謹賀新年【勝手気ままに映画日記+山ある記】2026年1月(中途速報版)

今年のイチバン! 高尾山からの富士山(1月6日)

 

あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします

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みた映画と山ある記、今月も順次ご報告していきます。引き続きよろしくお願いします。

【1月の映画日記】
①マッドフェイト 狂運 ②世界一不運なお針子の人生最悪な一日③ファリダの二千の歌 ④苦い果実


④苦い果実
監督:カマラ・カマロワ 出演:シャヒダ・ガフロワ シャフナズ・ブルハノワ ベクゾッド・ハムラエフ  ババ・アンナノフ 1975ソ連(ロシア語)61分


ウズベクの田舎町(ここも開発が進んでダムなどができつつあるようすが描かれる)に住む祖母のもとでひと夏を過ごす少女二人と、町の少年の物語で、少女たちは軽やかなサンドレス、男の子たちはTシャツにベルボトムのパンツという、いかにも当時の都会風俗という感じで、置かれた自然の情景を別にすればむしろフランス映画風面持ちもあるソ連時代のニューベルバーグ?という感じ。ことばもロシア語で、地元で長く暮しているという設定の祖母も「パブ―シュカ」と呼ばれる。少女たちの感情が繊細に描かれ、見ていて心地よいが、物語自体は少年・少女の心のふれあいとそこから生まれる行き違いと、別れで必ずしも甘い話ではないのだが…。私がウズベク共和国に行ったのは確か1982年で、この映画はそのわずか7年前の作品だが、私の見た当時のウズベク世界とは全く別物という感じで、ソビエト化とはこういうことなのか…と思わされた1本。
(1月7日 中央アジア今昔映画祭 vol.3  渋谷ユーロスペース 004)

③ファリダの二千の歌
監督:ヨルキン・トゥイチエフ 出演:サノバル・ハクナザロワ バフロム・マチャノフ イルミラ・ラヒムジャノワ イルミラ・ラヒムジャノワ マルジョナ・ウリャエワ 2020 ウズベキスタン(ウズベク語 ロシア語) 110分


年末に中断したウズベキスタン映画特集の続き鑑賞の開始。
1920年代、ソヴィエト化が進むウズベキスタン西部で伝統的な一夫多妻で暮らす一家ーーまあ、なんというか、中老の夫カミルは一棟に、妻3人は別棟で家事をしながら共同生活。そこに若いファリダが4人めとしてやってくるところから話は始まる。この一家の暮しがどういう家業によりなりたっているのかはわからないが、素封家という感じではある。一家に子どもはいなくて、4人目のファリダはそれを期待されてきたのだが、他の妻たちは妹のように彼女に接しながら、それぞれに複雑なというか感情を抱いているような描き方。最も情熱的な2番目の妻ロビの酌で夫が酒を飲み、大皿から一口手づかみで飯を口に運ぶと、4人の妻が同じ大皿からそれぞれ手で飯を食べる、という食事の様子を真上から撮った映像がすごく印象的。あと、横並びで髪を洗うとか…象徴的な場面が多い。前半妻たちの生活は穏やかに淡々と描かれるのだが、この村も外界と無縁ではなく村はずれに現れる革命派?の男、ファリダの知り合いの耀なのだが、かかわりを持ったと疑われた3番目の妻マフラトは夫の制裁を受けて指を切られ、スプーンで食事をするようになる(これも象徴的・様式的に描かれる)。カミルも何か秘密を抱え、年かさの一番目の妻(途中で、彼女が「実は私は1番目ではない」という場面も)はそれを知り、食事を用意して若い妻に運ばせている…というようなところから、ファリダの妊娠、カミルに拒まれたロビの出奔、村はずれの男の来訪等々が後半家族の生活を脅かし、とうとう最後は衝撃的にこの一家が解散して、革命軍の指揮官となったロビがきりりとした眉でこの村から去っていく…というウーン、古い時代を現代の視点から描いた作品?なかなかに見ごたえはあるのだが、途中かなりイライラカッカとしてしまうような男女の描きかたに耐えなくてはならなかった。
(1月7日 中央アジア今昔映画祭 vol.3  渋谷ユーロスペース 003)

②世界一不運なお針子の人生最悪な一日(Sew Torn)
監督:フレディ・マクドナルド 出演:イブ・コノリー カルム・ワーシー K・カラン ジョン・リンチ 2024 アメリカ・スイス 100分

