【勝手気ままに映画日記】2021年11月
11月27日 雲取山(20年ぶり)頂上近くからの富士山 珍しく集団写真!(雲取山頂) |
こちらは13日丹沢・権現山から |
①ナイルの娘 ②我が心の香港(好好拍電影・Keep Rolling)③男人四十④劇場版 きのう何食べた?⑤モーリタリアン 黒塗りの記憶➅冬の光⑦ファイター・北からの挑戦者➇COME&GOカム・アンド・ゴー⑨スイート・シング⑩明日に向かって笑え!
映画祭後に見た映画10本(12月1日まで)をのせます。中国語圏映画は、①②③と➇もまあそうかな? ★はまあまあ。★★はうん!というところ。
①ナイルの娘
監督:侯孝賢 出演:楊林 高捷 楊帆 辛樹芬 李天禄 呉念真 1987台湾93分
昔、一度は劇場で見たはずだが、今年、またここ数年の侯孝賢特集では時間も合わずまたあまり食指もそそられずで見損なっていたので、下高井戸特集上映を見に行く。ウーン、なんか前に見た印象とちょっと違った…もうちょっと素朴なつくりのような気がしていたが、『恋恋風塵』のあと会社も変わり、それまでの無名役者からこの映画は当時アイドル歌手?だった楊林や有名俳優を使って取るようになった都市映画ー雰囲気で言うと『憂鬱な楽園』や『THREE TIMES』の3番目現代編みたいな感じ?
まだ高層ビルも少ない当時の台北のいかにも台湾っぽい極彩色ネオンの中の男女(肩パッド入り80年代ファッション!)とか、向こうに入口が白く切り取られた侯孝賢スタイルの家屋内描写の中でたたずむ祖父や、食卓に向かって勉強する小学生の妹、それに当時としては相当おしゃれな店だった(でも今のファストフードと大して変わらない)ケンタッキーの店とかなんか、そこに泥棒ーホストクラブ経営の兄、そこで働くヤクザな恋人、台中で働く父らの世話を焼きつつ母亡き家庭を支える娘、チープにパンパンと拳銃が撃ち放され、なんか中途半端なヤクザ映画のようでもあり、ちょっと混沌の時代の侯孝賢という感じが一種の懐かしさも呼ぶような映画だ。 (11月11日 下高井戸シネマ 252)
②我が心の香港(好好拍電影・Keep Rolling)
監督:文念中(マン・リムチョン) 出演:アン・ホイ(許鞍華)2020香港 110分
とにかく、とにかく映画を作る、作り続けるアン・ホイ。今年の大阪アジアン映画祭のオープニング上映として『映画をつづける』という邦題で公開されたが見損ない、ようやく見る。この映画が撮影されたのは2017年製作の『明時幾時有』(未見)撮影中〜後の3年くらい前で映画の中で1947年生まれのアン・ホイは70歳を迎える。
未だ香港は『逃亡犯条例』ができる前(直前)だと思われ、この映画に描かれる香港には中国の圧政の影は見られない。ただアン・ホイの映画製作が香港市井の人々やドラマを描いた『桃さんのしあわせ』(2011)以後『黄金時代』(2014)からは文芸・時代もの、香港だけでなく大陸を舞台にした作品に舵を切り替えてきたようなのが気になってはいたところで、この映画ではそこについて彼女の文人としての資質というか教養がベースにあるからとするが、ウーン、やはり香港情勢の中での生き残りを考えてのことなんだろうと思えてならない。
