【勝手気ままに映画日記+山ある記】2025年7月
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晴天・無風(したがって猛暑)の火打山・影火打 7・20 |
まだ「中途版」ですが、改訂upしています!これから山も映画も月末に向けて、出かけるごと、見るごとに更新していきます。よろしければおつきあいください。
完成版は7月末~8月初めになります。またお知らせしますね。
【7月の山ある記】



2日目 朝ごはんは残念ながらやはりあまり入らない/外は大雲海-富士山が見える/小屋周辺
横岳頂上へ
コマクサの大地?はちょっと見にくい⤵ 以下2枚のコマクサは同行のSEKIHIROさん撮影を拝借しました⤵なんともステキな写真!
硫黄岳を下った赤岩ノ鼻あたり…

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⑲ 7月2日 高尾山(⑲は今年19回目の山行ということです)
高尾病院裏(9:30)➡琵琶滝上➡2号路・3号路・5号路➡もみじ台入り口(11:20)➡高尾山頂上(599m・11:30〜11:55 とろろそばを食べ、ビジターセンターをちょっとだけ見学)➡4号路・1号路(リフト上で長休憩昼寝もちょっと)1号路➡清滝駅(ケーブルカー駅 13:30)➡極楽温泉でゆったり(~16:07電車まで2時間近く)
4h15m 6.5㎞ ↗505m↘503m 130-150%(ヤマップ)
展望台から、今日は富士山見えず…/山上の名物とろろざるそば
熱暑の平日、頂上付近はこんな感じでガラガラ…それでも登っていた人30 人くらい?はいたが…6月18日の焼岳からはや10日余り、暑さのなかでゴロゴロ暮らしていると体がおかしくなってくる??というわけで天気予報をみながらあまり暑くなさそうな曇り日?を選んで近くの高尾山に熱暑訓練をかねて今年4回目(かな?)。3月以来相変わらず稲荷山は通行止め、6号路も行きだけの一方通行(前回はセッコクをみたいのでここを登った)というわけで高尾病院の裏から登り、琵琶滝からのコースとぶつかる2号路(らしい)を登る。ここは高尾山唯一の中級登山路だけれど、暑さですでに汗みどろ、何人にも追い越されながらハアハア上る。
3号路の比較的平らな道にでて何とか元気を取り戻し、それからはまあまあ順調に進んだが、出だしの不調はまたかという感じで、この夏の克服事項というか留意事項というべきか。
ともあれ、なんとか暑さをしのいで、珍しく山道ではなくアスファルトで固めた参道(1号路ーやはり硬いし照り返しもあるしきつかったが)を下り、14時前極楽温泉に駆け込んでのんびり「湯治」?元気を取り戻して夕刻帰宅の1日だった。
⑳7月11日〜13日 八ヶ岳〜赤岳〜横岳〜硫黄岳
7・11 新宿発⇒八ヶ岳山荘(11:00 仮眠泊)
7・12 八ヶ岳山荘(6:00)・美濃戸口登山口➡赤岳山荘(6:56)➡美濃戸登山口(7:00〜7:22)➡行者小屋(10:14)➡赤岳(2899m 12:42〜13:19)・赤岳頂上山荘(13:40)➡赤岳天望荘(14:16 泊) 8h10m 8.3㎞ 28000歩
7・13 赤岳天望荘(5:30)➡地蔵の頭(5:37)➡石尊峰(6:35)➡横岳・三叉峰(2825m 7:03)➡横岳・無名峰(2826m7:16)➡横岳・奥ノ院(2830m 7:23〜8:23)➡台座ノ頭(8:17)➡硫黄岳山荘(8:42〜9:09)➡硫黄岳(2760m 9:33〜10:03)➡赤岩の頭(10:18〜10:31)➡堰堤広場(13:05)➡美濃戸登山口・美濃戸山荘(13:47)➡赤岩山荘(13:58)➡八ヶ岳山荘・駐車場(14:42) 9h8m 11.9㎞ 36000歩
昨年7月7〜8日には、硫黄岳側から登って横岳、赤岳と縦走するはずだったが風速15mという強風のため、硫黄岳山荘に泊まった朝、横岳方面を断念して撤退した、その赤岳、今回は反対側からまずは赤岳に登り、頂上下の赤岳天望荘に泊まって2日目横岳〜硫黄岳というコースでの、やっと登れたリベンジ縦走登山。
今回は12名(m4?)のYKツアーで、ガイドは現地ガイドのTさん。添乗員は六甲山縦走(10月)、車山・美ヶ原スノーシュートレッキング(12月)に続いてのベテランOMさんと、新たにYKガイドデビューするというSNさん。3人でしっかりフォローしてくれて、けっこうなハードコースだが、なんとか無事に歩ききることができた。
2日間のコースタイム合計
以後写真で綴ります!
1日目 最初は苔の中を歩くこんな道…出だしまもなく、突然に声をかけられる。え?去年夏唐松・五竜(風撤退)にご一緒したツアー仲間だった。お連れ合いと一緒に日帰り?登山とのこと。こんな出会いもあるのが楽しい。そんなわけで最初は快調だったのだがウーン、単調だからか、暑さからか?途中からけっこうバテる↓
ようやく、これからのルートが見えてきて、そして後半は岩登り。これは案外楽しく登れて、ようやく復調という感じだった。↓![]() |
赤岳山頂! さて、下って今日泊る天望荘を下に見るが、最後のザレ場の急下り…私は最近こういうのを下りることも多くて勝手にストックも1本使って楽勝だったが、皆さんけっこう苦戦だった?みたい。 |



2日目 朝ごはんは残念ながらやはりあまり入らない/外は大雲海-富士山が見える/小屋周辺
横岳にはすぐに岩場と、絶景が続いて爽快/岩場に咲くニガナとイワギキョウ
コマクサの大地?はちょっと見にくい⤵ 以下2枚のコマクサは同行のSEKIHIROさん撮影を拝借しました⤵なんともステキな写真!
