【勝手気ままに映画日記+山ある記】2025年8月

なんとも気持ちのいい8月の山景色…南アルプス塩見岳から(8・23)

 


【8月の山ある記】各見出しのアタマの数字は今年の山行、何回目か、です。

㉒8月5日〜6日  ウーム:ザンネン!の宝剣岳〜空木岳縦走(リベンジ果たせず)

2023年8月末に体調不良で檜尾尾根に退避して、結局登れなかった空木岳だが、YKツアーに同じコースを宝剣岳も含めて縦走するというのがあるのを見つけ、今度こそというわけで参加を決めた。新宿から専用バス(といってもマイクロ?)でケーブル駅近くまでというのは少々悩ましいが、早朝から縦走に出られるのであればガンバローということで…。
参加者は16人(M4)、ガイドはトレランの王者KMさん(今年は1月の黒滝山・四ツ又山〜鹿岳の岩稜、2月の車山高原・美ヶ原スノーシューに続いて3回目)信頼しているベテランなので、今回こそは空木岳まで行けるぞと期待。添乗員は若い女性のHNさん(こちらは何と、朝集合時間に遅れて後から合流。びっくり!)
東京出発時はあいかわらずの炎熱猛暑の快晴だったが、実は山の天気予報では下り坂で心配されたのだが、案の定、駒ケ根に近づくにつれ雲行き怪しく、昼過ぎ?ロープウェイで千畳敷に到着すると雨こそ落ちていないが猛烈濃霧。最初から雨具装着の歩きとなる。それでも宝剣山荘に着き、軽装になって一応初日の予定通り駒ケ岳を目指し、何度か歩いた道だし特に問題もなく中岳を越え、景色はただ白い(途中ちょっと薄日がさしたり、山上では雲が切れてちょっと青空がのぞいた)木曽駒ケ岳に到着。下りでは雷鳥の群れに遭遇したり、コマクサ、ウスユキソウなどの写真も撮ったりしてひと時のハイキングを楽しんだ。

ここのコマクサはなぜか深紅(種類が違うのかしらん…)

さて、そしていよいよ2日目(7日)夜半から風雨の音に心配した通り、朝、雨はたいしたことはないものの風は10mくらい?、宝剣の岩場登り、空木岳への縦走は危険ということで、結局8時過ぎロープウェイが動くのを待って下山撤退ということになる・・・・。
まあ、やむないこととはいえ…空木岳はまたもやオアズケ。いつ行けるのだろうか?いくことはできずに終わるのだろうか? 8月から10月頭くらいまでがシーズンだが、帰りのバスの中で研究してみるも、今年はもはや個人でもアタックの余裕はなさそう…。
それでも撤退途中、宝剣岳登り口でちょっと岩稜練習をしたり、霧の中で頑張って咲く花々の写真も撮ったりして無事に、下山を果たす。1日短縮のツアーで25000円の返金あり。助かった!

【木曽駒・千畳敷周辺 花の写真集】

イブキトラノオの花畑/チングルマはすでに赤い綿毛に
ウメバチソウ/ミヤマハハコグサ
エゾ?シオガマ/アキノキリンソウ/オトギリソウ

     ガスって幻想的?な駒ケ岳千畳敷カール・剣が池と手前のお花畑(8・6)



㉓8月22日〜24日  果たしたリベンジ!  南アルプス 塩見岳

8・22 立川発(あずさ1号7:21)⇒茅野(9:07専用バス)⇒鳥倉ゲート(12:00)➡鳥倉登山口(1630m 12:54)➡三伏峠小屋(2580m 16:25泊)4h25m 5.5㎞

8・23 三伏峠小屋(5:00)➡三伏山(5:12 2615m)➡本谷山(6:21 2658m)➡塩見小屋(8:26 2766m)➡塩見岳西峰(10:11 3047m)➡東峰(10:21 3052m)➡往路下山➡三伏峠小屋(15:46 泊)  12h 12.8㎞

8・24 三伏峠小屋(5:30)➡鳥倉登山口(8:6)➡鳥倉ゲート(9:00専用バス)⇒まつかわ温泉清流苑(10:30〜12:40)⇒茅野発(15:40 あずさ42号)2h42m 3.6㎞

3日間のコースタイム合計
19h8m 22.0㎞ ↗2232m ↘2109m コース定数48(きつい) 平均ペース90-100%《データ:ヤマップ》



昨年9月、登った三伏峠小屋で「母危篤」の呼び出しを受け、ツアーを離脱して一人下山した塩見岳、今年こそはと少し早めの時期に別のCTツアー、でも同じコースで再挑戦しました。
参加者は10人(女性6人)、ガイドは定年退職後山岳ガイドを目指して3年目?のSさんと、CTツアーの前身旅行社以来の(ってことは創立メンバーか…)のKMさんの男性二人に女性のベテラン添乗員KKさん。実はキャンセルが出たということで本来は11人からガイドが2人になるところ、10人でも2人という急遽の設定らしく、おかげで最後尾を歩くKMさんには歩き方のご指導まで受けて、なかなかに意義ある山旅になりました。

