(戦前移住した日本人男性と現地女性の間に生まれ、戦争中は父は徴用・その後の強制日本帰還、母とともに日本人の子であることを隠して山中を逃げ回り、無国籍で教育の機会も得られず現在も貧困である人が多い)の日本国籍就籍の調査・運動と中国残留孤児の就籍・国家賠償法訴訟・そして現在は彼らのための高齢者介護施設づくりなどの運動と、盛りだくさんに詰め込んでいるが、企業弁護士?として稼ぎながら、フィリピン・中国両方の活動に日本に置き去りにされたものの就籍運動をきっかけにかかわって、そのいわば社会に訴える手段の一つとしてこの映画のプロデュースもしている河合弘之氏(原

【勝手気ままに映画日記】2020年7月

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コロナ第2波?長い長い梅雨の7月でもあり、全然遠出もできず 近くの映画館でくすぶっていました。チラシもなくて、でも印象的だったポスターから… それにしてもなんか暗い画面です。 ①マザー②ロニートとエスティ③その手に触れるまで (Le jeune Ahmed)④コリー二事件⑤マルモイ・ことばあつめ⑥イップ・マン4完結⑦ダンサーそして私たちは踊った⑧うたのはじまり⑨なぜ君は総理大臣になれないのか⑩さらばわが愛、北朝鮮⑪スキン⑫スキン短編⑬最高の花婿アンコール⑭お名前はアドルフ⑮17歳のウィーン―フロイト教授の人生レッスンー⑯プラド美術館ー驚異のコレクションー⑰追龍⑱シークレット・ジョブ⑲一度も撃ってません⑳カセットテープ・ダイアリーズ㉑コンフィデンスマンJPプリンセス編㉒ウエイブス 中国語圏映画は2本のみ、韓国映画は3本、日本映画も3本 今回はあくまで私にとって吸引力があったという意味で★をつけてみました。最高3個。 最後の( )の中の数字は、1月から劇場で見た映画の通し番号です。 ①マザー 監督:大森立嗣 出演:長澤まさみ 奥平大兼 郡司翔 阿部サダヲ 夏帆 皆川猿時 木野花 2020日本 126分 ★ うーん、126分、これでもかこれでもかと、長澤まさみ演じる母のダメっぷりを見せられて、その母大好きな少年がこれでもかこれでもかと追い詰められていくのを見せられて、決して後味がよくはないが、母も子(15から17歳ぐらいは奥平大兼、幼年期―郡司翔…こちらはあまり誰も言わないようだが、奥平にも勝るとも劣らぬ好演だと思う)も、そろって熱の入ったというか入らないように演じながらの熱演でその世界から見ている方も抜け出せない苦しさというか息詰まるような感じの映画。ちらりとだけれど、「まとも」な妹に比べられ、学校でもいじめられ自尊心を持てずにパチンコ屋、元ホストのダメ男や、幼い息子に依存し、福祉課の市役所職員や、投宿するラブホの若いオーナーや、息子の雇い主までも篭絡する母のカナシイふてぶてしさやたるみ、既にそこから抜け出せなく、抜け出そうともしなくなっている姿を演じて特に長澤は今までにない境地を見せている。 最後に少年が言う「お母さんが好き」ということばに集約されているのがこの映画のテーマだが、うーん、現実的にあそこまでやられてまだ好きってあり得るんだろうか。それとこの映画の中