1年ぶりの硫黄岳にも無事にたどり着いた!爆裂火口?は残念ながら逆光
硫黄岳上からの久しぶりのピークファインダー撮影↓
ちょっとわかりにくいが、硫黄頂上へのルートには霧対策?のケルンが立ち並んでいる↓


ヒカリゴケ/最後に立ち寄った赤岳鉱泉でジェラートとコーヒーで腹ごしらえ…
今回も胃の調子はイマイチでようやくここで少し食べられた…という感じ⤵
山と花の写真集はこのページの末尾に載せます。
⑮アジアのユニークな国
⑭トレイン・スポッティング
⑬タンデム・ロード
⑫桐島です
⑪黒川の女たち
➉おい、太宰 劇場版
⑨フェミニスト・インシャラ― アラブ・フェミニズムの歴史を語る
⑧スーパーマン
⑦フォーチュンクッキー(Fremont)
⑥それでも私は
⑤ハルビン
④灰になっても(寧化飛灰 Rather Be Ashes Than Dust)
③夏の砂の上
②ローマ法王になる日まで
①突然君がいなくなって
「十二曲り」ジグザグの急な登りの道標群(これで意外に楽に登れる)
ヤグルマソウ/マイヅルソウ(左)とゴゼンタチバナ/ズダヤクシュ
ミゾホオズキ?/ツマトリソウ(左)とゴゼンタチバナ/イワハゼ
岩ゴロゴロの道が続き/黒沢山を横に見て/ツボスミレの群落も…
カラマツソウ/キヌガサソウ/サンカヨウの花



小屋を見ながら天狗の庭に/イワイチョウとハクサンコザクラ?/イワイチョウ群落
ニガナ?/イワイチョウの花
雪渓の見える山と手前はワタスゲの原/雪渓もちょっと越え/火打山登頂!



火打山頂上/ピークファインダーも今回はバッチリ
ウサギギクかな?/高谷池ヒュッテから黒沢池ヒュッテへ/途中にシャクナゲが…
黒沢池ヒュッテ/夕飯はごはん以外は何とか入る。コーンスープがついて美味しかった。
最後に花の写真集(見た場所は色々ですが…)
7・19 長野駅⇒笹ヶ峰登山口(11:30)➡高谷池ヒュッテ(2100m 16:43 泊)5h10m 5.6㎞ ↗834m↘34m 18000歩
7・20 高谷池ヒュッテ(6:55)➡天狗の庭(7:24)➡火打山(2461m 9:08)➡天狗の庭(11:06)➡高谷池ヒュッテ(11:30〜12:40)➡茶臼山(13:14)➡黒沢池ヒュッテ(13:56 泊)7h1m 7.6㎞ ↗515m↘618m 20000歩
7・21 黒沢池ヒュッテ(5:00)➡大倉乗越(妙高外輪山5:40)➡妙高山北峰(2446m 8:45〜9:35)➡妙高大神・妙高山南峰(2454m 9:36〜55)➡光明滝(13:50)➡燕温泉登山口(14:53)9h47m 7.1㎞ ↗595m↘1491m 22000歩
「北信五岳」はすでに登ったものも、これからなのもあるけれど、できれば全山踏破をめざしたい。百名山などは望むべくもないのだけれどそんな希望を抱いて、今回はその一つ妙高山(「北信=北信濃」といいながらなぜかこの山は新潟県)に「ゆっくり登る」と銘打ったCTツアーに参加した。
参加者は16名(m4人)、ガイドはともに地元中心に活動をしているというベテラン男性のMさん、若い女性Tさん。添乗員もベテラン?でも私は初めてかもしれないKさん(f)。「ゆっくり」としているせいか、参加者はわりと高齢者が多い感じがしたが、大変行き届いたお世話をいただき、ま、ちょっとペース的にはゆっくりすぎるという感じもしなくはなかったが、ゆったり満足のいく山行ができた。
ただしいつもながらに胃の不調を抱える。初日は問題なく夕飯の高谷池ヒュッテの名物カレー&ハヤシライスも軽くとは言いながらおかわりもして美味しく味わったのだけれど、2日目朝食くらいから食べ物が入りにくくなって胃薬でなだめなだめ、山行の途中で行動食(いつもながらのバナナチップス・乾燥フルーツ(今回はイチジク)・ゼリーを取るとさらに具合悪く、前々回(焼岳)同様、薬を飲んであえてエズいて落ち着かせる。そんな感じで午前中の火打山往復はちょっとつらかった。晴天無風の猛暑で水分はしっかり取っていたものの、やはり暑さのせいか…。
昼前高谷池ヒュッテに戻って弁当のおにぎりはさすがに入らなかったものの、カフェで頼んだチャイ(ミルク仕立てのホット700円)がとても美味しく、15分ほどだったが昼寝もして元気を取り戻す。その後はまあまあ、この日はすぐに1時間ほどの黒沢池ヒュッテに移動で、たっぷり休む。そして黒沢池ヒュッテの夕食は米粒以外は一応OK(実は内緒でしっかりおなかにおさまる缶ビールも1本)。朝はこれも名物クレープで、1枚だけは何とかおなかにおさめることができて出発。2日間ともお湯は買えたのでミルクティーを作って持って行き、カロリー補給はこれも手助けにする。黒沢池ヒュッテの弁当はレトルトの五目御飯と赤飯で、ほかほかに温められたのが配られるので、痛む胃にあててほ…。山の上では食べる自信がなかったが、時間ギリギリで飛び乗った帰りの新幹線の中で弁当がわりに食べることができ、ア、こんな弁当もなかなかいいなと思った。
3日間のコースタイム合計
21h58m 20.5㎞ ↗1958m↘2144m コース定数47(きつい) 平均ペース70-90% (ややゆっくり)《データはヤマップ》
めずらしくしっかりおかわりもした、高谷池ヒュッテと夕飯のカレー&ハヤシライス、デザートは杏仁豆腐
こちらは1960年代著名な建築家・登山家が建てたという、宇宙船みたいなユニークな黒沢池ヒュッテの前で/朝ごはんはこれもユニークに自家製クレープ(ジャム)・コンソメスープ・コーヒー・フルーツとなかなか豪華でした!