昨年もだけど猛暑の中、登る前に1ℓくらい水をあれこれ補給して万全を期したつもりだったし、体調もかなり用心して整えていったつもりだったけれど、初日鳥倉からの登り道は、去年にもまして苦戦。足が攣り気味でえ・え・え。薬を飲んでもきかず、攣らないようにかばいかばいゆっくり歩いて結局4時間半近く。2500mあたりからは例の高山病症状?吐き気も出てきて、1年間の間にさらに衰えた?とちょっとショック。

夕飯は去年とほぼ同じくお蕎麦だけは美味しく食べたが、それ以外はウーン。それでも夜はよく眠り、2日目の朝ごはんは去年よりちょっと多め稲荷ずし一個と小さいおにぎり1個。小屋の弁当は持たず(重いだけ)。お湯をもらってミルクティを作り、あとは行動食だけ少々もって、いよいよ去年行けなかった塩見岳をめざす。

            
                朝の三伏峠小屋

三伏山頂上からの朝日昇る絶景
      
三伏峠〜三伏山〜本谷山と起伏をまずは乗り越え、ああ、帰りも登りなんだとぼやきつつ、それでも順調に高度を稼ぎ、この日は足が攣ることもなく、胃の調子は今一つで時々むかむかするのでダイアモックスを1錠飲んで、薬が効いている間はおさまるらしいことを発見。以後は薬がある間は快調に、合間に行動食(バナナ・イチジク等のドライフルーツ+ヨーグルトレーズン)などを食べながら塩見小屋へ。今回は三伏峠小屋にいらない荷物を置いて行ったが、塩見小屋でもさらに水の予備や食べ物など少しばかりデポして身軽になる。


そこからはいよいよ見上げるような塩見の峰の岩の塊?を仰いで、得意の?よじ登り。岩場はいいのだが岩場がつきてざれた道になると気分がなえて、頂上まであと数分というところで両太もも前部が突然つる!すぐにおさまったがビックリした!それでも頂上は西も東もちゃんと制して、写真も撮り、なんとも広々美しいアルプス、八ヶ岳、富士山までゆったり堪能して過ごすことができた。



帰りはまたまた登りもけっこう多い長い長い道のりに少々つらくー本当に弱くなった気がする。筋トレ一生懸命しているのだがー途中で木の根つま先を引っかけて前にぶっ飛んで、ケガはなかったのだがキャップにかけていたサングラスが行方不明に。あああ!気が付いた後ガイドのKMさんが探してくれたのだが結局見つからず。もっともこの事件の間はアドレナリンが全開?になったのか山がスースー登れたのは意外なケガの功名かしらん。


薬も切れて胃の具合があまりよくない、で、固形物は無理だしいっそと小屋についてからビール1本。みんなでおしゃべりも楽しみ夜はぐっすり。元気なみなさんの山話も堪能できていい山行だった。

今回は花の写真を撮る余裕なし⤵ ハリぶきの実/ダイモンジソウくらいかな
     
翌朝去年一人で下りた鳥倉までの道を歩いたのだが、時間はそんなにかわらないものの、1人は楽だった(ツアーはどうしても前後が気になるし、歩きにくい)とは勝手な独り言。
めずらしく昼時間に温泉でゆったり大ジョッキに信州蕎麦もするりと入って、高山病の難しさ!今更ながらに感じたのだった。

たどりついた清流苑・おろしそばと大ジョッキ!

おつかれさま!8月の山行はこれで終わりです。
いよいよ9月はマチュピチュ!


【8月の映画日記】

①ニーキャップ②ビッグ・シティ③よみがえる声④チャルラータ⑤原爆スパイ⑥鯨の消えた入江⑦亀は意外と速く泳ぐ⑧あの夏、僕たちが好きだったソナへ⑨マルティネス➉長安の茘枝⑪アイム・スティル・ヒア⑫入国審査⑬わたしは異邦人

中国語圏映画⑥➉
日本映画③⑦
その他のアジア映画②④⑧
ドキュメンタリー作品①③⑤

毎年8月末には、1年に一度の『研究誌 ことば』に論文を出しています。そのために暑さにもめげず、映画館へもあまり行かず?頑張った…というわけでいつもよりは少なめでしたが、いずれも見ごたえのある作品群でした。
★はナルホド!★★はイイね!★★★はおススメ!のあくまでも個人的感想です。各映画最後の番号は今年になって劇場で見た映画の通し番号。各文中の赤字部分はその作品などに言及したページへのリンクをはったところです。