監督はなんと2000年生まれの25歳。19歳で同名の短編映画を作り、それが見出されてこの長編を作ることになったとのことで、まあ、天才でもあり超ラッキーボーイでもあるということか?内容的には「もし~でなかったら」という選択映画で、お針子というか母の残した、、傾きかけた洋裁店(刺繍の写真が語りかけてくるカード・壁掛けが売り物で、このビジュアルがまたなんかキモチ悪い)を営むバーバラがある日出くわした事故ー道に倒れるバイク・男たち・散乱する白い粉・大金の入っている(らしい)トランクという場面に遭遇し、「トランクの横取り」「通報」「見て見ぬふり」という三つの選択のそれぞれのその後の物語が語られていく。倒れている運び屋の父親というのが狂暴なギャング?でトランクを取り戻しに来るのに立ち向かうのが、3つの話に共通する概ねの筋だが、それぞれの場面で窮地に陥ったバーバラが得意の針と糸を使ってピタゴラスイッチみたいな仕掛けを作り窮地を脱出するが、それにもかかわらず最後は追い詰められて悲惨な最後を遂げる(この最後場面は映画の初っ端に続けて出てきて、何が始まるのとも思わせるが、ウーン映画をつまらなくしている気もする)。そして最後は??という救いもあるのだけれど、ウーン。そして一つ一つの話もバーバラの活動ぶりなど丁寧に描いてはいるのだが、バーバラのあり得なさそうなピタゴラスイッチ以外はそんなに意外性も面白みもなく、んん?ちょっと面白かったのは、事件の発端となる結婚式を控えてバーバラに衣装合わせを頼む女性も、2番目の話に登場する保安官+判事+??という女性もみな中年というよりは高年老婆というに近い風貌で、これってなんだろ?若い監督の世界観の反映かしらん???舞台となったスイスの景色はとーても美しく、旅心を誘われる。(1月5日 新宿シネマカリテ 002)


①マッドフェイト 狂運
監督:ソイ・チェン(鄭 保瑞) 出演:ラム・カートン(林家棟)ロックマン・ヨン(楊樂文)吳廷燁  伍詠詩 2023香港 108分

昨年大評判だった『トワイライト・ウォーリアズ決戦九龍城砦(2024)⑨⑬』、そして本作と同じ林家棟を主役に据えて香港を舞台に作った 『リンボ
(2021)⑪』のソイ・チェンが『トワイライト・ウォーリア』より前に企画したという作品を、間もなく閉館が決まっている映画館(シネマ・カリテ)で見るというのが新年第1弾の映画鑑賞。で、これはまた、やってくれるじゃないのというけっこうナルホド映画で面白かった。『リンボ』では妻に災厄をもたらした犯人に狂気と言ってもいい復讐をする刑事だった林家棟は本作では自身の両親が狂気に陥ったことから、自分も狂うのではないかとおびえる(すでにやや狂気の気配もある?)占い師で、彼は厄を払うとして雨の夜擬似死を与えようとした女性の厄払いに失敗(大雨のゆえ)、その夜女性は殺されてしまう。助けようと駆けつけた現場で彼が見つけたのは、デリバリーの配達に来たが雨に濡れた文字ゆえに配る部屋を待ちがえて殺人現場を目撃してしまい「喜び?」に震える青年。青年小東は幼い時から殺人衝動を抑えられず、猫殺しや、姉を襲うなどしてケガをさせた刑務所帰り、家族からも持て余されている。この事件で刑事に追われることになった青年を、占い師は殺人衝動から抜け出させ、彼の運命を変えようとかくまい、面倒を見始める。というわけでだんだん殺人願望から逃れ出ていく青年と、反対に狂気に駆られていく占い師のぶつかり合いというか、と書くとすごく暗くて気持ち悪そうな話で実際そうなのだけれど、ソイ・チェン映画の画面の美しさはここでもまた格別だし、案外コメディカルで、ふっと笑わせられるような場面も多いし、まじめな人情味もあり、香港の中だけで終始する人間関係の潔さー竜マークもなしーとかで飽きさせない。ただし殺されるのは香港の娼婦たちで、殺される場面のエグさとそれ以外の女性場面はほんの少し?という感じだし、これも『リンボ』や『トワイライト…』と同じで、描かれているのは男(の子?)の世界だなあとも思わざるを得ないけれど、ま、そういう人(登場人物・作者)がいてもいいかなと思うくらい、それなりにひきつけられる世界。ラム・カートンの狂気もさることながら、MIRRORの美青年、ロックマン・ヨン、薄気味悪くて貧相で悩める青年役、いいゾ!(1月5日 新宿シネマカリテ 001)



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