【7月の映画日記】
①突然君がいなくなって②ローマ法王になる日まで③夏の砂の上④灰になっても⑤ハルピン⑥それでも私は⑦フォーチュンクッキー⑧スーパーマン⑨フェミニスト・インシャラ―➉おい、太宰 劇場版 ⑪黒川の女たち⑫桐島です⑬タンデム・ロード⑭トレイン・スポッティング⑮アジアのユニークな国
⑮アジアのユニークな国
監督・脚本:山内ケンジ 出演:鄭亜美 岩本えり 金子岳憲 岩谷健司 2025日本77分
ウーン。なんというか…題名にひかれて見にいったのだが、そうねえ、やはりこういうステュエ―ションは他のアジアにはないのかな?映画の中で、コロナが終わり安倍晋三が死んでも何も世の中が変わらない日本への失望から「日本は小規模?なアジアの中でもユニークな国を目指すべきだ」というようなセリフがあって、そこから見たいなのだけれど…。性と政治を描いたというこの映画、性の部分はけっこうなハードポルノ?で、男優も女優も全裸の体当たり、まことにご苦労様というしかない感じ。1階に伏す夫の父の介護をしながら、2回の寝室に客を招き入れ違法風俗をする専業主婦曜子が主人公で、舅は見て見ぬふり、夫は知らず、向かいの家の主婦だけが窓からのぞいて気にせざるを得ない状況に心を狂わせてしまうほどに悩む。ーが、彼女が思い切って地域の巡査に告発すると、逆に彼女の異常性の方があぶり出されてしまうような警官の対応が不気味にあったり、安倍晋三のサポーターだったといういかにも見かけのいい若い客に対する曜子の反応(そもそもに性風俗の客に対して安倍晋三批判をとうとうと?語る曜子の政治性のありようの不思議さ?とか、「本番」は許さない曜子にただ一人「許された」客の家庭生活まで活写?してなんかむずむずおかしいんだけど気色もっ悪いというような、この国の「ユニーク」な姿…(7月26日 ポレポレ東中野186)
⑭トレイン・スポッティング
監督:ダニー・ボイル 出演:ユアン・マクレガー ロバート・カーライル ユエン・ブレムナー ジョニー・リー・ミラー ケリー・マクドナルド 1996 イギリス 93分
アイルランド版トレインスポッティングといわれる『ニー・キャップ』(リッチ・ペアピット)の公開前に、本家?『トレイン・スポッティング』の特別上映(1600円均一料金)の限定期間公開をしていると知って、急遽見に行くことに。懐かしい(どちらも細身の)ユアン・マクレガー、ロバート・カーライルの出世作?でもある。スコットランド舞台のなんていうか、公開時はけっこう衝撃場面?の多い無軌道青春映画だった。マクレガー扮する主人公レントンの糞まみれ・ヘロインまみれといいながら案外にマジメ・繊細な造形とか、それに対する仲間の青年たちの、なんかクイアっぽいというか無反省な無軌道振りとそこに起こる悲劇的人生とかが対照的で、からむ中年(親世代)のあまりにも普通の中年ぶり(体形も行動も)とかのアンバランスの不安が、やはり印象的ではあるが…。この青年たち、30年後の今、滅びているのか、それとも親たちのようなフツウの中高年になっているのか、そんなこともふと考えさせられる…。レントンがヘロインの禁断症状の中で見る友人たちや死んだ赤ん坊の映像のマンガ的不気味さもあいかわらずの印象ではある。(7月25日 新宿シネマカリテ 185)
⑬タンデム・ロード
監督・撮影:滑川将人 出演・撮影・アニメーション:長谷川亜由美 2025 日本 119分
旅は約10年前、東日本大震災直後(比較的)の福島(亜由美の故郷)から旅立ち北海道を経てロシアに渡りモンゴル・ヨーロッパ・南米へと427日6万キロにわたるアドベンチャーバイク1台(2人乗り)の旅をした男女のドキュメンタリー。というわけだが、この映画の面白さでもあり鬱陶しさ?でもあるのは、幼いころから集団が苦手で一人ファンタジックな世界を夢見る人付き合いも苦手な女の子が希望を生かして映像製作会社に入るが底でも仕事に追いまくられ人付き合いもうまくいかないというような悩みを抱えて生きる若き日が出演している長谷川亜由美自身の語りとイラストアニメーションで綴られ、映画全体もおもには彼女の視線で、そんな自身への悩み・不満・また旅のパートナーであるナメさん(この映画の監督)への不満や怒りや、と途中ヨーロッパでは別れて1ヶ月ほどそれぞれ一人旅をしてトルコで再合流(文化の融合点で、ナルホド)と、必ずしも旅の見聞記とか体験記にはなっていないことか。それにしても400日以上にはいろいろあったことだろうが、映画に出てくる地元人はみな親切で明るく、トラブルはおもにバイクがらみ(故障や事故や…)に限られ、ケンカは描かれずまあこのままだと何故に亜由美はそんなに苦しむの?と過呼吸を起こしたり泣いたりする彼女がちょっと浮き上がってしまう感じはないでもない。旅はバイクの故障により中断されるのだが、その後の帰国後まで延々と彼女や子供たち?まで含めた現在までも描いててなかなか終わらない。
終わりに滑川監督が登壇挨拶したが、亜由美を「女の子」「一人で絵を描く以外には何もできない子」というような言い方「子」扱いするのがどうもな…自然目線でカメラは揺れるがそういう意味ではリアルな旅画面は楽しめる。(7月23日 新宿K’sシネマ184)
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監督挨拶 |
⑫桐島です
監督:高橋伴明 出演:毎熊克哉 奥野瑛太 北香那 山中聡 甲本雅裕 高橋惠子2025日本105分