このあと、8月31日から、今年2回目!の大阪アジアン映画祭へ。31日には6本の短編と、『私立探偵』(香港2025ジョナサン・リー/周汶儒)を見ましたが、これは次号「大阪アジアン映画祭特集」に。


⑬わたしは異邦人
監督・脚本:エミネ・ユルドゥルム 出演:エズキ・チェリキ パルシュ・ギョネネン セレン・ウチェル ギセム・ウチェル デニス・テュルカリ 2024トルコ 112分★★★

古代遺跡が残るトルコの南側地中海に面した街シデを舞台に、35歳の孤児のダフネが生き別れた母を探してバスに乗りやってくる。バスの後ろ座席に座るのは伸びたセーターを着こんだ男。うるさがり無視するようなそぶりのダフネを気にせず話しかけ、先にバスを下りていく。彼にちょっと挨拶をするダフネ、ということはあながち知らないヤツに話しかけられたというわけではないのだと思わせて、映画の世界に観客を引きこんでいく。宿泊することになったペンション?の女主人と夫ではなさそうなのに居座って女主人を虐待する男とか、ダフネを頼ってというかむしろ恫喝するように娘?との話の橋渡しをさせる女(元娼婦)とか、はじめの方は何ともぎこちなくわかりにくい場面がいくつか続くのだが、やがて、ダフネは死者が見え話もできることが分かってくる。ダフネの視点で描かれた場面の中の生者(女主人・娘)にはダフネが見て話している死者(宿の男・元娼婦)は存在しないというわけである。
セーターの男の助けを借りながらダフネは「死者となった母」を探して、この街で撮られたらしい1枚の写真を手掛かりに母親探しをし、その過程で古代の姿をした女性に出会う。そして彼女の手引きで逢うことができた母は実は死者ではなく生きている人間(遺跡のガイド)だった。そして…自らの境遇に不満そう、不機嫌だったダフネが死者とのかかわりや、母との伊切差の中で少しずつ変化して他者に目をむけ思いやっていくような様子が生と死の狭間のこととして描かれる。セーターの男が拉致され墓もわからないアルゼンチン?の革命家であることがその母の嘆きのテレビ出演によってダフネに知らされる。無言の古代人女性の求めに応じてダフネは古代の書き物(石牌?)を掘り出し彼女の巫女としての役目と自己犠牲を知る。死者は古代女性に見送られ地中海の向こうに渡っていく(世界的に死の世界は海の向こうなんだ)と、ファンタジーなんだけれど、人と人のつながりや生の満足?について観客にも道をつけてくれるようでなんとも印象に残る。シデの景色のーというか映画の色合いの、くすんではいるのだが、これも何とも美しく、それだけでも見に行く価値がありそう。シデには行ってないが旅心を誘われる。昨秋の東京国際映画祭で『昼のアポロン、夜のアテネ』の題名で作品賞を獲った作品の劇場公開。(8月29日 渋谷ユーロスペース 203)

⑫入国審査
監督:アレハンドロ・ロハス ファン・セバスティアン・バスケス 出演:アルベルト・アンマン ブルーナ・クッシ ローラ・ゴメス ベン・テンプル 2023スペイン(スペイン語・カタルニア語・英語)77分

スペインからアメリカに移民としてやってきた制度的事実婚のカップル。女性のエレナが移民(グリーンカード)に当選し(そんな制度もあるんだね)、ベネズエラ人のディエゴが彼女のパートナーとして便乗するような形で果たすことになったのだが…。なぜか入国審査で止められ別室に連行され、スマホもPCも取り上げられ、途中からは引き離されてそれぞれ尋問を受けることになる。ローラ・ゴメス扮する女性尋問官の迫力の尋問は、二人の移民の動機から始まって容赦なく二人の私生活ーセックス頻度とかまで!に踏み込みながら、ディエゴの移民にまつわる過去の行為までを暴いていき、それを聞いたエレナは絶望にディエゴへの信頼も移住への希望も失っていく??そこに容赦のない男性尋問官のセクハラまがいの行動もかぶさって、なんかものすごくうまい演劇的と言ってもいい展開が、一部の出発時のタクシー、飛ぶ飛行機、機内、そして到着した米国の空港という断片以外はほぼ尋問室のみで撮られた演劇的空間で物語が展開していくが、映像の「無変化」を補って余りある音空間ー機械音、雑音、不安をかきたてるような室外からの音と、音も語る映画だ。それでいて音楽はなし。なるほどね!展開的には引き離された尋問が相互の不信を生んでいくという構図そのものはそんなに珍しいものではないと思うが、誰もが?不安を抱えつつ通過する入国審査を舞台というか題材にしたところになるほど!しかもこの時勢、移民に厳しくなりつつあるアメリカを舞台に描いたというところが社会批判の目も含んで秀逸というべきか。実は…、私自身は入国審査で止められたことはない(荷物をあけられてチェックされたことは2回くらい。大昔旧ソ連のナホトカ、それに香港が1回)が、人工関節なのでボディチェックはしばしば引っかかる。スペイン国内航空のチェックは過酷だったなあ、ドバイとかイスラム圏は意外にというか当然なのか別室に入れられても仕切りがあって女性の係官が出てくるのだが…、なんてことを思い出す。(8月29日 新宿ピカデリー 202)