映画の中で「香港で映画を撮り続ける」というような言辞はあるのだが、中国・東北(鞍山で生まれたので鞍華だそう。マカオ生まれの妹は曼華)で日本人の母をもって生まれ、マカオで育ち香港に、やがてイギリスに留学もした彼女は香港に根を下ろすとはいっても、本当に生まれながら香港しか知らず香港だけで生きている香港人とは(愛着がないとは言わないが)ベースが違う。それが今までの映画の中で香港の暮らしを描きながら、少しはみ出しているというか客観性もある、いわばデラシネ気質のようなもので映画を支えてきたように感じる。そういう点ではOAFF当時の題名『映画をつづける』は何があっても「自分の映画(香港のではなく)』をつくるという意欲を表しているようで、今回の『心の香港』というのは、現代情勢と製作者や周辺の心情に寄り添いすぎた惹句的命名だなあと思わされた。
しかし、アン・ホイ映画、映画祭ではあっという間に売り切れ製作陣には日本人も加わっているのにもかかわらず、なかなか日本での劇場公開にならない。昨年の東京国際ではあっという間?の切符売り切れで見損なった『第一炉香』も坂本龍一音楽・ワダエミ衣装の張愛玲原作(こうなるんだなあ…今のアン・ホイは)ベネチアとかへの出品もされている作品だから、すぐに日本劇場公開もあると踏んであきらめたのだが、全然気配もない?のが残念(まあ、予告編を見ると予想通りという雰囲気でそれほど心惹かれるというほどでもなさそう??な気もするのだが)。
本編では話すたびに自分をあざ笑うかのように笑うアン・ホイ、チェーン・スモーカーぶり、そして多分90歳を超えている母を丁寧に面倒を見ている私生活が印象的だった。徐克、呉念真、侯孝賢、楊凡、ジョセフィーン・シャオ、アンディ・ラウ、フルーツ・チャン、厳浩、舒琪、カリーナ・ラム、杜篤之といった面々がこもごもに彼女について語っている。(11月12日 新宿K’Sシネマ 253)
本編では話すたびに自分をあざ笑うかのように笑うアン・ホイ、チェーン・スモーカーぶり、そして多分90歳を超えている母を丁寧に面倒を見ている私生活が印象的だった。徐克、呉念真、侯孝賢、楊凡、ジョセフィーン・シャオ、アンディ・ラウ、フルーツ・チャン、厳浩、舒琪、カリーナ・ラム、杜篤之といった面々がこもごもに彼女について語っている。(11月12日 新宿K’Sシネマ 253)
③男人四十
監督:許鞍華(アン・ホイ) 出演:ジャッキー・チュン(張学友) アニタ・ムイ(梅艶芳) カリーナ・ラム(林嘉欣) ショーン・タム(譚俊彦) 2002香港 103分
昔、香港製のDVD(VCDだったかも)で見たきり多分16,7年ぶりの劇場上映は結構満員で、さすが!というところ。高校の真面目な古典の先生の中年クライシス?ともいうべき小悪魔的な女子生徒に翻弄される話とだけ覚えていたけれど、今回見るとそれに妻の高校時代の恩師とのいわば同じような事件が重なり、つまり息子の出生問題も絡むというわけで、穏やかな終わり方が驚きであるほどのドラマティックな事件はらみの展開だったのだ。小悪魔役カリーナ・ラムはそうそうこのころ何となくもさっとしてあか抜けない感じだったけれど、先般台湾映画『アメリカン・ガール』では立派な母役であったし、今は亡きアニタ・ムイの普通の母ぶり妻ぶりも(この映画のほんのちょっとあと、1,2年後にはは亡くなったことを想うと儚さも感じる)懐かしい、時の流れを感じさせる1本ではある。(11月12日 新宿K’Sシネマ 254)
大山(左端)手前の浅間山〜高取山〜念仏山〜善波山〜弘法山〜権現山のミニ縦走11/13 |
④劇場版 きのう何食べた?