4月に見た『逃走』①(足立正生)とまったく同じ事件・人物を描いた作品で、こちらは大阪アジアン映画祭のクロージング作品として話題作となり公開がきまっていたので7月まで待って見た。で?『逃走』のほうは『闘争』と読み替えてもいいほどに、主人公が逃げることによって闘っている感満載で、それに対する監督のシンパシーというかレスペクトもあふれているような感じだったけれど、こちらの方はなんかポヤーンとした感じで、偽名で何かあれば逃げる支度をしているとはいえ、主人公は日々の生活や仕事を実直にこなし、周りの人々にも受け入れられ、隣人には親切、恋心に苦しんだりはするものの恋してくれる女性もいるという感じで、監督自身のこの桐島の普通の人物・生活を描きたかったのだというようなインタヴュー記事を見た気がするが、まさにそういう感じでわりと客観的な描き方かな。『逃走』ではテーマ曲は『同志は倒れぬ』だったけれど、こちらは『時代遅れ』(主人公自身もギターを弾いて歌う)や浅川マキで、昭和時代の残照みたいなものは感じさせるが、まあそういう時代遅れになった「普通の」男を情緒的に描いた郷愁映画という感じにも思えてしまった。好みというか娯楽性という点ではこちらが上なんだろうとも思えるが。ラストシーンで監督の妻・プロデュースもしている高橋惠子がアラブ風のスカーフに銃を構えて「お疲れ様」とつぶやくなんて言うのもまさにそうで…その役名は「AYA」(もちろん大道寺あや子?)、というサービスも。(7月16日 新宿武蔵野館183)
⑪黒川の女たち
監督:松原文枝 ナレーション:大竹しのぶ 2025日本 ★★★
岐阜県白川郡黒川村の開拓団の面々は、1945年敗戦・関東軍の撤退とともにそれまで現地の人々の脅威にさらされ、若い女性を「接待」に差し出すことによりソ連軍に助けを求める。未婚の数え18歳以上の女性15人ほどが開拓団のために犠牲になることを強いられ、ソ連将校の「接待」に差し出される。2か月余りのことだというが、そこで病を得て亡くなった人も4人。なんとか命ながらえ敗戦1年で開拓団は帰国を果たすが、その後この女性たちは「汚れている」「恥だ」というような評価を得て村からつまはじきされるような、苦しみに満ちた後半生を送ることになった。日本の国策として現地人の土地を収奪するような加害性を持った満蒙開拓団の性格も、その中で起こった女性差別など幾重にも自身を囲むくびきの中で、「なかったことにはできない」と2013年ごろから当事者も、周囲にいて目撃したり彼女たちに寄り添ったさらに若い女性たちが声を上げていった過程、またその彼女たちの人生に理解共感し「乙女の碑」の碑文を作るなどして彼女たちをバックアップし、開拓団のこの事例によって生かされてきたことを自覚、自らは生まれてもいなかったこの事件に関して世に出すことでこの事件を過去のことではなく今後現代のこととした開拓団遺族会の会長、とか彼女たちの息子とか孫とかが祖母の話に自らの未来の生き方まで含めて考えを深めていく姿など、わりと客観性も保ちながら寄り添っているドキュメンタリー。当時者の高齢女性が「隠していたこと」を公にして共感を得ることによって自身を解放し「選挙では戦争に反対する女性に投票する」「頑張って100歳、200歳の未来に生きる」というような言い方をするのにこちらも心を開かれ感動するという意味では、参議院選も間近な今に時宜を得た公開でもある。最も先頭にたち発言した(孫たちによれば読むのも書くのも好きで、自身の経験を話すことによって残し広げていく意思が強かったそう)佐藤ハルエさんの、孫に微笑むスマホ映像、そして臨終の場面まで、ドキュメンタリー的勝利という感じでちょっと鳥肌もの。
ところで映画サービスデイとはいえ、平日午前の劇場大賑いだった。多くの人に見て心に留めておいてほしい映画だ。
(7月16日 新宿ピカデリー182)
➉おい、太宰 劇場版
監督・脚本:三谷幸喜 出演:田中圭 宮澤エマ 梶原善 小池栄子 松山ケンイチ 2025日本 101分
三谷幸喜のワンシーンワンカットドラマでWOWOWで放映されたものの劇場版とか。鎌倉近くのの八里ケ浜という海辺の現代(2024年)と昭和5年?を結ぶ1本のトンネルを介して、妻の友人の結婚式に付き合った小室(田中圭)という男が、後の太宰治(この映画の設定ではまだ世に出る前の作家の卵)と心中し、1人死んでしまうトミ子を死なせまいとバタバタアタフタを中心に津軽訛りの太宰(松山ケンイチなるほど)、や昭和のバカな、しかし気の強いところもあるトミ子(小池)らがコメディセンスを発揮して、なかなか見せてくれる。ただやはりこの人数この限られた場所設定の中でのバタバタのやり取りはいささかしつこい感があるし、一人三役(過去の父と、現代の双子の兄弟)の梶原善は達者なだけしつこい感じもするし、小室の妻(宮澤)の疲れ振りはなんかこっちにも伝わって来て、ウーン。終わりの方はけっこう疲れてしまった。映画で見る面白さより劇場で芝居で見るぐらいの方がいいのかもしれない。スマホや、ポケットライト、結婚式のご祝儀、鳩サブレといった現代の品々が、過去の中で浮き上がるような感じで存在感を放つのはなかなかかな…(7月15日 府中TOHOシネマズ181)
⑨フェミニスト・インシャラ― アラブ・フェミニズムの歴史を語る
監督:フェリエル・ベン・マフムード 2014フランス(フランス語・アラビア語)52分 ★