⑪アイム・スティル・ヒア
監督:ウォルター・サレス 出演:フェルナンダ・トーレス セルトン・メロ フェルナンダ・モンテネグロ 2024ブラジル・フランス137分 ★★

1971年ブラジル軍事政権下のリオデジャネイロ。政府に批判的だった下院議員のルーヴェンス・バイヴァは、突然に出頭を求められて車で連れ去られ、そのまま姿を消す。残されたのは妻と4人の娘と一人息子、そして妻エウニセと二女エリアナも捕らえられ、エウニセは12日間(エリアナは1日)間拘留をされる。捕まる前の穏やかで楽しい家族の海辺での毎日ーなにしろ海岸に立つなかなかの邸宅での豊かな暮らしが延々と描かれることにより、事件の緊張と悲惨、そしてエウニセの拘留中の様子なども丁寧というか延々と描かれて、演じるフェルナンダ・トレースのリアルな演技に引き込まれる。物語は彼女が解放されてからで、夫の行方を求め、夫名義の預金が下せないことから経済的にも追い詰められていく中でいわゆる普通の主婦だった彼女がそれら困難に立ち向かい、夫のかかわった運動についても知ろうとし生きていく姿が本当に丁寧に描かれ演じられ、彼女たち一家がやがて実家のあるサンパウロに引っ越し、邸宅が空にさらに96年、初老の弁護士になった(ブラジルの先住民救済に取り組んだとか)エウニセ、成人した子どもたちのうち下の2人ーここで政府によってルーベンスの殺害が認められ死亡証明がでる。この時息子マルセルは事故で車いすの身(彼がとりもなおさず、この映画の原作者マルセル・バイヴァである)になっている。そしてさらに時が過ぎた2014年、認知症を15年近く患い、車いすに乗って家族の集まりでもちょっとお取り残された感じで感情表明もしなくなっているエウニセ(ここだけトレースの母で、同じ作者の『セントラルステーション』(1998ブラジル=すごく印象的な作品だった)の主役だったモンテネグロが演じている)が夫の死を歴史的な事実として政府の犯罪であると報じるテレビ画面にちょっと表情を動かすーなかなか繊細でスゴイさすがの演技ーところまで。ドキュメンタリーではないが、実際の事件を丁寧に描いた見ごたえの作品である。物語自体は実際みたいなので、それを演じた人々の演技のすごさというのが際立つという事でもありそう。エンドロールは例によって実在のルーベンスやエウニセ、そして家族子供たちの写真(結構映画も同じアングルで録っているので感心というか、えー?というか)で閉めている。(8月27日 新宿武蔵野館 201)

➉長安の茘枝
監督:大鵬  出演:大鵬 白客 劉俊謙(テレンス・ラウ) 庄達菲 楊冪 劉徳華(アンディ・ラウ)2025中国 122分(普通話)中・英字幕 ★★★

8月の10本目、今年に入って劇場200本目の作品は、中国語・英語字幕の「面白映画」で、まもなく?日本語字幕版も出るのだろうが、とりあえず(テレンス・ラウつながりかな)。シネマートの劇場1はガラガラで真ん中あたりに10名ちょっと?ほとんどは中国人らしく、始まる前はしゃべったり、カサカサシャカシャカ食べ物の袋の音、スマホのあかりで心配したが、始まると画面のにぎやかさもあり、さすがの日本の劇場でもあり、気になることはなく楽しめた。大鵬はすごい!主役をつとめながら歴史エンターテイメントにちゃーんと現代社会批判も盛り込み、役者たちにはしっかりそれぞれの見せ場をつくり、アクションのすさまじさも、でとにかく飽きさせず息もつかずに見せる2時間あまりだった。
下級官吏李善徳(とはいえ、科挙に受かり、算用の係を拝命して、長安に家も持ってまあまあ満足という暮らしぶり)からはめられるようにして、楊貴妃の誕生祝いのための「鮮茘枝」を手に入れ長安に届けることを命じられ、産地嶺南まで馬を飛ばし、現地の支配者に妨げられつつ農場を持つ商人や、支配者に虐待されていた奴隷(これがテレンス・ラウ。なんか今までと全然違うキャラクターで、前髪下ろしたあどけなささえ残る目つきに前かがみの姿勢、それでいてものすごい身体能力にアクションで李善徳を助け、最後は??長安にあこがれつつ果たせない悲劇の人を熱演)の助けを得て、算用能力も生かし、長安までの距離とライチ―の日持ちをシュミレーションしながら(意外と科学的にやるので現代的なのが面白い)最後は特別の手を考え付くが…。彼が途上で見つめるのは貧しい暮らし、役人や聖人(つまり皇帝)の圧政・搾取に貧困にあえぐ人々の暮らしぶりで、その対極に一椀のライチのために多くの犠牲を強いる朝廷というか政府への批判があぶり出される仕組みは、多分?だけれど現代の中国の中央独裁的な政治体制への批判もあるのだなと、笑いながら感じさせるのはたいしたもの。大勢の随行(馬も)を死に至らしめながらなんとか誕生日当日の長安にライチを届けた彼は、その後職を辞し、妻子とともに嶺南に移り住み、亡くなった林蠢奴の墓をつくり、きられてまるぼうずになったライチ畑の再生をしながら農業生活をする…とこれもなるほど。あ、現代音楽の使い方秀逸。アンディ・ラウは楊国忠で、安禄山の乱直前の唐代。面白いのはこれほどの役者たちを使いながら最初も最後も役者は小さな字のエンドロールだけで、スタッフ(製作者)側の名前は美しい絵巻などをバックにしっかり…。これって大鵬の姿勢の表れ?(8月26日 シネマート新宿 200)