【勝手気ままに映画日記】2020年6月

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すっきりしない6月の、久しぶりの高尾山(わが庭?)ここは富士山がよく見える場所なのだけれど、6月は2回登って2回ともこんな感じでした! 同じロケーションの3月です。 ①ルース・エドガー🌸②ハリエット③デッド・ドント・ダイ④アンティークの祝祭⑤ライト・オブ・マイ・ライフ⑥ANNA⑦ようこそ革命シネマへ⑧在りし日の歌(地久天長)🌸⑨再会の夏⑩シュヴァルの理想宮⑪エジソンズ・ゲーム ディレクターズ・カット版(The Current War)⑫ライフ・イット・セルフ⑬ア・ゴースト・ストーリー⑭ペイン・アンド・グローリー⑮今宵、212号室で⑯はちどり🌸   中国語圏映画は1本だけでしたが、これは大力作。韓国の『はちどり』もいい映画でした。どちらも長いことは長い…けど。🌸はおススメの個人的感想です。( )内の数字は今年見た映画の通し番号です。 ①ルース・エドガー 監督:ジュリアス・オナー 出演:ナオミ・ワッツ オクタヴィア・スペンサー ケルヴィン・ハリソンJr.ティム・ロス 2019米 110分 🌸  緊急事態宣言前日の4月7日の劇場鑑賞からほぼ2か月近く、ようやく久しぶりの映画館へ。おりしもアメリカでは黒人市民が白人警官に圧殺された事件から起こったデモにトランプが反社会活動として弾圧の意向を示すなど、人種問題が決して過去のものでないのみならず、この映画を見た後では、現実の方がひと昔もふた昔も前のまま、と思わざるを得ないような、ある意味この問題のとらえ方の深さ、だろうか。 アフリカの戦乱の中孤児となりアメリカに住むリベラルな白人夫婦に引き取られ、夫婦の努力本人の順応で文武両道オバマの再来といわれるような好青年に育った黒人高校生と、彼を高く評価しつつそのうちに潜む想像力を暴力志向と心配して、自らが女性黒人としていわば立ち向かって乗り越えてきた社会的制約とその中で追い詰められている偏狭な非寛容とを振りかざす教師。好意の人々ではあり、理解者たろうとはするのだが、そうすればするほど息子との懸崖を感じざるを得ず、結局息子の力にはなれない両親。 社会の中で何らかの形でつまずいたことによりダメな黒人、ダメなアジア系女性とレッテルを張られてもがく息子の同級生たちとどの関係でも息詰まるような無理解や自己中心主義の、その中で優等生であることを

【勝手気ままに映画日記】2020年5月

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新型コロナ感染禍の中、出かけることも控えてもっぱら家の中で。この間に15年以上?使ったエアコンを買い替え、4月にとうとう壊れた!(バッテリーがダメになり完全に立ち上がらなくなってしまった)ノートPCを買い替え、コロナのためだけとは言えないけれど、大学授業のオンライン化をしなくてはならないこの時期にどちらも必需品で「10万円」の使い道にもなりました。-もちろんそれでは足りませんがー写真はエアコンとPC(わかりにくいけれど手前の黒っぽいの)を新しく入れた私の仕事部屋。外に出たいなという思いを込めて地図も。-世界地図出ないところがちょっとカナシイ? も、一つ、いつもダラダラしているマイコーナー(笑) ①精神0 監督:想田和弘 出演:山本昌弘 山本芳子 2020日本 128分 ようやく見た「仮設の映画館」。映画館は1,2度行ったことのある、はるばる厚木で頑張っているKIKIにする。 予告やツィッターなどでずいぶん評判は聞いていたし、2008年の『精神』も見ていたので、内容的には意外性はないわけだが、山本医師の診療所を閉める終(つい)のしまい方―長く頼ってきた患者たちの中には不安を縷々訴える人あり、意外とすっきりむしろ医師のこれからを思いやる人あり、また遊びに行くからと甘える?人ありで、山本先生が慕われていることはもちろんなのだが、むしろどの患者の気持ちもよくわかるというところ。後半は山本医師自身と妻の芳子さんの身じまい方に進んでいき、老いた二人が寄り添う姿もだけれど、12年前の『精神』の二人の姿も時々挿入され、この年齢の(60代後半から82歳)ときの流れ方の残酷さというものをつくづく感じて、うーん、自分を重ね合わせてこれからの年月をどう生きていくのを考えさせられてしまう。-おりしも70代前半の友人が自宅で倒れ意識不明になっているという報が届く。コロナ禍の中で見舞いも果たせず、ご家族の不安も思いーつらいなあという日常。  (5月12日 仮設の映画館〈厚木の映画館kiki〉90) ②巡礼の約束(阿拉姜色) 監督:ソンダルジャ(松大加) 出演:ヨンジャンシャ ニマソンソン スイチョクジャ 2018中国 109分 四川省に住むチベット族の夫婦。妻は前夫を病気で失い、一人息子を実家の親に預けて再婚した夫とともに住み、足の悪い夫の父の面倒をみてい