エジプト・モロッコ・チュニジア・アルジェリアなどもアラブ社会での女性解放運動・100年余りの歴史を描くドキュメンタリー。東京外国語大TUFSシネマの企画で、映画は比較的短いが、終わったあと4人の演者による解説とパネルディスカッションがあり、外大大学院生の同時通訳もついてなかなか興味深く見た。イスラム圏のフェミニズムというと多妻婚とかベールによる隔離とか、甚だしきは女性の教育機会を奪うとか、宗教的な教義?との矛盾というかむずかしさが思い浮かぶが、意外だったのは「国家フェミニズム」の存在で、100年以上前にすでに男性の思想家・運動家(エジプト:カーシム・アミ―ン、チュニジア:ターハル・ハッタ―ド)によって「女性の解放」が叫ばれていたこと、それらの路線を引き継ぐ?形でブルギバ(チュニジア)やナセル(エジプト)大統領らがフェミニズムの推進をしたが、それは労働力の確保や家族計画推進による国力(女性を戦力とする)の増加を目指したものであり、確かに女性を解放し地位の向上を実現したが、宗教界からの反発も買い、またセックスとか体についての言及は行われなかった。現在のモロッコでの「体は自分のもの」とする演劇運動とか、記憶に残るアミーナ(18歳)のSNSでの「体は私自身のもの」という裸体への書き込みなどーいわば西洋イムズ的なフェミニズムまでを紹介し、また、ベールに関しては「脱ぐ=解放」から自身の選択により被るまでの現在の在り方まで、ちがった立場も含めて紹介解説して、いちおうこれらの国々のフェミニズム現況までを述べていて教科書みたいだが、なるほど。登壇者のひとり、カイロ大学のカラム・アッバース氏が現代の性や体を自身のものと訴える動きに大いに抵抗を示し、「父は家族を守る=女性を大切にする」=アラブのフェミニズムの在り方だというような主張をされ、日本人の他の演者(外語大フェロー・鷹木恵子氏、亜細亜大・岡崎弘樹氏、主催者の外語大・後藤絵美氏)らが、映画とカラム氏の発言の間を取り繕うというか埋めるような発言をすることになったディスカッションもなるほどと聞く。アラブフェミニズムとイスラム教の関係についての考え方も一様では測れないことがよくわかるようなディスカッションであった。映画そのものも実はそのような多様性をそのまま紹介しているのであろう。それにしても終了9時前はさほど遅いとも思わないが、外語大周辺の交通事情(バスは8時にはもうない)には少々マイる。(7月14日 東京外語大TUFS Cinema @ アゴラ・グローバルプロメテウス・ホール180)
⑧スーパーマン
監督:ジェームス・ガン 出演:デビッド・コレンスウェット レイチェル・ブロズナハン ニコラス・ホルト エディ・ガテギ イザベラ・メルセド 2025アメリカ129分
言わずと知れたスーパーマン、その正体は宇宙から地上落とされて?アメリカ人の心優しい養父母に育てられ、デイリー・プラネットの記者として働くクラーク・ケントという設定は旧来作と変わるところはなく、なんで今更という気もするが、見てみるとなるほどね現代に生きるスーパーマンだった。出だしから闘いに負けて倒れているスーパーマン、架空の外国の紛争(イラン・イラクとかを思わせるだけだが、いやアフリカか?)で軍に弾圧される市民を助けるが、他国への介入としてSNSで批判され、恋人にも批判され…。この恋人はスーパーマンの正体を知っていてクラークが自身で録るスーパーマンの独占インタヴューの実態も知りつつ批判もある?感じ。敵役はこれも宿敵レックス・ルーサーで、大富豪にして天才科学者(というよりか元締めという感じ?イーロン・マスクをおちょくっているかなあ?)で、最新メカや組織を駆使してスーパーマンのクローンを作ったり人体改造?で殺人兵器のような手下を作ったりなかなか。一方のスーパーマン側もAIのバックアップ組織とか、最初は敵とも味方もつかながスーパーマンのバックアップをするような超人グループもいたりして、それぞれにすごい力を持っているので、重いものを持ち上げてつぶされそうになる人を助けるというようなスーパーマンの人助け方法はなんか受身というか、ひとりすごく古典的にみえてしまう。もう一つここではスーパーマンが唯一のヒーローではなく、同じような素質を持ったり持たなかったりする仲間(とも言えない感じではあるが)の力に助けられ自身の信念(人助けをする)を全うするところもで、ヒーロードラマでない分スーパーマンは弱さもあり、後ろ向きにもなり、映画ドラマ的カタルシスを与えられるような存在ではないのだが、でも、まあその人間臭さ?が最後に勝利しをすりわけだ。そしてきわめてさっそうとした悪の権化みたいなレックスが、ここだけはなんかすごく人間的に傷だらけになって捕まってしまうハッピーエンドはお約束。実はひそかに私のお気に入り(推しかな?最近のことばだと)のニコラス・ホルトがいつにもましてなかなかのヴィラン役で出ているので、初日初回に見に行ったら朝のせいかなんか高齢者が意外に多くてフーン。(7月11日 府中TOHOシネマズ 179)
⑦フォーチュンクッキー(Fremont)
監督:ババク・ジャラリ 出演:アナイタ・ワリ・ラザ グレッグ・ターキントン ジェレミー・アレン・ホワイト ヒルダ・シュメリング 2023アメリカ91分 モノクロ ★