⑨マルティネス
監督:ロレーナ・パディージャ 出演:フランシスコ・レジェス ウンベルト・ブスト マルタ・クラウディア・モレノ 2023メキシコ96分

「老い」と「孤独」がテーマだというから、どんな「老い」かと思ったが、主人公は60歳、退職を迫られはするがまだ現役の男で、「老い」というのはもしかすると孤独死する隣人の女性のこと?かも。で、男マルティネスは階下から聞こえるテレビの大きな音に苦しむが、実は彼女が(半年も前というがありうる?メキシコだったら?)亡くなていたこと、しかもなぜか彼に「プレゼント」を残していたことを知る(このプレゼントに関しては管理人女性が、リボンをかけた小箱を届けるところは覚えているが、その後スケジュール帳とかいろいろな飾り物を手に入れるあたりは、実は寝てしまった??らしくウーン、オハズカシイ)で、彼女からの贈り物を見ていく中で、生前は付き合いもなかった女性への恋心というか親近感というかがわいてくる。一方仕事はこなしていてもどちらかといえば人付き合い悪い変わり者であったマルティネスの退職勧奨にともない後任としてパヴロという男が転勤してくる。人なつこく、遠慮もなく、かたくななマルティネスの心に踏み込みほぐしていくようなパブロをマルティネスは認めないが、事情も知らずマルティネスの「恋」の援助をしようとするパブロに、マルティネスも少しずつ変わっていき…とはいってもこのマルティネス、やはりなんかどう見ても魅力的とは言えないヤツだなあ。演じるフランシスコ・レジェスは『ナチュラル・ウーマン』⑤(2018セバスティアン・レリオ)でトランスジェンダーのヒロインの恋人で、映画のはじめで急死してしまう男を演じたのだが、私の記憶によれば「気の毒」な男であるにも関わらず、、なんかどうしようもないヤツだなあと感じさせられた記憶もあるが、今回もそんな感じがする(主役でありながら、イマイチ共感を抱けない)。在職の延長が認められ、一方彼の根も葉もないチクリ?によって職を追われたパブロと最後は突然劇的展開をするが、その後も含め全体的には静かに静かにマルティネスの行動を追っている感じの映画だった。(8月26日 新宿シネマカリテ 199)


⑧あの夏、僕たちが好きだったソナへ
監督:チョ・ヨンミョン 出演:ダヒョン ジニョン ソン・ジョンヒョク キム・ヨハン
2025韓国 101分

『あの頃、君を追いかけた』(台湾2011ギデンス・コー)の韓国版リメイクだというので、時間がちょうど合ったこともあって覗いてみたという感じ。台湾版は2013年?日本公開でもう10年以上たってしまい、2018年には日本版リメイクもされたのだが、こちらは未見。で、比較も無zかしいのだが、韓国では11月に行われる修能(スノン大学修学能力試験?)を芯に兵役(これは台湾にもあったはず)なんかも組み込んで、ちょっと出来の悪いというか夢も希望も持たないダラダラ男子(に見えないジニョンだけど)が優等生女子にずーっとずーっと、付き合うというほどでもなく心を寄せ続け、互いにひかれあいながら、取り囲む友人たちも含めそれぞれの道で成功?し、ただし彼女はどうなのかな?結局全く別の人と結婚して、結婚式の衝撃的キスシーンで幕を閉じるというのはなんかこう書くと陰惨とは言わないが苦しい青春のような気もするが、それをこれだか軽く描いたというのは台湾版の功績か、それとも韓国版ゆえ?台湾版(日本版も、らしい)で描かれた地震震災時は、春川の水害に置き換えられている。11月の修南後の海遊び?は寒かろうなアとも思えてしまった。なのに?だから?ピカデリーに薄手夏用ストールを置いてきてしまったみたい。(8月26日 新宿ピカデリー 198)

