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【勝手気ままに映画日記】2019年11月

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妙義山中間道から関東平野…紅葉には少し早い?11月10日です。 こちらは今や日本で一番遭難が多いらしい、妙義の岩壁です。上にも人がいますが…。 11月は22日までに16本。この後の東京フィルメックス(23日~12月1日)は次号にて。 🌸マークは、ちょっとお勧め・お気に入り…あくまでも個人的趣味ですが…。 ①教えてドクター・ルース②風をつかまえた少年③この星はわたしの星じゃない④あなたを、想う(念念)⑤ザ・レセプショニスト(接線員)🌸➅聖なる泉の少女 (NAMME)⑦パリに見いだされたピアニスト➇プライベート・ウォー➈象は静かに座っている⑩誰にも言えない小さな秘密⑪ひとよ⑫第三夫人と髪飾り🌸⑬ノー・スモーキング⑭宮本から君へ🌸⑮マチネの終わりに ①教えてドクター・ルース 監督:ライアン・ホワイト 出演:ルース・K・ウエストハイマ― 2019米 100分 映画の出来というよりも主人公たるドクター・ルースのビジュアル(40代ぐらいより 90の今が魅力的)も含めた人柄と、ナチス下のドイツで両親は収容所で死亡、本人はスイスの寄宿制の施設に預けられることにより命を長らえ、戦後イスラエルのキブツに住み、イスラエル軍の訓練を受け狙撃兵に、そして、やがてソルボンヌに留学、恋愛や結婚によってアメリカに移住し、やがてセックスカウンセラーとして世に出て売れっ子になるという経歴が映画の作りにかかわらず興味を引くという映画。3度目の結婚はスキー場で知り合ったお連れ合いで、高齢の今もスキーを楽しんでいるというのに個人的には惹かれるし。いろんな人生があってすごい人もいるんだなあ…とただただ惹かれて見ていた。(11月5日 下高井戸シネマ) ②風をつかまえた少年 監督:キウェテル・イジョフォー 出演:マックス・ウエル・シンバ アイサ・マイガ 2018イギリス・マラウイ(英語・チェワ語) 113分 原作はウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミラーのノンフィクション(2010・文芸春秋刊)干ばつで人々が飢えと貧困に苦しむマラウイで学費が払えず学校をやめざるを得なかった少年ウィリアムが、学校の図書館にこっそりこもって独学し、風車を作り風力発電をすることによってポンプが使えるようする。村は干ばつから救われ二期作で作物の収益が上がったという話を、ほぼ

10月の映画祭 2019 /10〜11月

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10月3つの映画祭で見た作品です。新作、アジア(中国・イラン・フィリピンなど)映画中心ですが、見ごたえのある作品が多かったのに、なぜか私のみた映画が賞を取れない…のは山形に続く今年の傾向です。ザンネン! 2019中国・東京映画週間 ⑱銀河学習塾(銀河補習班)⑲最高の夏、最高の私たち(最好的我們)⑳青雲~投げ出した人生の拾い方~(送我上青雲)㉑完璧な他人―スマホが暴く秘密たち― 32回 東京国際映画祭 TIFF ㉕アースクエイクバード㉖ファーストフード店の住人たち㉗ひとつの太陽(陽光普照)㉘ある妊婦の秘密の日記(Baby復仇記)㉙ iー新聞記者ドキュメントー㉚ミンダナオ㉛死神の来ない村㉜50人の宣誓㉝チャクトゥとサルラ(白雲之下) KAWASAKIしんゆり25th映画祭 ㉞赤い雪㉟ワンダフルライフ 映画につけた番号は、山形交際ドキュメンタリー映画祭を除いて10月に見た映画の通し番号になっています。         ********************* ⑱銀河学習塾(銀河補習班) 監督:鄧超/兪白眉 出演:鄧超 白宇 任素汐 王西 2019中国 147分 東浙大橋?の設計をしたものの、なぜか開通の日に橋は崩れ落ち罪に問われて刑務所に7年も入れられてしまう馬皓文。息子馬飛は父を慕うが、妻は離婚を要求。7年後に戻ってくるとすでに再婚して息子は全寮制の名門校の落ちこぼれ学生になっていた。というわけで、退学をさせられそうな息子をかばい、父は校長と期末試験に10番以内の成績を取らせると賭けをし、商売で不在の母親夫婦から息子を取り戻し、ものを考える人間になれということで独自に補習や生活指導を始める。そこでの、さまざまや、皓文の求職のエピソード、橋落下にまつわる汚職の疑いなどもかけられ、まわりの住民から排斥される皓文とマヌケといじめられる息子、親子の旅行とその途上での水害への遭遇などなど盛りだくさんに親子の軌跡を描くが、実はこの話、それから20年後?宇宙飛行士になった息子馬飛が宇宙で事故にあい、父との確執を乗り越え父の教えによって障害を乗り越え帰還するという位置から語られており、147分まあ、なんと盛りだくさんなこと。鄧超の大力作!と言ったところで、彼は若く元気な設計士から白髪頭の、宇宙飛行士の父まで出ずっぱりに活躍するわけで