【勝手気ままに映画日記】2020年4月

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コロナに負けず・・・頑張りましょう! 武蔵国分寺近くの桜ー新型コロナ禍で遠出は自粛。3月、4月予定していた山歩きもすべて中止。家の周辺をぼちぼち歩いて運動不足解消の日々をすごしています。5月からは大学のオンライン授業が始まるのでその準備も…。フリーランスの在宅勤務?とはいえ、結構忙しい毎日です。 こちらは谷保天満宮の、高い木の上、天空に咲く藤の花 ①カツベン②彼らは生きていた(THEY SHALL NOT GLOW OLD)   ③ソンランの響き ④21世紀の資本  劇場で見たのは残念ながら4本だけ。 ①カツベン 監督:周防正行 出演:成田凌 黒島結菜 永瀬正敏 高良健吾 音尾琢真 井上真央 小日向文世 竹野内豊 2019日本 127分 いよいよコロナ問題の中で、映画を見に行くということにもちょっと勇気がいる?状況になってきたが見損ない見損ないの最終チャンスだし、上映をしている以上何の文句があろうかということで、マスク・消毒アルコール持参でで出かける。昼過ぎの下高井戸シネマ、それでも開始時には20人くらいの観客。 映画は大正時代の活動弁士の物語。カツベン大好き、そして好きこそものの上手なれでなかなかの腕前でもある主人公俊太郎が、怪しげな盗賊団の一員としてニセ弁士として有名弁士の名をかたるところから、そこを逃げ出し、隣町の新興館に押され、ちょっと落ち目な街の映画館に雇われ、あれこれの騒動に巻き込まれながら、追いつ追われつの中で活躍をしていくという、周防作品とは言っても『シャル・ウイ・ダンス』や『シコ踏んじゃった』のような成長譚ではなく、どちらかというと巻き込まれのドタバタ悲喜劇。 物語というより映画愛にあふれた映像の数々や頑張って弁士を演ずる成田凌や高良健吾らの語りに感心、田口浩正、正名僕蔵、それに徳井優の3人の音曲担当の雰囲気妙とかを楽しむ感じ。そして何よりの見どころは大正時代の映画を再現した無声フィルムの数々で、ここに草刈民代・城田優の『椿姫』とか細田善彦と上白石萌音の『金色夜叉』そしてシャーロット・ケイト・フォックスの『南方のロマンス』、『十誡』のモーゼの竹中直人とか、ちょこっとの出演なのだが贅沢でどこにだれがいるか気づいてはッという面白さも。そして最後に『雄呂血』(1925二川文太郎)の実在のフィルム

【勝手気ままに映画日記】2020年3月

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3月6日 快晴の高尾富士!このあと9日から15日まで大阪アジアン映画祭に。帰京後はいよいよ新型コロナウイルス禍はげしく、19日からはロシア・エルミタージュ美術館を見に行くつもりでしたが渡航中止、5月に行くつもりだった台湾・玉山も中止(一応秋に延期)、その後も山も含めて自粛、自粛(もう完全に流行語)。それでも何とかポツポツと映画祭を除いて、12本の映画を見ました。 ①ロング・デイズ・ジャーニー この世の涯てへ【地球最后的夜晩】3D版②盗まれたカラヴァッジョ③初恋④Fukushima50⑤9人の翻訳者 囚われたベストセラー➅ジョン・F・ドノヴァンの生と死➆三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実 ➇CURED キュアード➈名もなき生涯➉レ・ミゼラブル⑪男と女 人生最良の日々⑫シェイクスピアの庭      (★1~3はあくまでも個人的な好み、最後の数字は2020年の通し鑑賞数です)       3月はこのほかに大阪アジアン映画祭26本見ました。             第15回大阪アジアン映画祭2020   ①ロング・デイズ・ジャーニー この世の涯てへ【地球最后的夜晩】3D版 監督:ビー・ガン 出演:湯唯 黄覚 シルビア・チャン(張艾嘉)李鴻其 陳永忠 2018中・仏 140分 2018年のフィルメックスでは夜9時過ぎからの1回上映だけで見そこないーでもこのときに学生審査員賞を受賞しているーうん、考えてみれば映画好きな学生とかに好まれそうな主題、映像であるのは確か…というわけで、新型コロナウイルスの懸念の中、3D眼鏡を持参して、2Dではなく3Dで上映している渋谷まではるばる出かける。映画館すいてはいるのだが、それでもガラガラというわけでもなく、同じようなことを考える人はいるんだなと。 で、主人公の夢とも現実ともつかないような「人探し」で彼が凱里の映画館にいわば迷い込むような後半60分の話題の3D映像にいたるまでの長さや展開は、なんか後半の準備というか、シークエンスの説明というかそんな感じもしなくもない散漫さで、湯唯演じる謎の女?もきれいだし、印象的でもあるが、彼との関係が今イチわからん。で、いよいよ後半映画館に紛れ込んだ主人公が眼鏡をかけると、我々観客も眼鏡をかけるわけだが、3Dと言ったら『アバター』とか