監督はイラン出身のババク・ジャラリ。ヒロイン・ドニヤを演じているのはアフガニスタン国営放送のジャーナリストだったアナイタ・ワリ・ラザで、タリバンが政権をとったことで姉とともにアメリカに亡命。姉もこの映画に出演しているとか。初出演・初主役だそうだがきりりと知的なまなざしが深い。ドニヤは故国では英語通訳としてアメリカと関係が深く、それゆえに難民としてアメリカにやってこざるをえなかった。今は中国系の人々とともにフォーチュンクッキーを作る工場で働いているが、アフガニスタン時代のトラウマ?からPTSDを病み、不眠に苦しみ、精神科医のカウンセリングを受けることになる。カウンセリング場面はけっこう繰り返し出てきて医師とドニヤの関係も変わっていくのがことばで示される。ーちょっと気をつけていないと眠くなってしまうがー原題「Fremont」はアフガン移民が多いというカリフォルニアの街でこの映画の舞台である。前任者の仕事中の死で、工場主からフォーチュンクッキーに仕込む紙片(要はおみくじ)の文言の製作担当を任されることになるドニヤ。そこからはいろいろに含蓄のありそうなおみくじのことば「船は港にいれば安全だが海に出なければ船ではない」とか「考えるよりまず恋をせよ」とか…おみくじを見て笑う人々のツーショットなんかも入ってなかなか楽しい。そして文言はまさにドニヤのその後も変えていくわけで、ドニヤがこっそりクッキーにしのばせた電話番号に連絡が来て彼女はドライブ旅行に出ることになるが…。出会いと白い鹿の置物を介したあたらしい人間関係の深まりはモノクロ画面の中で輝く感じで、すごく静かで地味でバタバタしたところはないのだがまさにアキ・カウリスマキ的映像。ただしこの映画の二人はカウリスマキの人物たちのように無表情的北欧人ではなくて、もう少し明るくて軽い感じも…。移民社会でありながら今や移民排撃にでているアメリカでの移民の一つの姿を投影して、必ずしも移民社会にもアフガン人コミュにて日にもなじんではいない孤独なドニヤが人々に囲まれて新しい人間関係に踏み込んでいく姿を静かなユーモアも交えて普遍的な描き方をして秀逸な作品とみた。(7月9日 新宿シネマカリテ178)
⑥それでも私は
監督:長塚洋 出演:松本麗華 松本宇未 原田正治 2025日本 119分 ★★
オウム真理教教主笹原彰晃こと松本智津夫の三女麗華(りか)を描いたドキュメンタリー。12歳で教団の重要な地位についていた彼女は、自らに責任のない事件の責任を負わされるように学校から締め出され、ー大検を受けて大学を受験するがこれも複数の大学から合格後に入学を断られたとか…、定職も得られず、銀行口座も作れず、外国に行こうとしてもいくつもの国がVISAを出さないというような生活を送ってきた30代初めから40代はじめまで、いわばこの映画の作者は寄り添うように撮ってきたのである。弟を殺人で失い犯人が死刑になったという被害者遺族との会見から映画は始まり、時に死にたいなどと作者へのラインに吐露したりしながらも、自分の生き方について考え、父の罪を父自身の口から明らかにしてほしかったと願いその願いもかなわず死刑執行されてしまいショックを受けるというような姿も、とんでもない大変さだろうなあと思いつつ、しかし彼女の生きようとする姿や、語る姿の美しさや、頭の良さにちょっと感じ入ってしまう。多分父親も、資質的には彼女の持っているような魅力をさらにさらに持っていた人なのだろうなと思える。父の記憶のない6つ年下の妹は父母に対立し否定しているらしく、遺骨の引取りに関しては姉とは訴訟が起きているとか。親の生き方が子どもの骨肉の争いにつながるということが前面に出てきている映画ではないが、彼女が妹について語るのを聞いていると、愛したいが愛させてはもらえない苦しみのようなものもよくわかり身につまされる。それにしても筋トレの大会に出たり、沢登りを楽しみ、姉と奥多摩登山をする姿に、とても救われる。終わって監督長塚洋氏の挨拶あり。このような映画を作ることになった経緯などを話された。(7月9日 新宿K'Sシネマ 177)
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監督挨拶 |
⑤ハルビン
監督:ウ・ミンホ 出演:ヒョン・ビン パク・ジョンミン チョ・ウジン チョン・ヨビン パク・フン リリー・フランキー 2024韓国 114分
寒い寒い豆満江の氷原シーンから雪の中での日本軍と大韓義軍の攻防、シベリア鉄道のなかで伊藤博文の暗殺を画策する義勇組織側と日本憲兵のアクションとか、組織の中でとらえられ拷問のはてに寝がえり密偵になる男とのあれこれとか、要は伊藤博文が満州鉄道で大連からハルビンに行きそこで安重根によって暗殺された事件を韓国側(つまり国民の英雄としての安重根側)から描いたスパイアクションなのだけれど…。リリー・フランキー演じる伊藤以外は(多分)日本側も全員韓国人が日本語で演じているし、舞台後半は韓国映画だが中国が舞台というわけで複雑な背景?のうえに単純なスパイアクションを乗せたという感じで、抑え目モノクロに近い雪景色などはけっこうきれいなというか渋い映像で見せるのだけれど、別に日本が悪く描かれているからということではないのだが、案外華のない映画で、やっぱり時節を得ていないのか?? 『崖上のスパイ⑪』(2023張藝謀)と共通する舞台とか、雰囲気もあるのだが、あちらの張芸謀映画には不必要なほどにあった?華やかさというか華がこちらにはまるでなくて、けっこうマジメな歴史の教科書を見ているようなところにすごくえぐい拷問シーンとか銃殺場面とかがつらなるので、ウーン。(7月8日 新宿ピカデリー 176)
④灰になっても(寧化飛灰 Rather Be Ashes Than Dust)