【勝手気ままに映画日記】2019年10月

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やっと見ました!大きな富士山。10月27日山梨県足和田山五湖台から。ようやく天気も回復し、8カ月ぶり高尾山以外の山に行きました! 紅葉には少し早かった。木の間から見える河口湖 ①記憶にございません②サタンタンゴ③バオバオ フツウの家族④ピータールー マンチェスターの悲劇⑤ドックマン➅蜜蜂と遠雷⑦アド・アストラ➇ブルーノ・レコード ジャズを越えて➈カーマイン・ストリート・ギター➉レディ・マエストロ(The Conductor)⑪イエスタデイ⑫最高の人生の見つけ方⑬真実(字幕版)⑭田園の守り人⑮5億円のじんせい ⑯マレフィッセント⑰楽園⑱ブルーアワーにぶっ飛ばす⑲ジェミニマン⑳くらやみ祭りの小川さん 今月は山形国際ドキュメンタリー映画祭を前回ご報告。ほかに東京・中国映画週間、東京国際映画祭、それのいつも行く川崎で行われた「しんゆり映画祭」の特集上映もありました。それらはまとめて次回にご報告します。 ほかに家のそばのTOHOシネマで6,000ポイント(1分1ポイント)たまってもらった1ヶ月フリー鑑賞パスで①➅⑦⑪⑫⑬⑯⑰⑲⑳(9月にも少し。『真実』は吹替え版も…)見ました。というわけで… ①記憶にございません 監督:三谷幸喜 出演:中井貴一 ディーン・フジオカ 小池栄子 石田ゆり子 草刈正雄 佐藤浩市 2019日本 129分 トレーラーによれば、悪徳で支持率最低の首相は「記憶にない」と議会で放言し、頭にぶつけられた石によって記憶を失い、というあたりまでなのだけれど、それは本編では極く短いというか小さい部分で、病院で目覚め記憶を失った首相が街をうろうろというあたりから、とにかく記憶を失い自分のひどい首相ぶりに直面する真面目小心な?男というほうが前面に出た作りは、当然このあと記憶を失った首相がいかに過去の自分の悪ぶりを修復しよい政治家として国民の幸せを求めていくかという劇になるのだろうなあと予測できてしまうし、その予測通り映画は進む、という意味で意外性のない予定調和的な展開は安心してみてはいられるが、三谷作品への期待ということからするとウーン。意外に面白かったのはディーン・フジオカ演じる悪徳総理の信頼できる(ということは本人もワル)部下から、誠実さを取り戻していく秘書官、これはむずかしい役柄だと思うが意外性や嘘っぽさも含めなるほ

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019

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台風19号が近づいた10月11日から、さなかの12日、新幹線が動かない13日を経て、15日まで、2年ぶりの山形国際ドキュメンタリー映画祭に行ってきました!見た映画は17本、毎日夜は飲んで映画を語り12時過ぎにホテルに帰るという忙しくも楽しい日々。以下は見た映画気まま速報?(でもない、すでに)です。今回の大賞は王兵の大作『死霊魂』⑤でした。ほかに私が見た中で賞をとったのは『エクソダス』1本だけ。その意味ではあれあれ?私の趣味が悪いのか、それとも映画祭の新傾向なのか…。 ①戦場の女たち(英語版)②約束の地で③さまようロック魂④エクソダス⑤死霊魂➅ナガランドの胎動⑦ミゾ民族戦線:ミゾ蜂起➇別離➈自画像:47KMの窓➉ユキコ⑪あの店長(The Master)⑫誰が撃ったか考えてみたか⑬映画の都⑭ラ・カチャダ⑮駆け込み小屋⑯美麗少年⑰自画像:47KMのスフィンクス ①戦場の女たち(英語版) 監督:関口典子 撮影:クリス・オウエン 1990オーストラリア パプアニューギニア・日本(英語・日本語・トクピシン語)54分 1990年、昭和の終わりに、パプアニューギニアの元従軍慰安婦や兵士にインタビューをして作った映画。当時はまだ元兵士も、また慰安婦にされたり、されないまでも日本軍の強硬な食料調達などの被害にあった人々が経験者として存命だった。島の人々と、慰安所の検査などに当たらされた産婦人科医の発言がある一方、そんなことはしたことがない、国が責任をとることではないと真面目に言う元兵士たちの食い違いなども出ていて、ウーン。『主戦場』などで声高に叫ぶ修正主義者にも見せたいような映画。 英語版で機器による同時通訳がつくが、「いあんぷ」というのが気になる。「いあんふ」なのか「いあんぷ」なのか。「かんごふ」も「ほけんふ」「じょさんふ/ぷ?」も今や死語だしなあ。(10月10日 山形市民会館小ホール AM/NESIA オセアニアの忘れらた「群島」) ②約束の地で 監督:クローディア・マルシャル 2019フランス(ボスニア語・フランス語・ドイツ語)77分 14歳で夫の家族とともにボスニアからフランスに移住した妹と、ボスニアに残る家族、特に姉は子どもとともに国外に出たく、ドイツに行っ

