第20回 東京フィルメックス 2019 /11〜12月
⑯シャドウプレイ(風中有朶雨做的雲) ⑰春江水暖(Dwelling in the Fuchun Mountains) ⑱二人の人魚(蘇州河) ⑲評決 ⑳大輪廻 ㉑ニーナ・ウー(灼人秘密) ㉒気球 ㉓熱帯雨 ㉔昨夜、あなたが微笑んでいた ㉕ヴィタリナ(仮題) ㉖完全な候補者 ㉗カミング・ホーム・アゲイン ① 牛 ② HHH:侯孝賢 ③ フラワーズ・オブ・シャンハイ 新旧とりまぜ15本見ました! 中国映画5本、台湾映画5本 ⑯~㉗は11月に見た映画の通し番号になっています。 ①~③は12月に入って…。 ⑯シャドウプレイ(風中有朶雨做的雲) 監督:婁燁 出演:井柏然 宋佳 秦昊 馬思純 張頌文 陳妍希(ミシェル・チェン)2018中国 125分 まずは2006年広州の川辺の林の中でデート中の男女が焼死体を発見、次に手持ちカメラとドローン映像で追いかけた目くるめくような映像で広州の立ち退きを迫られた町を青年たちが走り、そのまま住民と官憲、開発側の対立抗争場面へ、その場で開発側でこの町出身だとして住民を説得する唐が5階から墜死という事件の発端となり、その場に居合わせた若い刑事楊(この刑事も事故にあって認知能力を失って施設にいる父との何かを抱えている)が捜査を始める中で、不穏な事態が起こり、彼ははめられて職を追われ香港に逃げて事件の真相を探り続ける。 一方で開発事業のトップ姜と妻・娘小諾、昔からの盟友だった唐との関係、台湾で事業に成功して帰ってきた姜と、台湾時代からの共同事業者の女性阿雲(唐事件の背後にチラチラ影が見える一方すでに行方不明になっているという設定)の1980年代終わりから現代にいたるいきさつ関係が描かれていく。そして後半に至るとそれらの関係が縷々説明されて行き、そこに30年近くにわたる中国の近代化、富裕化の裏というかのし上がった人々の栄光も退廃も顕わになっていくという、すごくロマンティクな、それでいながらミステリーというより一種のドキュメンタリー的社会派映画をみたような不思議な後味を残す、そう言う意味ではまさに婁燁!?という作品。 2時間を超えて息も切らさず見せるのだが、トップにはクレジットされていない秦昊、ミシェル・チェンら(トップクレジットの宋佳ももちろん)、大人パートの迫力がありすぎて、若者パートでヒ―ロー、ヒロインであるはずの楊と