台湾版(2011九巴刀=ギデンス・コー作)と日本版(2018長谷川康夫監督)
       

⑦亀は意外と速く泳ぐ

監督:三木聡 出演:上野樹里 蒼井優 岩松了 ふせえり 温水洋一 松重豊 要潤 岡本信人 伊武雅刀 島田久作 2005日本 90分

暑さを避けて歩いていたら偶然劇場の横に出て、この映画の看板を見る。チラシ(の上野樹里の不機嫌顔)はとても印象に残っていて、DVDで見たかなあ?とは思っていたが、ちょうど時間もいいし、暑さをしのいで見に行くことに。と思ったらやはり見てはいなかったみたい。20年前の映画で上野19歳、相方?の蒼井優20歳と、二人とも若くて素朴というか、上野の不機嫌顔も案外地というか、今のようにはすっきりした面持ちにはなっていないのだった。お話しはそのすっきりしなささにちょうど合った、これもまあオフ・ビートというか緩ーいというか。最近だと『実は宇宙人』なんていう感じになるが、ここでは『スパイ』になった若い主婦(夫は単身海外赴任中)のフーン?フーン?って上野の顔にあっているー話の進み方で、なぜか濡れ手に粟でつかんだ冷蔵庫の中の500万円がまぶしい展開かな。上野・蒼井以外は、やはり20年前であるにもかかわらずあまり今と雰囲気変わらず、よく見ればそれなりに老いてはいるのだが、すでに一家を成していたという感じ??まああまり悩まず少し古い映像(なにしろそうだまだスマホはなく、早々あんな薄型の細方の携帯だった…なんて。(8月19日 テアトル新宿 197)


⑥鯨の消えた入江(我在這裡等你 A Balloon's Landing)
監督:エンジェル・テン 出演:テレンス・ラウ(劉俊謙)フェンディ・ファン(范少勲)
2024台湾(国語・広東語)101分

最近(日本)大ブレークのテレンス・ラウがかつて『アニタ』⑬(2022梁樂民)でレスリー・チャンを演じた人とは知っていたが、この主演映画、ここまでレスリー・オマージュ?とは知らず、予想外の展開と最後時空の変わった「張國榮2023演唱會(ワールド・ツアー)」の看板とレスリー自身の『春夏秋冬』の歌声にオールド迷、彼の死から20年以上経って忘れた?あるいは理性的にみられるようになったと思っていたのになんか映画をみながらドキドキ、あ、こんな未来(現代)を望んでいる人もまだまだいたのだなあ…と感銘(残念ながら感涙までは行かなかったけれど)。
最初は盗作疑惑にまみれた香港人作家が台湾の「鯨の消えた入江」を求めて、その途上不遇の孤児であったチンピラ青年に出会い、入江を求めてのロードムービー上のゲイムービー?かとか(だってチラシがまさにそういう図案)思ったが、どうしてどうして、話はなんだか予想しない謎へと展開する中で『ラブ・レター』(1995岩井俊二)とか『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017日本・2018香港・日本合作)ばりの時空を超えた手紙のやり取りへと進み、それが盗作疑惑の解決にもからみ、その時代がレスリーの死から現在(2023年)に重なるみたいななかなか、どう進むのかみたいな展開の中で、「恋愛」ではなさそうだけれど、二人の青年のつながりが人生までも変えていくという―うんなんともロマンティックな映画だが…。最後まで海は出てくるけれど「鯨の消えた入江」は出てこない。何度も繰り返される「死ぬな、生き続けろ」というメッセージはなんか作者からレスリーというより香港?へのメッセージ
(重なっているテレンス演じる作家にでももちろんあるが)のような気もしてくる。ああ、香港も20年たってもしぶとく、強く大衆映画作りしてるんだなあとも思わせられる感慨を持つが、実はこれって台湾映画だった(台湾・香港をうまく融合させている感じも)。テレンスはレスリーに横顔の上半分は似てるなあとは思うが、正面から見るとやっぱりね、顔が現代的なんだと思う。台湾編は墾丁の花火大会とか、海の景色とか観光映画の趣もあり、二人の青年の身軽なロードムービーの途上毎日衣装が変わるのも嘘っぽいが若者ファッション映画?として楽しめる。(8月19日 シネマート新宿 196)


⑤原爆スパイ
監督:スティーブ・ジェームス 出演(登場人物):テッド(セオドア)・ホール ジョーン・ホール 2022イギリス・アメリカ カラー・モノクロ 101分