監督:中江和仁 出演:西島秀俊 内野聖陽 山本耕史 磯村勇斗 松村北斗 田中美佐子 田山涼成 梶芽衣子 鷲尾真知子 2021日本120分 ★
よしながふみのマンガ原作、TVドラマにもなったがこれは未見。明るいゲイ・ムービー、料理映画に見えて、ともに暮らす男たちもまさに中年を迎え、老いを感じ始めるー前半、後半、どちらも相手の「異変」にもしや死病にかかっている?とおびえるところがおかしくも物悲しく、日本のゲイカップルももはや若くはないのだと思い知らされる。そして親世代はもはや老いていき、その看取りなども考えなくてはならないという状況が描かれている。一方磯村勇斗や松村北斗が演じる若手は,オジサン世代と対比してあまりにドライというか言いたい放題のノン・シャラン(古いけど本当にそういう感じ)で振り回されつつ感嘆する彼らというわけで、へんてこな若者を敵視しないところも「良さ」かも。ま、全体的に深入りせず、品よく、コメディカルにしあげているので、裏にある深刻な社会問題?の割には疲れない映画だった。(11月15日 府中TOHOシネマズ 256)
⑤モーリタリアン 黒塗りの記憶
監督:ケヴィン・マクドナルド 出演:タハーム・ラヒル ジョディ・フォスター ベネディクト・カンバーバッチ シャイリーン・ウッドリー 2020英(英語・アラビア語・フランス語)129分
予告編ではゴールデングローブ助演女優賞を獲ったジョディ・フォスターが強調されていたが、やはりこれは主演男優賞のタハム・ラヒルの映画というべきではないかなあ、911テロの実行者を集める役を担ったとして、グワンタナモ収容所に収容され実際の証拠もでないまま審問、最後は拷問も含め過酷な日々を未決の囚人として過ごす、ある意味では受身の単調な暮らしとも思われるがスゴイ迫力。
実話ベースで、実在の14年間無実で投獄されていたモハメドゥ・ウルド・スラヒの手記が元なので、まあ話もしっかりしていて、逆にジョディ・フォスター演じる弁護士や、政府―軍側で彼の起訴を命じられる中佐(ベネディクト・カンパ―パッチ)がヒロイン、ヒーローというより堅実な調査者に見えるところがハリウッド映画とは違うこの映画の良さかもしれない。最後は最近のはやり?で実物のモハメドゥ・ウルド・スラヒ(14年の拘禁後、故郷モーリタリアに戻り、アメリカ人弁護士と結婚し子どももいるそう。演じたタハム・ラヒルよりよほど軽く明るい感じで、エンドロールでボブディランを歌ったりしている)や訪ねた弁護士の二人との再会やその後の弁護士たちの行動とかも出てきて、ふーん。まあそちらの方がどちらかというと面白いと言えないこともなかったかな。911をめぐるアメリカ政府―軍の闇とともに、良心も描かれていて双方向映画という感じもする。(11月15日 府中TOHOシネマズ 256)
➅冬の光
監督:イングマール・ベルイマン 出演:グンナー・ビョルンストランド マックス・フォン・シドー 1963スェーデン 82分
残り少なくなった早稲田の授業日、午後ちょうどよい時間(早すぎず遅すぎず)に早稲田松竹の、このプログラムを見つけて、うん、これは未見…と久しぶりに見に行く(以前は自販機・自由席だったチケットが、しっかりブースに仕切られた係の方の手ずから赤鉛筆で座席指定してくれる方式に変わっている。ああ。コロナ影響もここまでかと感慨)
映画は案内によれば「神の栄光を解き続ける牧師の苦悩を通じて、「神の沈黙」を描く…自伝的要素を反映した作品」だというのだが…。確かにモノクロで描かれた北欧の情景は厳しく簡素な感じで、そこに現れる牧師や彼に心を寄せる女教師も含め登場人物もいかにも敬虔・素朴という厳しい表情なのだが、私には牧師のミソジニー的言動と、それに怒りや抗議を示しつつ、やはり彼が好きだとすり寄る?女性とがともに理解を越えて不愉快にも感じられ50年以上前の作品とはいえ、やはり古びた感は否めないと、まったく芸術的ではない感想しか抱けず。女性の湿疹のできたという手の包帯をほどくシーンとか、自殺した男の遺体を運ぶシーンとかも妙に生々しい描き方で、多分効果をあげているのだろうとは思いつつキモチ悪い。(11月18日 早稲田松竹257)