【勝手気ままに映画日記】2019年9月

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やっと好天の高尾山。でも富士山は見えない。本当なら木と木の間、右側の山あいあたりに見えるはずなのですが…秋が深まっていくのを楽しみに。また来月も見に行きたい。 こちらも高尾山で遭遇 ①引っ越し大名②工作 黒金星と呼ばれた男③僕はイエスさまが嫌い④共犯者たち⑤帰れない二人(江湖児女)➅ニッポニア・ニッポン⑦台風家族➇よこがお⑨ペトラは静かに対峙する➉北の果ての小さな村で⑪あなたの名前を呼べたなら(SIR)⑫ある船頭の話⑬狼煙が呼ぶ⑭見えない目撃者⑮ディリリとパリの時間旅行(吹替版)⑯命みじかし、恋せよ乙女⑰人間失格 太宰治と3人の女たち⑱アイネクライネナハトムジーク ①引っ越し大名 監督:犬童一心 出演:星野源 髙橋一生 高畑充希 濱田岳 松重豊 小沢征悦 西村まさ彦 及川光博  2019日本 120分 「超高速!参勤交代」シリーズを手がけた土橋章宏の時代小説「引っ越し大名三千里」が原作だそうで、これがどのくらいフィクションでどのくらい史実も入っているのかは、まあ眉唾なエンターテイメント。出て来る人々がみんな現代人だしね、それはそれで楽しめるのだけれど…引きこもりの書庫番だが誠実な知恵者(星野源は意外性なく演じている)と、ちょっと頭は軽そうだが滅法腕の立つ御刀番(髙橋一生、さすがに達者で、最後の立ち回りも楽しそう)が亡くなった元引っ越し奉行の出戻り娘の叱咤激励と知恵を借り(高畑充希もはまり役!可愛くて厳しく強いところが楽しい)姫路藩の豊後日田への石高半減という過酷な引っ越しをやり遂げるという喜劇。若者(といっても30代とか)が元気で、家老級の中高年がダメダメという感じの若者映画だね…。嘘っぽさも、描かれていないところがどうなっているのとかつつきだせばもちろんいろいろあるだろうが、とにかくまあ、頑張って引っ越し後、さらに2回にわたる引っ越し15年後までを描いて最初の引っ越しを集結させているというのもなかなか。ピエール瀧が、姫路に置いていかれ帰農し、15年後には迎えが来るも農民として姫路で生きる決意をするという藩士を演じている。彼もこれで映画界に帰参ということか??(9月1日 府中TOHOシネマズ) ②工作 黒金星と呼ばれた男 監督:ユン・ジョンピン 出演:ファン・ジョンミン イ・ソンミン チョ・ジヌン チョン・ムテク

【勝手気ままに映画日記】2019年8月

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    山歩きもけっこうできるようになりましたが、それにしても天気にめぐまれず。眺望を求めて2度の高尾山、でもこんなものです…。 そして名物とろろそばと牛タンと生ビール、やれやれ で、すっかり温泉に入り浸り… ①リラの門②旅のおわり 世界のはじまり③レイバー映画祭2019(『外国人収容所の闇』『植民地支配に抗って~3.1朝鮮独立運動』『ユニクロ払え~インドネシア縫製労働者のたたかい』『フランス・黄色いベスト運動』『沖縄・宮古島ではいま~自衛隊がやってきた』『自販機ユニオンのストライキ―8時間で暮らせる賃金を!』『ユナイテッド乗務員のたたかい~首切り自由は許さない』『連帯がこなければよかったのに』『アリ地獄天国』)④世界の果ての鼓動⑤存在のない子どもたち⑥アルキメデスの大戦➆夏少女➇煉瓦女工➈凪待ち⑩ブラック・クランズマン⑪台北メトロ淡水河の奇跡⑫サウダーヂ⑬15マレーシア⑭ラブン⑮隣の影⑯ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス⑰イソップの思うツボ⑱ダンス ウイズ ミー⑱影SHADOW 影武者⑲作兵衛さんと日本を掘る⑳おっさんずラブ㉑さらば愛しきアウトロー(THE OLD MAN &THE GUN)㉒トールキン 旅のはじまり㉓ワンス・ア・ポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  印象に残った映画に久しぶりに★をつけてみました。あくまで個人的な趣味ですけど。 ①リラの門(4Kデジタル・リマスター版) 監督:ルネ・クレール 出演:ピエール・ブラッスール ジョルジュ・ブラッサンス アンリ・ヴィダル ダニー・カレル  1957仏 99分 映画文法にしっかり従って作られた古典的名画という感じ。出だしのカフェ、カメラの移動に従って、それまで顔を見せなかった登場人物が順次主人公ジュジュの背中から顔を見せていくところとか、ジョルジュ・ブラッサンスの甘いが哀愁に満ちた歌による語りとか。貧乏でぐうたらなジュジュとギター弾きの友情―ワインのやり取りでつなげていく構成、そして匿ったイケメン強盗犯の身勝手さとそれに翻弄されてしまうカフェの娘(現代にいそうもないような、でも一昔前のフランス的容貌)、自分の気持ちに気づいてももらえず振られるジュジュの悲しさ。省略話法で100倍語るクライマックスとか。それにしても登場人物たちの風貌、現代の感覚