戦後80年、戦争に関する映画、反戦ドラマが特に目白押しという感じのする今夏だが、その中でもこれは戦争・反戦というよりか、若い時の一つの決断で、その後の生き方、一生が影響された人生を描く。どちらかといえば何か行動したり発言したりというよりは身をひそめといっても『桐島です』みたいに名を隠して逃げ回るというよりは、きちんとしたポストを得てそれなりの実績を上げ充実した人生を歩みつつも過去を秘して生きた人生の悲しみというかすさまじさというか…。18歳でマンハッタン計画に抜擢されて原爆製造にかかわりつつ、その原爆の情報をソ連に流したテッド・ホールが死の前に自ら語った映像や、妻や家族、ともにスパイ活動をした友人やその家族が語っていく。アメリカだけが核を持つ危険ゆえに当時のソ連に情報を渡すことにより核が抑止力になることを信じた、世界に対する思いやりだった…というのだけれど…。いまだ信じられている「核の抑止力」への警鐘を鳴らした広島県知事のニュースを聞いたばかり、トランプとプーチンの(ウクライナ抜きの頭越しの)会見ニュースを見たばかりの中で、スパイ活動後は政治活動から手を引き自らや子供のためだけ?に生きた感もある夫婦の長い人生はなんかすごくきつい感じもしたのだが…ドキュメンタリーなのだけれど、若い時の二人やその友達などは再現ドラマのような感じで役者が演じている。(8月16日 渋谷ユーロスペース 195)


④チャルラータ
監督:サタジット・レイ  出演:マドビ・ムカージー  ショウミットロ・チャタージ ショイレン・ムカージー シャモル・ゴサル ギタリ・ロイ 1964インド 119分

タゴールの原作小説をサタジット・レイが監督した中期代表作、主演は先に見た『ビッグ・シティ』と同じくマドビ・ムカージー(どちらもインドの普通の?夫人というか主婦の役だが全然違う造型の演技力はなかなかとビックリ)ということで、論文山場であるにもかかわらずついつい見に行ってしまう。階下で政治新聞社を経営する夫とともに暮らすチャルラータ、召使いもいて刺繍をしたりしながら裕福・有閑の暮しだが、そこにやってくるのが生活力がなくて夫が経理として雇うことにした実兄夫婦、そして夫の従弟で大学を出たばかりの文学青年(従兄である夫とは全く肌合いの違う自由人)アマル。ということで突如増えた家族の中で、揺れるチャルラータの心…。夫はアマルにチャルラータへの文学の手ほどき?を頼むが、実はチャルラータの才能はアマルのそれを凌駕している??何となく肌合いがこれも違ってアマルに対する態度も気になる兄嫁も間にいて、そのうちに金銭的に追い詰められた暮らしの兄が夫の信用をいいことに悪だくみ。ということで、最後はアマルに去られたチャルラータの大泣きというようなシーンもあり(そこに行くまでが美しいんだけれどもなんか回りくどいというか語りが丁寧すぎるというか、ちょっと今の感覚では間がもたない男女の間という感じもしないでもないのだが)どうなることかと思ったが、ナールほどね。ストップモーションで過去とこれからを同時に明示するような終わり方に感銘を受けてしまう。終わり方の名手サタジット・レイというべきかしら?(8月16日 渋谷文化村宮下 サタジット・レイ レトロスペクティブ 194)


③よみがえる声
監督:朴壽南・朴麻衣 2025日本・韓国(日本語・英語・韓国語)148分 ★★★

在日一世を親に持つ映画監督パク・スナム(90歳)と娘麻衣が、スナムがかかわり撮影してきた事件をたどりながら、その半生をもたどるという母子共同監督のドキュメンタリー。初っ端、「わかりやすい映画など自分が作る意味はない」という母と「観客に理解されてこそ映画は意味を持つ」とする娘の激しい口論などから始まり、1958年まだ20代の母が小松川事件の死刑囚・李珍宇とかわした書簡や面会などでのかかわりや、その後徴用されてきていた広島・長崎で原爆被災者となった朝鮮人支援、軍艦島への徴用工、沖縄戦に徴用され日本軍の一員として戦争に参加しながらその日本軍から差別され殺されたり、戦後補償も受けられない朝鮮人(中国人も)、そして韓国人従軍慰安婦だった女性たちを記録・撮影しながら唐らとともにあり寄り添ってきた人生の、その時々のフィルムや、当時のスナムの取材姿、またそれを見る現在の母子の様子などがつづられる148分は長いけれども、戦後の韓国・北朝鮮(朴一家は現韓国出身だが、スナムらきょうだいは総連系の朝鮮学校で教育を受け、スナムの妹は帰国事業で北に一人移住したらしい。麻衣が彼女を北朝鮮に訪問した時の写真類も映画にでてきた)日本史やスナム自身が人生の終わり近くにする個人史「総括」として目を離せない。それにしても一本の筋に貫かれたしかも盛りだくさんな行動のインパクト!8月半ばに関連してあちこちで紹介されたせいか、風雨の中休日の午前中の映画館は満席である。2列ほど前の席のとおくにいらしたのはヤン・ヨンヒ監督?
(8月11日 ポレポレ東中野193)