⑦ファイター・北からの挑戦者
監督:ユン・ジュホ 出演:イム・ソンミ オ・グァンノク ペク・ゾビン 2020韓国 104分 ★
脱北者の若い女性ジナが、偶然ボクシングジムの清掃・片づけに雇われ、そこで北の軍隊時代に経験したボクシングの能力を見出されて、理解のあるジム・オーナーや彼の片腕であるトレーナーのバックアップを受け、プロボクサーとして成長していく。
話そのものはボクシングものというより、支援センターを出たあと住む部屋の世話をしてくれた不動産屋の社員がストーカーから強請り屋に変貌したり、何より夫と娘に先んじて脱北し、韓国で新しい家庭を持ってすでに中学生?ぐらいの娘もいる母に対するジナの確執とその後のいきさつにプロデヴューに先立つ試合を絡めたりして、脱北者の若者の孤独とそれに抗おうとする頑張りと、何よりもジムの二人の温かさが程よい人情ドラマを醸し出していて、なかなか感じの良い1本に仕上がっている。それにしても3種類くらいのパーカーとパンツ、化粧っ気もない感じで、あたかも少女のようにも見える女優の化けぶり?には感心した。いかにもそれらしいふうになっている。(11月18日 新宿シネマ・カリテ 258)
➇COME&GOカム・アンド・ゴー
監督:リム・カーワイ 出演:李康生 リエン・ビン・ファット J・C・チー モウサム・グルン ナン・トレイシーゴウ・ジー イ・グアンス 千原せいじ 渡辺真起子 桂雀々 兎丸愛美 2020日本(日本語・英語・韓国語・中国語・ベトナム語・ミャンマー語・ネパール語など)158分
大阪アジアン映画祭の「顔」?という印象のあるリム・カーワイが大阪を舞台に撮った群像劇。ある立て込んだ住宅街の一軒で白骨化した遺体が見つかったという1日(朝〜翌朝まで)の、約15人〜20人のいろいろな国からきて大阪にいる人々、また日本人たちの出来事を、断片を繋ぎ合わせる形で描くので、最初はそれぞれのパートの関係がどうなっているのかもわからず、おもに出稼ぎタイプの貧しい外国人と、逆にまあまあ豊かで日本観光に来ているような中国人ツアーの人々とか李康生演じる台湾人AVオタクの観光客とか、マレーシアからのビジネスマン、日本人も行き場なくさまよっているような人から、刑事や日本語学校の教師など雑多に貧富も入り乱れ、どうなっていくのかと思わされた。だんだん彼らの関係性が見えてきて、そして貧しい人が救われるとか、観光客がどうとかいうことはないものの、そこにできた関係性そのものが最後にミャンマーからの貧しい留学生の眺める桜の花に結実するといちょっと向日性も感じさせる仕上げになるほど!感あり。
中国人と台湾人が知り合って飲みに行き、ウェイチャット支払いを喧伝し、現金支払いの残る台湾も日本も遅れているという北京人に、台湾人(これが李康生)が反論して口論になるが、最後はまあ仲を回復して一緒に銭湯に行くとか、日本らしさも加えながら作者の三国感とそこへの希望も出ているみたいで、面白い。刑事の妻の日本語教師と、歌の上手いネパール人の日本語学習者の青年の不倫も、ーこの青年勤務先の金を盗んだとして警察に連行されてしまうが、この無実の罪だけは結末が見えないのは???他はなんかそれぞれに終結する描き方なのだけれど。
それにしても158分は長い。それと大阪舞台なのに大阪弁がしっかり出てくるのは桂雀々が登場するパートだけ?という感じー外国語訛の日本語が多くこれが共通語っぽいのはやはり日本語教育の弊?と思わないでもないが)なのも、まあ多国籍、非ローカルな大阪を描いたという意味では仕方がないのかな?(11月24日 ヒューマントラスト渋谷 259)
⑨スイート・シング
監督:アレクサンダー・ロックウェル 出演:ラナ・ロックウェル ニコ・ロックウェル ウィル・パットン カリン・パーソンズ 2020米91分 ★★
