投稿

12月, 2018の投稿を表示しています

【勝手気ままに映画日記】2018年11月

イメージ
①恋とボルバキア②29+1(劇場版)③十年④日々是好日⑤名前⑥1918劉以鬯⑦東西 BOUNDARY 也斯⑧無名之輩⑨你好,之华·⑩ゲンボとタシの夢見るブータン ⑪エンジェル、見えない恋人  ①恋とボルバキア 監督:小野さやか 出演:王子 あゆ 樹梨杏 蓮見はずみ 井上魅夜 相沢一子 井戸隆明 2017日本 94分 そもそもはTVの『僕たち女の子』と題された深夜ドキュメンタリーで女装する男性を描いたのがきっかけで劇用作品に発展した映画ということのよう。若い女性監督は自らカメラを担ぎ、自費で5年近くにわたってあちこちを飛び回り彼ら(彼女ら)を追ったとのことで、時間も長いし、全体の雰囲気としても劇映画のような統一的な物語の流れがあるわけではないが、その混沌が納得という感じのドキュメンタリー。表記出演者たちは、身体的に両性具有的な要素を持った人、性同一障害として自身の男性という性に違和感を持って生きてきた人、女装はするが性認識は男性だという人、また、女性性を生きようとする元男性だが自身がレズビアン(女性を愛してしまう)であることに気づく人などさまざまで、トランスジェンダーとかクロスジェンダーとか、あるいはクロスドレッサーとかいってもそれぞれが違うひとくくりにはできない存在である(年齢もさまざまだし)ことを強く感じさせられるとともに、どんな存在であっても自らの愛や感情を貫こうとするものすごく真面目な意識の持ち主たちであるのだなということは強く感じさせられる。性的には一応「ストレート」だと思っている自分はそういう意味では実に不真面目で「性愛」なんて信じてないところもあるしなあ…。ともやもやも残りながら…。 川崎市の「しんゆり映画祭」でみた1本。新百合ヶ丘は「日本映画学校」の拠点で、小野監督もその卒業生。しかし内輪こじんまりの映画祭なのでトークショーがやたらと長く内輪話みたいなのと、監督へのプレゼント贈呈とか、悪いけど余計な儀式?が多くて疲れる。映画だけで勝負しようよ、語ろうよというところ。「ボルバキア」は雄雌変異するというバクテリアの一種だとか。なるほど!の題名。 (11月2日 川崎市アートセンター・小劇場 しんゆり映画祭) ②29+1(劇場版) 脚本・演出・出演 キーレン・パン(彭秀慧) 出演:ベン・ヨン(楊尚斌)

第19回 東京フィルメックス 2018/11月

イメージ
①期待②象は静かに座っている③幻土④幸福城市幸福城市⑤轢き殺した羊⑥8人の女と1つの舞台⑦シベル⑧夜明け ああ忙しい、忙しいといいながら、仕事の合間を縫って駆け回り、時間が合うことを優先に?(でも中国映画はやっぱり押さえておきたいし…)ということで、なんとか8本押さえました! 前半が終わったところで、中国へ旅行、帰ってきたらすぐ仕事においまくられ、でアップが遅くなりすみません。 ①期待 監督:アミール・ナデリ 出演:ハサン・ヘイダリ ソフレ・ガフレマ二  1976イラン 43分 初期作品として特集上映。イラン南岸の小さな町で祖父母と暮らす少年。パンツ1枚の裸で駆け回り祖母に言いつけられて水くみや買い物などの用事をする。家の棚に陽ざしを浴びて輝くガラスの鉢。少年の歓びは祖母の「氷をもらっておいで」ということば(セリフはこれが2階と、「氷をもらってきてもいい?」と祖母に聞く1回のみ)従ってガラスの鉢をもち氷を買いに行く。大きなドアからは手のひらをヘナで赤く染めた手がでてきて鉢を受け取り氷を入れて返してよこす、その氷の溶けた水を大事そうに飲むのも歓び、それらを通して赤い掌でしか会ったことのない女性への若い少年の性的な憧れみたいなものも描かれる。繰り返し繰り返し描かれるのがナデル映画らしさだが、それはすでにこの映画にもたっぷり。間に男たちの宗教的な祭り?や家の中での女たちの狂ったような祈りの儀式も描かれ、一つ一つの意味については実のところよくわからないのだが、自然光だけで描かれた美しいというよりくっきり印象的な、現実とも夢ともつかないような街全体をつつむ渇望の世界に引き込まれて行く。 (11月18日 有楽町・朝日ホール) ②象は静かに座っている 監督:胡波 出演:章宇 彭昱暢 王玉雯 李从喜 2018中国 234分 暗い!長い!重ーい!ただきわめて力のある、というか力の入った映画であるのは確か。それが長所でもあり、ここまで書き込む必要があるかと思わせるような「短所」?でもあるのかなと思う。4人の登場人物、携帯が盗まれたの盗まれないのという争いから友人と争い、はずみで友人が階段から落ちて大怪我?した高校生、その級友の女子高校生は副主任の教師と不倫。2人の写真がSNSでばらまかれ窮地に。高校生と街で偶然会い、家出して金がほしい高校生に