投稿

【勝手気ままに映画日記】2020年1月

イメージ
お正月、くっきりはっきり高尾山からの富士山に満足 こちらは沼津アルプスから…低山?に登って富士山を探すのが最近の趣味です ①エセルとアーネスト②スペインは呼んでいる(THE TRIP TO SPAIN)③サイゴン・クチュール④パラサイト半地下の家族⑤エクストリーム・ジョブ ➅さよならテレビ➆読まれなかった小説➇リチャード・ジュエル➈ジョジョ・ラビット⑩ガーンジー島の読書会⑪ホテル・ムンバイ⑫ガリー・ボーイ⑬オルジャスの白い馬⑭音楽⑮マリッジ・ストーリー⑯イーディ、初めての山登り⑰家族を想うとき⑱私のちいさなお葬式⑲キャッツ⑳最初の晩餐㉑国家が破産する日㉒テリー・ギリアムのドン・キホーテ㉓パリの恋人たち(L'homme fidele)㉔エッシャー 視覚の魔術師 ①エセルとアーネスト 監督:ロジャー・メイウッド 原作:レイモンド・ブリックス 出演(声):ブレンダ・ブレッシン ジム・ブロードベント ルーク・トレッダウェイ 2016英・ルクセンブルク 94分 『スノウマン』のレイモンド・ブリックスが第1次大戦後のロンドン、若い牛乳配達人アーネストとメイドのエセルが知り合い家庭をもって、第2次大戦、ナチスの侵攻脅威の中一人息子のレイモンドを育て、彼がパブリックスクールをやめて美術学校に進学、結婚し、エセルが認知症になり亡くなる1971年、後を追うように一人暮らしのアーネストも亡くなるまでを淡々と、でも一つ一つの場面の美しさに幸福感があふれるような描き方をしたアニメーション。最初に実際のレイモンド・ブリックスが二人の肖像を描き出す場面から始まり、エンドロールは一家の写真でつづるというサービスまで含め、実在の無名の人物が日々の幸福と平穏を求めて、戦争や社会階層に対する感じ方(アーネストは戦争の動向を気にかけ、エセルは特に自分たちは「労働者階層ではない」ということに固執する)をも含めて、このような人物がどこにでもいて社会を作り、子どもを育て生き抜いてきたことが心に沁みるという映画だった。  (1月5日 川崎市アートセンター・アルテリオ映像館) ②スペインは呼んでいる(THE TRIP TO SPAIN) 監督:マイケル・ウインターボトム 出演:スティーブ・クーガン ロブ・ブライドン レベッカ・ジョンソン クレア・キーランス

【勝手気ままに映画日記】2019年12月

イメージ
あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。2020元旦 上は足和田山から、下は足柄山から、富士山を見に行けるようになりました! 2019年は、2月のスキーでの大怪我入院で、みなさまに大変ご心配をおかけし、猛反省の年でした。すっかり半分は棒にふってしまった?というような気もしますが、なんとか復活、夏には低山歩きも再開、山の頂上まで登って富士山を見るなどということもできるようになりました。寄る年波?はいかんともしがたいですが、もうしばらくは頑張って滑ったり登ったりしたいなあと、懲りずに思っているところです。 さて、今年も月1回ののんびりペースですが、映画日記を続けていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。12月に見たのは以下の26本でした。印象深かった映画には🌸マークつけてみました。 ①~③第20回東京フィルメックス作品として前回アップ ④ヒンディ・ミディアムー英語が話せないなんてー⑤台湾、街かどの人形劇(紅盒子・Father)➅幸福路のチー(幸福路上)➆英雄は嘘がお好き➇アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル音楽の奇跡➈決算忠臣蔵⑩恋々豆花⑪東京裁判 4Kデジタルリマスター版⑫シークレット・スーパースター⑬樹木希林を生きる⑭トスカーナの幸せレシピ⑮エイスグレイドー世界でいちばんクールな私へー⑯ラスト・クリスマス⑰ある女優の不在⑱こおろぎ⑲テルアビブ・オン・ファイア⑳ゴッホとヘレーネの森ークレラー=ミュラー美術館の至宝㉑人生、ただいま修行中㉒スターウオーズ スカイウォーカーの夜明け㉓細い目㉔去年マリエンバードで㉕アナと雪の女王2(FROZEN2)字幕版 ㉖男はつらいよ50お帰り寅さん ④ヒンディ・ミディアムー英語が話せないなんてー 監督:サケ―ト・チョドリー 出演:イルファーン・カーン サバ―・カマル 2017インド 132分 132分といえば、長いことは長いが最近の日本映画などには珍しくないように思うが、このインド映画、なんと中間にインターミッションの文字が出た!(もちろん実際のインターミッションはなく、そのまま上映は続いたが) インド・デリーの洋装店というか仕立て屋の若者が顧客のおしゃれな金持ちの娘と恋に落ち(こんな場面いるのかなあとも思うが)、15年後に飛んで、男、ラージはブランドの