②ビッグ・シティ
監督:サタジット・レイ 出演:マドビ・ムカージー アニル・チャタージー ハレン・チャタージー シェファリカ・デビ ハラドン・パナルジ 1963インド 131分モノクロ ★

1953年のコルカタ、銀行員のシュプラトは老いた両親と妹を引取り、妻との間には男の子が一人いるが経済的にはかなり苦しい生活を送っていた。妻アラティは働く決心をし、シュプラトも求人広告を見て妻に合った仕事を探し、書類を作ったり面接のアドバイスをしたりして後押しをするが、同居している両親は嫁が職業に就くことを快くは思わない。とそんなところがら編み機の訪問セールスの販売員になったアラティがなかなかの能力を発揮し、最初は喜んでいたシュプラトが銀行の取り付け騒ぎで職を失い…と境遇が変転する中で夫婦の中もギクシャク、妻は同僚となった英国人女性の病休を助けてますます職場で重宝されるようになり、息子夫婦の在り方を認められない元教師の老父は、昔の教え子を訪ねて半ばたかったり(眼科医の教え子にメガネを作ってもらったりする)息子の悪口を言って歩いた果てに出先で倒れる…などという経緯が極めて丁寧に描かれていく。妻が職業を持つことを良しとはしない世間の風潮とか、それを体現する夫の家族とかっていうのは今の日本感覚からいえば想像もつかないと考える向きもあろうが、なんか自分の若い時を考えるとあまり状況は変わっていなかったかなとも思い、なんか身につまされながら見てしまった。妻の正義を夫も認め二人で「ビッグ・シティ」に歩み入っていくラスト(ネタバレ失礼)はナルホドね!なかなかね!とさすがのしめ方にちょっと唖然というか、心が軽くなるというか…日本では76年に『大都会』の名で今はなき岩波ホールで上映され(いかにも岩波ホール向きという感じ)たらしいが、当時は未見。その後何回かのリバイバル公開もあったらしいが、こんなジェンダー問題映画とは知らなかった。
(8月10日 渋谷文化村宮下 サタジット・レイ レトロスペクティブ 192)

①ニーキャップ
監督:リッチ・ベピアット  出演:モーグリ・バップ(ニーシャ) モ・カラ(リーアム)DJブロピ マイケル・ファスベーダー シモーヌ・カービー 2024イギリス・アイルランド(アイルランド語・英語) 105分 ★

ことばは文化そのものでことばによって人はアイデンティティを確立する、とは思いつつ、日々、時代時代人は自らの選択によってことばを改変していくーってつまり自らの依拠する文化を変えていく?というような事例を書いている(ただいま、査読が通れば年末に出す研究誌向けの論文執筆中)身としては、この映画の人々の確信的なアイルランド語維持へのこだわりがまぶしい。さらに実在のアイルランドのヒップホップグループ「ニーキャップ」のメンバーが自らを演じて、このグループ結成のいきさつを語るという映画そのものの虚実皮膜?のありようも興味深く、テンポの良さと、映画構成ー単にドキュメント風に描くのではなく、ありそうもない喜劇的なニーシャと父アーロの逸話とか、リーアムとJJブロピの劇的な出会いーこの二人には単にラッパー、DJの域を大きく超えた演者としての才覚・風格のすごさを感じさせられて目が離せない。コメディカルでもあるドラマあり、映画定番の追跡劇やアクションもあり、もちろんホンモノのニーキャップのステージシーンも。ニーシャの父役マイケル・ファスベーダーの怪(快)演や時代をさかのぼる?子役シーンの子どもたちのいかにもの可愛らしさも含めて画面に集中した105分だった。アイルランド語は分からないが字幕を〈 〉でくくり、英語部分は結構なまっていて、これもリアリティがありそう。ちなみにアイルランド語は2022年、北アイルランドの公用語として政府に認められている。先月この映画の公開に先立ちということで『トレインスポッティング』⑭(1996)を見たが、あちらほどの「哀しみ」はないけれど、若者のエネルギー発露の明るさという点では断然こちらの方が見た後の爽快感はある、かな?
来年1月末で閉館するというニュース以後の新宿シネマカリテでの初鑑賞はなかなかの混み合いだが、おかげさまで早めにお気に入り席をGetして見た。(8月9日新宿シネマカリテ 191)


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