父は子への愛情はあるものの酒におぼれ、時にその愛情がとんでもない方向に(娘の髪を無理やり切ろうとしたり)、母は家を出て他の男と暮している。そんな15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコ。姉は弟の面倒を見、弟は姉を慕う(11歳にしては少し子どもっぽい描き方)。酒のトラブルで父は強制入院させられることになり、姉弟は海辺の母の男の別荘に。ところがこの男も暴力で母子を従わせようとするヤツで、そんな男に母は依存している。姉弟は家を出、海辺で知り合った少年マリクと3人でマリクの父がいるというフロリダ目指して歩き出す…というような、親の生き方の破綻により悲惨な目に合う子どもたちの話で、モノクロのザラザラした画像も決して明るくないしが、映画そのものは意外な明るさというかエネルギーに満ちているのはやはり子供たち、とくにステキな少女ビリーの魅力によるのだろうか。ビリー・ホリデイ好きな父がビリーと名付けたこの少女の背後には時にビリー・ホリディが現れ彼女を見守り支えるーそれを含むビリーの夢のシーンのみカラーになったり、そして家出の逃避行でありながら、無人の邸宅に忍び込んで大騒ぎをしたり、トレーラーハウスに住む老夫婦の親切を受けたかと思うと翌朝のマリクの悲劇!まで、さらにその後も含め案外ハッピーエンドに…というところも、希望があるわけではないが淡々と楽しむ姉弟というふうで救われる感じがある。姉弟は監督自身の娘と息子、母イブを演じているのも監督のパートナー、また撮影スタッフはニューヨーク大学で教鞭をとる監督自身の学生たちだそうで、若い世代を率い支えられながら久しぶりに映画を撮ったというこのインディーズの巨匠のしあわせな人間性が現れているのかもしれない。(11月30日 新宿シネマカリテ 260) ⑩明日に向かって笑え!
監督・脚本:セバスティアン・ボレステイン 出演:リカルド・ダリン ルイス・ブランドーニ チノ・ダリン ベロニカ・シナス 2019アルゼンチン(スペイン語) 116分 ★
7月の『映画で見つめる世界の今』(BS1藤原帰一)で紹介されて、見たいと思いつつ期をのがし、ようやく下高井戸シネマへ。なるほどね。種々の紹介や映画チラシも含め、痛快とはあっても、本筋は2001年の経済危機の中、集めた農協資金を失った人々が、いかにどん底から再起するかみたいな社会派ドラマなのか、と思ったら、まあその味わいもなくはないものの、基本は悪人(危機に乗じて銀行に預けられた現金を合法的に自分のものとした悪徳弁護士)が農場の真ん中の林の中に作った隠し金庫から現金を取りもどすという『オーシャンズ』を思い起こさせるような、知恵と技術の集結を楽しむサスペンス・アクションだった。とはいえ、ちょっとジョージ・クルーニーを彷彿とさせる主人公フェルミン(リカルド・ダリン)は引退したヒーローサッカー選手で格好はいいが、危機に陥って逆上した運転での交通事故で妻を死なせ、自らも大けが、息子が大学から戻ってチームに加わるが、最後まで時に弱気という一種情けないところも見せ、チームの中心メンバーはそろってそうそうたる中高年というよりむしろ老人の風格だし、若者たちはそのリーダーシップに従いそれぞれなりの活躍をするが見せ場が派手にあるわけでなく、おまけに最後に至って取り返した(というか過分に盗み出した)現金を持ち逃げするやつも現れと、けっこう渋かったり苦かったりという展開もあるところが、「社会派」の由縁ということになるのだろうか。
最後は無事に農協が設立され、息子のちょっと難しいかと思われた恋も成就し、穏やかな日常が映し出されるという丁寧なつくりの2時間弱は長さを感じさせなかったのも立派!
(12月1日 下高井戸シネマ 261)
(12月1日 下高井戸シネマ 261)
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