第20回 東京フィルメックス 2019 /11〜12月

イメージ
⑯シャドウプレイ(風中有朶雨做的雲) ⑰春江水暖(Dwelling in the Fuchun Mountains) ⑱二人の人魚(蘇州河) ⑲評決 ⑳大輪廻 ㉑ニーナ・ウー(灼人秘密) ㉒気球 ㉓熱帯雨 ㉔昨夜、あなたが微笑んでいた ㉕ヴィタリナ(仮題) ㉖完全な候補者 ㉗カミング・ホーム・アゲイン ① 牛 ② HHH:侯孝賢 ③ フラワーズ・オブ・シャンハイ 新旧とりまぜ15本見ました! 中国映画5本、台湾映画5本 ⑯~㉗は11月に見た映画の通し番号になっています。 ①~③は12月に入って…。 ⑯シャドウプレイ(風中有朶雨做的雲) 監督:婁燁  出演:井柏然 宋佳 秦昊 馬思純 張頌文 陳妍希(ミシェル・チェン)2018中国 125分 まずは2006年広州の川辺の林の中でデート中の男女が焼死体を発見、次に手持ちカメラとドローン映像で追いかけた目くるめくような映像で広州の立ち退きを迫られた町を青年たちが走り、そのまま住民と官憲、開発側の対立抗争場面へ、その場で開発側でこの町出身だとして住民を説得する唐が5階から墜死という事件の発端となり、その場に居合わせた若い刑事楊(この刑事も事故にあって認知能力を失って施設にいる父との何かを抱えている)が捜査を始める中で、不穏な事態が起こり、彼ははめられて職を追われ香港に逃げて事件の真相を探り続ける。 一方で開発事業のトップ姜と妻・娘小諾、昔からの盟友だった唐との関係、台湾で事業に成功して帰ってきた姜と、台湾時代からの共同事業者の女性阿雲(唐事件の背後にチラチラ影が見える一方すでに行方不明になっているという設定)の1980年代終わりから現代にいたるいきさつ関係が描かれていく。そして後半に至るとそれらの関係が縷々説明されて行き、そこに30年近くにわたる中国の近代化、富裕化の裏というかのし上がった人々の栄光も退廃も顕わになっていくという、すごくロマンティクな、それでいながらミステリーというより一種のドキュメンタリー的社会派映画をみたような不思議な後味を残す、そう言う意味ではまさに婁燁!?という作品。 2時間を超えて息も切らさず見せるのだが、トップにはクレジットされていない秦昊、ミシェル・チェンら(トップクレジットの宋佳ももちろん)、大人パートの迫力がありすぎて、若者パートでヒ―ロー、ヒロインであるはずの楊と