監督:アラン・ラウ 2023香港・イギリス・カナダ 118分 ★★
『時代革命』(2021キウイ・チョウ)では撮影監督をつとめ、今はイギリスに逃れて映画を作り続けているアラン・ラウ。彼がイギリスの香港返還、さらに祖父が大陸からサメのいる海を泳いで渡ってきたという1960年代までさかのぼって、自身の生きた香港をジャーナリストとして捉えなおし記録した2014年、雨傘革命から2019年逃亡犯条例(『理大囲城』⑨で見た場面もたくさん)、20年国家保安条例の「敗北ー永久に市民の自由が失われた香港」、そして英国に旅立つまでも含め、ジャーナリストとしてどう考え、どう報道し、そうしながら自身に負い目を感じた経緯までを、大量な闘争の映像とモノローグによってたどりなおす。この10年余、1人の記録者が自身にできる記録という仕事をしながら悩んだり苦しんだりすることも含めて、香港の人々がいかに苦しい、つらい状況に追い込まれてきたかの歴史のたどりなおしは、重いけれども、つい「遠く(はないのだが)」に見てしまっている身には勉強にもなり、また今一度「感じなおす」契機として貴重な干渉になった。ほとんどモノクロ手動で動き回るカメラと、今を見直すときに入るカラーの部分との対比が美しいのだが美しければ美しいなりに悲しさも呼び起こされる。「灰にとなるまで(寧化飛灰)」は「塵として朽ちるより、灰として燃え尽きる」意だそうで、これからの香港に向かい合う決意を示しているのだとか。他用のあと夜8時半からの鑑賞だったが眠気などはいっさいなし。(7月6日 渋谷イメージフォーラム175)
③夏の砂の上
監督:玉田信也 出演:オダギリジョー 高石あかり 松たか子 森山直太朗 髙橋文哉 満島ひかり 篠原ゆき子 光石研 2025日本 102分 ★
松田正隆の戯曲が原作、オダギリジョーは共同プロデューサーも勤め出ずっぱりの大熱演?新人?(初めて見た気がする)高石あかりも堂々向こうを張ってなるほどね。熱暑、しかもからからに乾いた長崎の崩れそうに不安定な感じに撮られたひと夏、子供を亡くしたことからギクシャクした妻とも別居、勤めていた造船所も倒産閉鎖になって、無為に暮らす主人公オサムのもとに妹が17歳?の娘ユウコを連れて現れ、博多で店を開くことになったので準備の間娘を預かってほしいとおいて行ってしまうところから。近くのスーパーでバイトをすることになったユウコと同僚のアルバイト大学生立山、同じ造船所持田や神野とのやけ酒?飲み会、そして神野と妻が浮気をしているらしいと察しながらもそこに触れられないオサム、そうこうしているうちに持田が突然の事故死、葬儀の場にオサムを非難しにやってくる神野の妻…、と何とも鬱陶しさが続いていくような場面ばかりで、この先どうなっていくのこの話はと、観客もどんどん追い詰められていく。その後肉屋で働き始めたり、妻が離婚届を持ってきて神野と一緒に街を去ったり、そして開店に失敗し今度はカナダに行くことになったと戻って来てユウコを連れて行く妹、とかウーンウーン、なのだがその中でオサムが身につけていく寛容性とかそのオサムとユウコを祝福するかのように突然に降ってくる大雨の解放感とか、状況はあまり変わっていないけれど、人間の変容が物語に幸福感をもたらすのかなあと感じられる不思議な感じに包まれる鑑賞だった。脚本の力でもあり、演技者の上手さにもよるのだろうなあ。(7月3日 府中TOHOシネマズ174)
②ローマ法王になる日まで
監督:ダニエル・ルケッテイ 出演:ロドリゴ・デ・ラ・セルナ セルヒオ・エルナンデス ムリエル・サンタ・アナ メルセデス・モラーン ホセ・アンヘル・エヒド
2015イタリア(スペイン語)113分
おりしも『教皇選挙』➉(2025エドワード・ベルガー)上映中の今年、亡くなった226代(人気の)ローマ教皇フランシスコを偲んで?の『旅するローマ教皇』-7(2022ジャンフランコ・ロージ)とこの作品が上映されたもののよう。
若き日のホルヘ・マリオ・ベルゴリオが恋人と別れてイエズス会に入会し、独裁軍政のアルゼンチンで、これに抵抗しないカソリックと、苦しむ人々の間に立って無力を嘆きながらも活動しながら、親しい友人知人を何人も軍事政権に拉致され殺されというような苦悩の前半生、軍政が終わった後ドイツに留学し、同じスペイン語圏からの貧しい移民女性に「マリアの結びめ」?というのを教えられてさらにキリスト教を深く理解し、アルゼンチンへの帰国後も立ち退きを命じられた貧しい人々の側に立つなどしたその人生を、2013年コンクラーベ前夜のローマで回想し、そして教皇に選ばれるまでを描く。アルゼンチンの軍事独裁体制のすさまじさというのはかつて報道や映画などで知っていたが、その中で苦しみ、抵抗しつつ生き抜いたのがかの教皇フランシスコだったのだと、なるほどの見ごたえある結びつきではある。2005年以前の若い時代をロドリゴ・デ・ラ・セルナが、その後の2013年までをセルヒオ・エルナンデスが演じ、さらにコンクラーベ後の就任挨拶?部分は教皇自身の映像と音声を使っているが、これってどうかな?ちょっと違和感あり。ロドリゴ・デ・ラ・セルナが2013年まで演じてもよかったのではないかしらん、とおもえるほどセルヒオ・エルナンデスの出演シーンは少ない。暗いアルゼンチン軍政時代のコワさはよくあらわされているように思えた。あとアルゼンチンタンゴ風?の音楽も印象的。(7月4日 下高井戸シネマ173)
①突然君がいなくなって