【勝手気ままに映画日記】2019年11月

イメージ
妙義山中間道から関東平野…紅葉には少し早い?11月10日です。 こちらは今や日本で一番遭難が多いらしい、妙義の岩壁です。上にも人がいますが…。 11月は22日までに16本。この後の東京フィルメックス(23日~12月1日)は次号にて。 🌸マークは、ちょっとお勧め・お気に入り…あくまでも個人的趣味ですが…。 ①教えてドクター・ルース②風をつかまえた少年③この星はわたしの星じゃない④あなたを、想う(念念)⑤ザ・レセプショニスト(接線員)🌸➅聖なる泉の少女 (NAMME)⑦パリに見いだされたピアニスト➇プライベート・ウォー➈象は静かに座っている⑩誰にも言えない小さな秘密⑪ひとよ⑫第三夫人と髪飾り🌸⑬ノー・スモーキング⑭宮本から君へ🌸⑮マチネの終わりに ①教えてドクター・ルース 監督:ライアン・ホワイト 出演:ルース・K・ウエストハイマ― 2019米 100分 映画の出来というよりも主人公たるドクター・ルースのビジュアル(40代ぐらいより 90の今が魅力的)も含めた人柄と、ナチス下のドイツで両親は収容所で死亡、本人はスイスの寄宿制の施設に預けられることにより命を長らえ、戦後イスラエルのキブツに住み、イスラエル軍の訓練を受け狙撃兵に、そして、やがてソルボンヌに留学、恋愛や結婚によってアメリカに移住し、やがてセックスカウンセラーとして世に出て売れっ子になるという経歴が映画の作りにかかわらず興味を引くという映画。3度目の結婚はスキー場で知り合ったお連れ合いで、高齢の今もスキーを楽しんでいるというのに個人的には惹かれるし。いろんな人生があってすごい人もいるんだなあ…とただただ惹かれて見ていた。(11月5日 下高井戸シネマ) ②風をつかまえた少年 監督:キウェテル・イジョフォー 出演:マックス・ウエル・シンバ アイサ・マイガ 2018イギリス・マラウイ(英語・チェワ語) 113分 原作はウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミラーのノンフィクション(2010・文芸春秋刊)干ばつで人々が飢えと貧困に苦しむマラウイで学費が払えず学校をやめざるを得なかった少年ウィリアムが、学校の図書館にこっそりこもって独学し、風車を作り風力発電をすることによってポンプが使えるようする。村は干ばつから救われ二期作で作物の収益が上がったという話を、ほぼ

10月の映画祭 2019 /10〜11月

イメージ
10月3つの映画祭で見た作品です。新作、アジア(中国・イラン・フィリピンなど)映画中心ですが、見ごたえのある作品が多かったのに、なぜか私のみた映画が賞を取れない…のは山形に続く今年の傾向です。ザンネン! 2019中国・東京映画週間 ⑱銀河学習塾(銀河補習班)⑲最高の夏、最高の私たち(最好的我們)⑳青雲~投げ出した人生の拾い方~(送我上青雲)㉑完璧な他人―スマホが暴く秘密たち― 32回 東京国際映画祭 TIFF ㉕アースクエイクバード㉖ファーストフード店の住人たち㉗ひとつの太陽(陽光普照)㉘ある妊婦の秘密の日記(Baby復仇記)㉙ iー新聞記者ドキュメントー㉚ミンダナオ㉛死神の来ない村㉜50人の宣誓㉝チャクトゥとサルラ(白雲之下) KAWASAKIしんゆり25th映画祭 ㉞赤い雪㉟ワンダフルライフ 映画につけた番号は、山形交際ドキュメンタリー映画祭を除いて10月に見た映画の通し番号になっています。         ********************* ⑱銀河学習塾(銀河補習班) 監督:鄧超/兪白眉 出演:鄧超 白宇 任素汐 王西 2019中国 147分 東浙大橋?の設計をしたものの、なぜか開通の日に橋は崩れ落ち罪に問われて刑務所に7年も入れられてしまう馬皓文。息子馬飛は父を慕うが、妻は離婚を要求。7年後に戻ってくるとすでに再婚して息子は全寮制の名門校の落ちこぼれ学生になっていた。というわけで、退学をさせられそうな息子をかばい、父は校長と期末試験に10番以内の成績を取らせると賭けをし、商売で不在の母親夫婦から息子を取り戻し、ものを考える人間になれということで独自に補習や生活指導を始める。そこでの、さまざまや、皓文の求職のエピソード、橋落下にまつわる汚職の疑いなどもかけられ、まわりの住民から排斥される皓文とマヌケといじめられる息子、親子の旅行とその途上での水害への遭遇などなど盛りだくさんに親子の軌跡を描くが、実はこの話、それから20年後?宇宙飛行士になった息子馬飛が宇宙で事故にあい、父との確執を乗り越え父の教えによって障害を乗り越え帰還するという位置から語られており、147分まあ、なんと盛りだくさんなこと。鄧超の大力作!と言ったところで、彼は若く元気な設計士から白髪頭の、宇宙飛行士の父まで出ずっぱりに活躍するわけで