監督:ルーナ・ルーナソン 出演:エリーン・ハットル バルドゥル・エイナルソン ミカエル・コーバー カトラ・ニヤルスドッティル 2024アイスランド・オランダ・クロアチア・フランス 80分 ★
出だし美大生のウナと恋人(同級生でもあるらしい?)デッディの過ごす、そして終幕ではウナとデッデイが別れるはずだった元?カノ?クララが肩を寄せ合って見つめる夕日の沈む同じ海岸風景のなんとも心打たれるような美しさ―グリーンやオレンジの光に満ちたーは現実のものとは思えないような…。ウナとデッディはまだ誰にもその関係を知られてはおらず、デッディは遠距離で付き合っていたクララに別れを告げてくると言い残して旅立つが高速のトンネル事故に巻き込まれ命を落としてしまう。友人どうしでデッディの安否を確認しながら悲しみに沈んでいくが、ウナはデッディとの関係を他の友には秘していたので心から悲しみの表出をすることができず苦しむ。そこへやってくるのがデッディが別れるはずだったクララー太目大柄、わりと「無神経」っぽい造型で、繊細で体も細く、むしろボーイッシュなウナとは正反対?クララはウナに「(ウナ)がレズビアンでよかった」とさえ吐き、さすがのウナも「私はレズビアンではない。こだわらないだけ、最後の恋人は男性だった」とけっこうきわどい感じのセリフだが、クララはウナの真意に気づく様子はない。というわけで二人を囲み親友を悼む男の友人たちの中で慰められていくクララと対照的に孤独を深めていくウナの様子が繊細に描かれてピリピリするような悲しみが画面に漂う。友人の一人デッディと同居していたグンニはデッディから打ち明けられてウナとデッデイの間を知っていたが「クララが傷つくから黙っていよう」とウナに提案ー傷つくのはウナだろうとも思うが、辛そうに黙って受け容れるウナーということでこの行く末どうなるか…、西欧人とはいってもアイスランド人ってこういう国民性?日本人みたいじゃん?とはいえ今の日本人はもっとドライかもねと思いながら見る。そうか死者は亡きあと、和解をもたらすのか?と思いつつ、なんか割り切れない思いも残る終盤まで、いやはやとっても美しい、くるまれるようなまとわりつかれるような光とその緑やオレンジのグラデュエ―ションでちょっと驚いたほど詩的なイメージがあふれる。(7月2日 新宿武蔵野館172)
火打山・妙高山 山と花の写真集
1日目
さァ、出発。流れを見て橋を渡り一歩一歩登る…
下(右)は珍しく(私には)見つけたサンカヨウの実。このあと花もたくさん見た!
ヤグルマソウ/マイヅルソウ(左)とゴゼンタチバナ/ズダヤクシュ
ミゾホオズキ?/ツマトリソウ(左)とゴゼンタチバナ/イワハゼ
岩ゴロゴロの道が続き/黒沢山を横に見て/ツボスミレの群落も…
カラマツソウ/キヌガサソウ/サンカヨウの花



通常のコースタイムは3時間半くらいらしいが、ゆっくり歩き、たっぷり休み、花をめで?のんびりのんびりの5時間あまり。ペース的にはちょっとゆっくり過ぎて疲れたかも…。
2日目 火打山へ
小屋裏の展望台からの絶景、白馬〜唐松〜五竜〜鹿島槍(間にちょっと立山も)そして槍・穂高方面まで…
ニガナ?/イワイチョウの花
雪渓の見える山と手前はワタスゲの原/雪渓もちょっと越え/火打山登頂!



火打山頂上/ピークファインダーも今回はバッチリ
ウサギギクかな?/高谷池ヒュッテから黒沢池ヒュッテへ/途中にシャクナゲが…
黒沢池ヒュッテ/夕飯はごはん以外は何とか入る。コーンスープがついて美味しかった。
3日目 いよいよ妙高山へ
これから登る妙高山/昨日登った火打山
妙高への道はなかなか険しく休みの写真しか残っていない/頂上下の祠に参り…
いよいよ登頂!(北峰)
焼山、半分雲に隠れているが、頚城三山(妙高・火打・焼山)に心そそられる景色
そして南峰へ
南峰からの絶景
下りはまずはキビシイ急坂、岩下り、鎖場もあってなかなかスリルあり。そのあとはザレ土の狭い斜めになったトラバースとか、一部雪渓を越えたりとかもあったが、写真は残念ながらあまり撮れなかった。
終わり近付き小休止/ようやく花にも目が…アキノキリンソウ?/含硫黄の水流れる川原
モミジカラマツ/温泉水の川/その上流が二段になった光明滝(写真はイマイチ⤵)
赤倉温泉源湯で、一口源泉水をいただく
正面に見えてきたのは斑尾山(右側少し高い)次に登りたい最後の北信五岳/さらに進んでようやく燕温泉の街が見える。10時間近い山歩きもとうとう終わり!/到着地の温泉前
いよいよ登頂!(北峰)
焼山、半分雲に隠れているが、頚城三山(妙高・火打・焼山)に心そそられる景色
そして南峰へ
南峰からの絶景
下りはまずはキビシイ急坂、岩下り、鎖場もあってなかなかスリルあり。そのあとはザレ土の狭い斜めになったトラバースとか、一部雪渓を越えたりとかもあったが、写真は残念ながらあまり撮れなかった。
終わり近付き小休止/ようやく花にも目が…アキノキリンソウ?/含硫黄の水流れる川原
モミジカラマツ/温泉水の川/その上流が二段になった光明滝(写真はイマイチ⤵)
赤倉温泉源湯で、一口源泉水をいただく
正面に見えてきたのは斑尾山(右側少し高い)次に登りたい最後の北信五岳/さらに進んでようやく燕温泉の街が見える。10時間近い山歩きもとうとう終わり!/到着地の温泉前
というわけで、今回の山行も無事終わった!
おつかれさま!
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